Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

デジタル経済

さよなら「KODAK」

高校生のころ、両親に無理を言って<Nikomart FTN>を買ってもらい、写真を撮り始めた。自宅で白黒フィルムの現像が出来るようにし、プリントは写真部の部室(暗室)を借りてやっていた。大学でも写真部に入り、全紙大のプリントを焼いて展覧会もした。まあ…

銀行業務の標準化も必要(後編)

中小規模の金融機関(特に銀行)の共同センター構想が進まないのには、いくつも理由がある。 ◇銀行側 とにかく競争意識が高い。犬猿の仲の銀行があり「あの銀行と一緒のものを使うなど、俺の目の黒いうちは許さん」と頭取が叫んだりする。TOPはそんな状態だ…

銀行業務の標準化も必要(前編)

「デジタル庁」が自治体システムの標準化、つまり自治体業務の標準化に果たしてもらう役割は大きい。1,700を超える自治体で、本来同じ住民サービスをするはずなのにそのシステム仕様がバラバラ、連携に支障をきたしているのは何度もご紹介した通り。 自治体…

インボイス制度導入にあたり

2年後の2023年10月から、インボイス(適格請求書等保存方式)制度が始まる。インボイスとは製品やサービスを売る事業者が、買う事業者に対して消費税の税額や税率を示して発行する請求書である。二重課税にならないように、売り上げにかかる消費税額から仕…

電子文書の通用性

昨日、思わぬところで考古学者の先生から「ハンコの歴史」を聞かされた話を紹介したのだが、今回はトラストサービスの法制に詳しい弁護士さんからも話を聞くことができた。テーマは「電子文書の通用性」。 サイバー空間での法整備が遅れていることは再三ご紹…

デジタル化とハンコの行方

ある学会の国際コミュニケーション・フォーラムの案内が来た。このところ疎遠だったのだが、僕が同学会の役員を務めていたことがあり「ご興味があれば」との案内だった。テーマは「シン・デジタル政府:人にやさしいハンコにデジタル化は可能か」。技術的・…

情報通信法学研究会

総務省の知人から「情報法」の議論をしている研究会のことを教えてもらった。何度かご紹介しているように、サイバー空間での法整備は全く不十分だ。もちろん国境がない空間ゆえ、これは日本の法学界だけの問題ではない。「有体物法」の概念で考えるから、貴…

Social-DXと政府への信頼(後編)

昨日「デジタル政策について日本政府は市民の信頼を得たことがない」などと推測を述べたが、今やデジタル政策は非常に大きな位置を占め、デジタルと無関係な政策を探す方が難しいところまで来てしまった。だからSocial-DXを進められるかどうかは、市民の政府…

Social-DXと政府への信頼(前編)

先週毎日新聞が、前連合会長古賀氏の「デジタル庁が成功するには。政府に国民からの信頼はあるか」との寄稿を掲載した。日本は「デジタル劣等国」であるとし、「デジタル社会を進める(Social-DXと言ってもいい)ためには、国民の信頼が欠かせない」と新政権…

Yahoo!のコメント欄

SNSによる「誹謗中傷」をどう防ぐか、これも一種のサイバーセキュリティである。インターネットという匿名環境に隠れ、面と向かっては言えない事を書く。より多くの「いいね」やページビューを稼ぎたいから、発言は徐々に過激になっていく。さらにリツイート…

デジタル人民元・・・の前に

先日、日本のマネーロンダリング対策が不十分との指摘を受け、企業の実質的支配者をあぶりだすように、法務省が動き出したということを知った。おカネに色は付いていないし、デジタル化されたキャッシュのやりとりなら膨大で迅速なので、そう簡単には追跡で…

中国のデジタル基本3法施行

中国のTPP加盟申請には驚かされた。以前から「Great Fire Wall」のある国で、データの国境を越えた自由な流通ができない。TPP電子商取引章に、データ関連3原則、 ・国境を越えるデータ流通の確保 ・サーバーローカライゼーションの禁止 ・ソースコード強制…

良い試みだが、観測気球かも(後編)

20年前に関わったビジネスモデルに近いプランで、仕組みは当時よりはずっと洗練されている。 ・広告主は、複数/多数集められる。 ・単身、家族、戸建て、集合住宅など10のカテゴリに分けたデータ分析ができる。 ・博報堂傘下のコンソーシアムが持つ携帯電話…

良い試みだが、観測気球かも(前編)

もう20年以上前になるだろう、僕の所属する会社はあるエリアの電力会社さんにスマートメーターを売り込んでいた。直接関係はないビジネスだったのだが、メーターのデータ活用に話が及んで、お前も行ってこいということになった。当時僕は全社にまたがる新事…

テレワーク分の給与引き下げ

「COVID-19」感染拡大対策として菅総理は経済3団体(経団連・経済同友会・日本商工会)を廻り、テレワークの徹底により人流7割減を依頼した。経済界の本音としては「出来る企業・部門はもうやっているしこれ以上どうすりゃいいの」だろうが、そこは大人の…

近時のグローバル競争法(後編)

ここで公正取引委員会や各国の政府機関が「付いていく」という言葉には、ご本人たちの意識を超えた深い意味があるように思う。主に述べられていたのはデジタルな証拠の扱い、限定された関係者に個別に事情を聴く捜査のやり方についてなのだが、これは他の犯…

近時のグローバル競争法(前編)

先日、ベーカー・マッケンジー主催・経団連後援の「グローバル競争法セミナー:近時の動向とHOT-Topics」というオンラインイベントがあり、デジタル分野にフォーカスしたものだった。このところ欧米でも中国でも「巨大IT」に制約をかける手段として独占禁止…

誹謗中傷対策の議論

先週、秋に実施予定の、ちょっと大きなサイバーセキュリティイベントの打ち合わせがあった。例によって、 ・国際情勢と国家レベルのサイバー攻撃 ・サイバー防御、産官学の役割 ・デジタライゼーションとセキュリティ などをテーマに、どうイベントを構成す…

日本のAIガバナンスの方向性(後編)

AIについてはシンギュラリティの脅威(AIが人間を超越してしまう) などが、興味本位で強調されることもあり、多くの人に正しい理解をしてもらえる状況にはない。技術の進歩も激しく分野も多岐にわたるので、利用企業の側からも十分な説明も出来ていないこと…

日本のAIガバナンスの方向性(前編)

AI(人工知能)の急激な発展と適用分野の拡大は、多くの市民に漠然とした不安を与えている。不安をあおるようなメディアもあるのだが、特に欧州委員会のように政府レベルで危機感を募らせているところもある。これまで「欧州AI政策パッケージ」などの内容を…

日米デジタル連携のUPDATE(後編)

GDCP(Global Digital Connectivity Partnership)は、日米で協力してグローバルに安全な連結性や活力あるデジタル経済を促進することを目的としている。推進項目は3点あって、 1)第三国連携 第三国向けのICTインフラ展開や人材育成に係る協力など 対象地…

日米デジタル連携のUPDATE(前編)

近年の日本政府、どの内閣でも「日米同盟は外交の基軸」というし、在米大使は「今の日米関係はかつてないほど強固」という。まあ後者はある大使OBによると「慣例句」だそうだが。 その基軸が大きく揺らいだ時期が2度ある。最初は米ソ冷戦後、米国が崩壊した…

セキュリティ業界のダイバーシティ

北朝鮮の金正恩総書記が、「激ヤセ」で重病説が流れている。映像をみるとややほっそりしたかなという程度で、10kgも減ったとあるが元々140kgだからたかが知れている。それでも公式文書に「金正恩総書記」と書くところが「党中央」に書き換えられて、いつでも…

Trusted Web白書(5/終)

「Trusted Web」は、事実上「Surface Web」の上に構築される「顔の見えるインターネット」である。もちろん「顔」の全部が見えるわけではないのだが、取引に必要な部分(信用度等)は第三者評価付きで見えることになる。 インターネット&ウェブのビジネスモ…

Trusted Web白書(4)

「Trusted Web」のスキームは良く考えられたものだが、大きな課題はこの仕組みをどうやってガバナンスするかということ。白書はプラットフォーマーに多くを握られながら、その内部がブラックボックスであることへの懸念を示していて、その対策としてこのスキ…

Trusted Web白書(3)

「Surface Web」のさらに上層「Trusted Web」では、信頼されるデータの転々流通ができる。あるデータの流通を考えると、その受け渡しには6種類の主体が関与する。 A:大元の出し手 B:この受け渡しの出し手 C:この受け渡しの受け手 D:さらにその先の…

Trusted Web白書(2)

インターネット&ウェブは「デジタル社会」の基盤であり、その上で多くのサービスが登場してきた。しかし社会活動において求められる責任関係やそれによってもたらされる安心を体現する仕組みが不十分で、ユーザーが信頼の多くをプラットフォーム事業者にゆ…

Trusted Web白書(1)

一般に「自由」には「責任」が付いてくる。好きなことをするのはいいのだが、その結果には責任を持たなくてはいけない。ただいずれも抽象的な概念なので、誰もが分かるように「自由の範囲」やそれに伴う「責任の取り方」を明示することも必要だ。そこで各種…

IT企業の海外上場に「待った」

今月、中国版Uberとも言われる配車サービス大手「滴滴出行(DiDi)」が、中国当局から、 ・新規アプリダウンロード禁止 ・アプリストアからも削除 の措置を受けた。当局はこれを、サイバーセキュリティ法等に基づいて審査を行う間のことだと説明している。理…

脱紙処理、25年前の記憶(後編)

銀行のバックヤードを改革して、脱紙処理により真の情報産業になってもらう企みは、僕の失敗事例のひとつになった。「金融Big-Bang」の教えに従い、僕は銀行に情報産業になってもらいたかったのだ。 もう忘れかけていたその企みのことを、思い出させてくれる…