Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

デジタル経済

メタバースというリスク

このところ「メタバース」という言葉が良く聞かれる。昨年<Facebook>が社名を<Meta>に変更すると聞いたときは、「仮想空間に注力する」という言い訳で、各所に起こしている摩擦を軽減しようとしたのだろうと思っていた。今後は「GAFA」ならぬ「GAMA」だ…

対フィッシング・メール訓練

「不審なメールは開くな。特に添付Fileに要注意」というのは、かなり多くの人に浸透してきた留意事項と思う。「COVID-19」対策でいうなら「手を洗いましょう。マスクをしましょう」くらいの話。同じウイルス対策なのだが、マルウェアなどのウイルス対策にも…

海底ケーブルの重要さを認識

南太平洋の平和な国「トンガ」を、1,000年に一度ともいわれる海底火山の大噴火が襲った。地震によるもの以外にも「津波」が生じることを、僕は初めて知った。8,000km離れた日本にも1mを越える津波が到達し、養殖イカダが流されたり、漁船が転覆するなど…

「Apache Log4j」騒ぎの教訓

昨年末から、サイバーセキュリティ業界で新しい脅威として「Apache Log4j」の脆弱性が取りざたされるようになった。実際どの程度の被害があったのかもよく分からないのだが、関係者が対策に追われている状況になっていた。ベルギー国防省への侵入があったの…

平井先生朝食セミナー

1年ちょっと前、デジタル政策の第一人者として大臣となった平井卓也議員の朝食セミナーには、多くの参加者があった。 平井大臣朝食セミナー(前編) - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com) その後「デジタル庁」発足を前に、次のセミナーは梅雨時に企画…

テレワーク状況を管理する?

「COVID-19」禍が治まってきて、街に人出が増えてきた。テレワークも減っているようだが、東京23区に本社を置くような大企業や先端的な企業では、テレワークは新しい働き方として定着している。経団連会長が「出勤7割削減の見直し」を求めたのも、一律の削…

人材見える化とインセンティブ

東京オリ/パラこそ事なきに終わったものの、世界中でサイバーセキュリティの重要性は高まっている。じゃあどうすればいいのですか?という質問は多い。コンサルタント含む「識者」は、 ・経営者の意識改革 ・自社リスクの見える化 ・対応組織、体制の整備 …

5Gのアプリ開拓、中韓のケース

トランプ先生が「Huawei排除」を言い出したのは、次世代通信5Gのインフラを中国企業に牛耳られ、通信内容を習大人に抑えられてしまうことを恐れたからだ。かつてエシュロンやプリズムで世界の通信を傍受していた米国は、情報戦で中国の後塵を拝することは避…

サイバー保険の内外事情(後編)

もうひとつ、保険のカバー内容の差も内外であるという。一般にサイバー保険は3つの補償をする。 1)損害賠償責任の補償 例えば、自社の不手際などにより他社の事業に悪い影響を与えてしまい、その損害賠償するよう求められたケース。 2)事故対応費用の補…

サイバー保険の内外事情(前編)

心配された東京オリ/パラへの直接被害こそなかったが、世界中でサイバーセキュリティ・リスクは高まっている。攻撃側はどんどん高度な犯行手法を繰り出してくるし、攻撃者そのものも増加している。そんな中で防御側は、 ・24時間、365日の防衛 ・企業内シス…

無料Wi-Fiが呼び寄せるもの

家内と僕の携帯電話を簡易スマホに替えて、数ヵ月経った。時々YouTubeで音楽を聴くなどしているが、設定されている通信量上限3GB/月には到底届きそうにない。それは大半が自宅で、Wi-Fi接続で聴いているからだ。 しかし自宅にWi-Fiがないとか、いつも出歩…

セキュリティ部門のナマの声

ある機関がサイバーセキュリティの研究会を、毎年度下期に開催している。毎月のように2人のスピーカーに来てもらい、50分づつ話してもらう。その後1時間参加者を数グル-プにわけた討議になり、Q&Aや意見を言ってもらう。その全体のコーディネートを、今年…

Cyber Initiative Tokyo 2021

毎年恒例になっているが、日経主催の「Cyber Initiative Tokyo 2021」が日経ホールで開催された。今年も基本はオンライン開催だが、登壇者は日経ホールにやってきて誰もいない観客席に向けて講演やパネルディスカッションをする。今回は、その舞台裏を少し覗…

日米産業界の共同声明(後編)

今回の共同声明の「目玉」は、実は添付された「事例集」にある。かつてTPPに国境を渡るデータのルールを盛り込めたのは、この会合で両国産業界が「国境を渡るデータが、データを出す国にも受ける国にも利益をもたらす事例」を20余りも提出したからだ。漠然と…

日米産業界の共同声明(前編)

4月に菅・バイデン会談があり、日米間で新しいデジタル政策連携の枠組みが立ち上がった。GDCP(Global Digital Connectuvity Partnership)というのがそれ。具体的には2012年(日米とも民主党政権!)から12年間続いている、日米IED(Internet Ecnomy Dialo…

DEPAは死んでなかった

このところ中国の「自由貿易協定」への参加が加速しているように見える。先月TPP/CPTPPへの加盟申請を台湾に先んじて行ったのに加え、中国が主体となっているRCEPの発効が来年早々に起きる。そして今度は「デジタル経済パートナーシップ協定」への加盟申請だ…

デジタル社会構想会議の提言

僕らデジタル屋からの声援とは別に、社会全体からは白眼視されているかもしれない「デジタル庁」。メディアも否定的なスタンスのものが多く、細かなあらさがしをしているように感じることもある。どなたかではないが「誤った情報があたかも事実のように扱わ…

自殺の予兆とSNSプロバイダー

「COVID-19」感染拡大とその対策強化で、明らかに減ったのはインフルエンザの流行による死者。逆に増えたのが、仕事を失うなどして「孤独」になった人のうつ病。これが高じて、生活困窮になった人も含めての自殺者は増えた。 「COVID-19」の新規感染者が少な…

国内データセンターのメリット

旧知の人から「国内データセンターの誘致に関して」と質問を受けた。インターネット経済は典型的な水平分業形態なので、その一番下支えになるデータセンターのようなハードウェアのことは、最近全く関知していない。慌てていろいろ調べてみると、 データセン…

政治的SNSの抱える問題

総選挙真っ最中なので、個人ブロガーを含め情報発信には留意しないといけない。いつものように「これだめじゃん」みたいなことを、だらだら流していると「公職選挙法違反」でお縄になってしまうかもしれない。 Dappiという論者が立憲民主党候補などを非難し…

ベース・レジストリの整備

「DATA Driven Economy」の時代になり、各国政府はデータの収集・活用に向けた取り組みを加速している。日本政府も「包括的データ戦略」を6月に閣議決定している。その関連のお話は、何度かご紹介しその中に、 「ベース・レジストリの整備」 と言う言葉が出…

さよなら「KODAK」

高校生のころ、両親に無理を言って<Nikomart FTN>を買ってもらい、写真を撮り始めた。自宅で白黒フィルムの現像が出来るようにし、プリントは写真部の部室(暗室)を借りてやっていた。大学でも写真部に入り、全紙大のプリントを焼いて展覧会もした。まあ…

銀行業務の標準化も必要(後編)

中小規模の金融機関(特に銀行)の共同センター構想が進まないのには、いくつも理由がある。 ◇銀行側 とにかく競争意識が高い。犬猿の仲の銀行があり「あの銀行と一緒のものを使うなど、俺の目の黒いうちは許さん」と頭取が叫んだりする。TOPはそんな状態だ…

銀行業務の標準化も必要(前編)

「デジタル庁」が自治体システムの標準化、つまり自治体業務の標準化に果たしてもらう役割は大きい。1,700を超える自治体で、本来同じ住民サービスをするはずなのにそのシステム仕様がバラバラ、連携に支障をきたしているのは何度もご紹介した通り。 自治体…

インボイス制度導入にあたり

2年後の2023年10月から、インボイス(適格請求書等保存方式)制度が始まる。インボイスとは製品やサービスを売る事業者が、買う事業者に対して消費税の税額や税率を示して発行する請求書である。二重課税にならないように、売り上げにかかる消費税額から仕…

電子文書の通用性

昨日、思わぬところで考古学者の先生から「ハンコの歴史」を聞かされた話を紹介したのだが、今回はトラストサービスの法制に詳しい弁護士さんからも話を聞くことができた。テーマは「電子文書の通用性」。 サイバー空間での法整備が遅れていることは再三ご紹…

デジタル化とハンコの行方

ある学会の国際コミュニケーション・フォーラムの案内が来た。このところ疎遠だったのだが、僕が同学会の役員を務めていたことがあり「ご興味があれば」との案内だった。テーマは「シン・デジタル政府:人にやさしいハンコにデジタル化は可能か」。技術的・…

情報通信法学研究会

総務省の知人から「情報法」の議論をしている研究会のことを教えてもらった。何度かご紹介しているように、サイバー空間での法整備は全く不十分だ。もちろん国境がない空間ゆえ、これは日本の法学界だけの問題ではない。「有体物法」の概念で考えるから、貴…

Social-DXと政府への信頼(後編)

昨日「デジタル政策について日本政府は市民の信頼を得たことがない」などと推測を述べたが、今やデジタル政策は非常に大きな位置を占め、デジタルと無関係な政策を探す方が難しいところまで来てしまった。だからSocial-DXを進められるかどうかは、市民の政府…

Social-DXと政府への信頼(前編)

先週毎日新聞が、前連合会長古賀氏の「デジタル庁が成功するには。政府に国民からの信頼はあるか」との寄稿を掲載した。日本は「デジタル劣等国」であるとし、「デジタル社会を進める(Social-DXと言ってもいい)ためには、国民の信頼が欠かせない」と新政権…