Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ウクライナは長期戦を覚悟した!

 ロシア・ウクライナ戦争の行方は、ある意味はっきりしている。どちらも戦場での決め手を欠き、どちらも譲ることができないものを相手が求めているからだ。「トランプ赤ちゃん」の仲介など、むしろ邪魔であって停戦~和平への道を拓けるものではない。だからすでに3年半続いている戦争が、まだまだ続くのは明らかだ。そんな中、ウクライナ政府はこれまで出国を禁じてきた、若い男性の一時出国を認めるようになった。

 

なぜウクライナは18〜22歳の男性の「出国禁止」をいまになって解除したのか 徴兵年齢を引き下げるべきという西側同盟国の圧力にも屈せず(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース

 

 これが意味するのは「ウクライナ政府は、長期戦を本気で覚悟した」のだろうと思う。え、本気で闘うなら、若い男性を出国させず徴兵するんじゃないかって?

 

    

 

 僕は逆だと思う。ロシア・ウクライナ戦争は、顕在化した2014年のクリミア併合からでもすでに11年経っている。今後も失地回復のためには10年以上の年月が必要だろう。今18歳の青年も、10年後には28歳、20年後には38歳になる。彼らはその時、いろいろな意味でウクライナ軍や政府を支える人材になっているはずだ。

 

 そんな彼らを国内に閉じ込めていては、西側諸国を始めとする外国の支援を受けて戦い続ける体制が採れない。この世界は、人脈が大きな意味を持つからだ。外国の要人に知己を持ち、国際社会に発信する能力を持った人材は、軍人よりも貴重である。短期決戦ならば、一時期そのような人材育成を諦めることもあり得るだろう。しかし事態は長期戦を予感させている。

 

 実はウクライナも以前から少子化には悩んでいた。日本では少子化ではなく少母化だとして、若い女性(こういう表現をすると参○党の党首のように怒られるかも)の地域での確保が必要だとされる(*1)が、彼の国では若い男性がより必要とされている。

 

 国や民族の存亡をかけた戦い(&我慢比べ)が、21世紀もまだ続くとは・・・。歴史は非情なものです。

 

*1:少子化と男女差別意識 - Cyber NINJA、只今参上