Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

政策担当者への伝言

銀行業務の標準化も必要(後編)

中小規模の金融機関(特に銀行)の共同センター構想が進まないのには、いくつも理由がある。 ◇銀行側 とにかく競争意識が高い。犬猿の仲の銀行があり「あの銀行と一緒のものを使うなど、俺の目の黒いうちは許さん」と頭取が叫んだりする。TOPはそんな状態だ…

銀行業務の標準化も必要(前編)

「デジタル庁」が自治体システムの標準化、つまり自治体業務の標準化に果たしてもらう役割は大きい。1,700を超える自治体で、本来同じ住民サービスをするはずなのにそのシステム仕様がバラバラ、連携に支障をきたしているのは何度もご紹介した通り。 自治体…

デジタル屋から見たTPPの現在位置

環太平洋パートナーシップ協定(TPP/CPTPP)は、2000年頃からシンガポール・チリ・ニュージーランド・ブルネイ4ヵ国のEPAとして議論が始まり、EPAは2006年には発効している。その後、もっと大きな連携協定にしようとの議論になった。 折からリーマンショッ…

経済安全保障の意味(後編)

一方、こちらの記事はややネガティブ。 岸田新政権の「経済安全保障」は危険な先走り 定義が曖昧、所轄大臣は屋上屋、もっと腰を据えた政策を(1/10) | JBpress (ジェイビープレス) (ismedia.jp) 「経済安全保障とは経済活動を装い我が国の安全保障を弱体化し…

経済安全保障の意味(前編)

岸田政権の表看板は「分配:新しい資本主義」なのだが、一皮めくると「経済安全保障」という言葉が出てくる。担当大臣小林鷹之議員は、今年4月に自民党本部の会合で「DX with Security」をお話した時の座長だった人。その時期は野田聖子議員の議連にも呼ば…

デジタル化とハンコの行方

ある学会の国際コミュニケーション・フォーラムの案内が来た。このところ疎遠だったのだが、僕が同学会の役員を務めていたことがあり「ご興味があれば」との案内だった。テーマは「シン・デジタル政府:人にやさしいハンコにデジタル化は可能か」。技術的・…

Social-DXと政府への信頼(後編)

昨日「デジタル政策について日本政府は市民の信頼を得たことがない」などと推測を述べたが、今やデジタル政策は非常に大きな位置を占め、デジタルと無関係な政策を探す方が難しいところまで来てしまった。だからSocial-DXを進められるかどうかは、市民の政府…

Social-DXと政府への信頼(前編)

先週毎日新聞が、前連合会長古賀氏の「デジタル庁が成功するには。政府に国民からの信頼はあるか」との寄稿を掲載した。日本は「デジタル劣等国」であるとし、「デジタル社会を進める(Social-DXと言ってもいい)ためには、国民の信頼が欠かせない」と新政権…

新総裁(総理)へのお願い

ある意味予想された結果だったが、別の意味では驚かされた自民党総裁選の流れだった。最初の開票結果では首位になると思われていた河野候補が、わずか1票差とはいえ2位に甘んじたのだ。 1位 岸田候補 議員146、党員110 合計256票 2位 河野候補 議員86、…

中国のデジタル基本3法施行

中国のTPP加盟申請には驚かされた。以前から「Great Fire Wall」のある国で、データの国境を越えた自由な流通ができない。TPP電子商取引章に、データ関連3原則、 ・国境を越えるデータ流通の確保 ・サーバーローカライゼーションの禁止 ・ソースコード強制…

保護と活用のバランス(鉄道保安編)

「DATA Driven Economy」の時代だから、データ活用の優劣が個人、企業、業界果ては国のレベルまで、将来の明暗を分ける要素になることは明白である。しかし個人情報の活用となると、それはプライバシー保護とのバランスの上で活用する目的や範囲を論ずる必要…

EBPM推進委員会(後編)

この4つの論点を順番に見ていこう。 1)データガバナンスの確保 民間が提供するしないの問題ではなく、データがしかるべく整理され、正しい目的のために使われているという状態を維持しないといけない。各府省で事務次官級が管掌するという体制もそうだが…

EBPM推進委員会(前編)

日本政府は「COVID-19」感染拡大対策として、早期に「お酒を提供する店」を狙い撃って営業時間短縮や、酒類提供禁止、果ては「営業自粛」まで求めてきた。初期の頃には「夜の街」での感染リスクが高いと思われ、それなりの効果はあったのだが、これだけ市中…

誰も取り残さない電子政府

「デジタル庁」が発足して半月が経った。当たり前だが、現時点では大きな動きはない。概算要求を見ても、霞ヶ関の各府省のIT予算を束ねたので、それが約5,000億円。それ以外にいくつかデジタル庁ならではの新規予算も見られるが、精々数億円規模でケタが違い…

インフラ管理、新技術導入の手引き

今月「防災の日」にあたり、せっかく積まれた公共事業費が毎年使いきれないとの記事を紹介した。昨年は「COVID-19」禍もあったのか、とうとう当初予算の8割が積み残されることになった。土木作業自体の人手不足、自治体の技術者不足などがネックとなってい…

「製造強国」中国を支えるAI技術

東京オリンピックの金メダル数では米国に1個及ばなかった中国だが、AI研究では質・量ともに米国を上回ったと伝えられる。 中国AI研究、米を逆転 論文の質・量や人材で首位: 日本経済新聞 (nikkei.com) この記事では2020年にAI研究の論文引用数で、中国が米…

過去にも霞ヶ関でDXは出来ていた

DXは大事だよね、DXしないと生き残れないよねという話は方々で聞く。それ自身はいいことなのだが、DXという言葉についての誤解もまた多い。DXは何?と聞かれると僕の答えは「新しいデータ活用による、事業構造改革」である。かつて流通業のカリスマ鈴木社長…

良い試みだが、観測気球かも(後編)

20年前に関わったビジネスモデルに近いプランで、仕組みは当時よりはずっと洗練されている。 ・広告主は、複数/多数集められる。 ・単身、家族、戸建て、集合住宅など10のカテゴリに分けたデータ分析ができる。 ・博報堂傘下のコンソーシアムが持つ携帯電話…

良い試みだが、観測気球かも(前編)

もう20年以上前になるだろう、僕の所属する会社はあるエリアの電力会社さんにスマートメーターを売り込んでいた。直接関係はないビジネスだったのだが、メーターのデータ活用に話が及んで、お前も行ってこいということになった。当時僕は全社にまたがる新事…

日本のメディアは何故伝えない

昨年末から重要インフラかそれに準ずるような産業に対するランサムウェア攻撃が増し、その被害も一般市民に及ぶほどになってきた。米国コロニアル・パイプラインの事件では、身代金5億円を支払って復旧させたものの、東海岸ではガソリンスタンドで給油した…

デジタル監石倉先生への期待(後編)

初代デジタル監に就任された石倉先生とは、一度だけパネルディスカッションをご一緒させていただいた。その時のテーマも「DX&電子行政」で、モデレータの石倉先生から、 ・なぜ今までのDXはうまくいかなかったか?特に日本の電子行政。 ・今回のDXを成功さ…

デジタル監石倉先生への期待(前編)

今日僕らの希望である(あってほしい)「デジタル庁」が発足する。求められるのは日本社会の「Social DX」なのだが、まずは「政府・自治体のDX」。担当大臣として「デジタル相」がおかれ、総理の直下で霞ヶ関横断のプロジェクトを推進することになる。 実質…

脅威インテリジェンスの3階層(後編)

安全保障の専門家である彼は、3階層を次のように分類・定義していた。 1)Strategic Threat Intelligence 経営戦略・事業戦略・サイバーセキュリティ戦略に活用できるもの。サイバー攻撃を誰がなぜ仕掛けてくるかを推測できる。例として、攻撃者の属性・組…

脅威インテリジェンスの3階層(前編)

僕が”Intelligence”と言う言葉を最初に知ったのは、高校生のころ読んだエスピオナージの本(題名失念)。「情報って面白いよね」と思ったこともあって、当時大学に新設されつつあった「情報工学科」に進んだ。それから50年近く"Computer Science"の世界で生…

競争なき資本主義は搾取

先週「近時のグローバル競争法」の議論を紹介したが、僕は独占禁止法のデジタル産業への適用は、当局がサイバー空間の広さを知らないせいでより厳しくなっていると思っている。ただ当局はそれを百も承知で「テック企業叩き」をしているとの意見もあった。代…

サイバーセキュリティ政策会議

最初にこの名前「サイバーセキュリティ政策会議」と言われて、何のことかわからなかった。話し相手は警察庁の人なので、警察にもそんな会議があるのですか?と間抜けた質問をしてしまった。どこの省庁にも、また民間でも団体やシンクタンク主催ならいくらで…

近時のグローバル競争法(後編)

ここで公正取引委員会や各国の政府機関が「付いていく」という言葉には、ご本人たちの意識を超えた深い意味があるように思う。主に述べられていたのはデジタルな証拠の扱い、限定された関係者に個別に事情を聴く捜査のやり方についてなのだが、これは他の犯…

近時のグローバル競争法(前編)

先日、ベーカー・マッケンジー主催・経団連後援の「グローバル競争法セミナー:近時の動向とHOT-Topics」というオンラインイベントがあり、デジタル分野にフォーカスしたものだった。このところ欧米でも中国でも「巨大IT」に制約をかける手段として独占禁止…

日本のAIガバナンスの方向性(後編)

AIについてはシンギュラリティの脅威(AIが人間を超越してしまう) などが、興味本位で強調されることもあり、多くの人に正しい理解をしてもらえる状況にはない。技術の進歩も激しく分野も多岐にわたるので、利用企業の側からも十分な説明も出来ていないこと…

日本のAIガバナンスの方向性(前編)

AI(人工知能)の急激な発展と適用分野の拡大は、多くの市民に漠然とした不安を与えている。不安をあおるようなメディアもあるのだが、特に欧州委員会のように政府レベルで危機感を募らせているところもある。これまで「欧州AI政策パッケージ」などの内容を…