Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

政策担当者への伝言

サイバー犯罪捜査のためのガイド

この日は、しばらく前にもやってきた二重橋近くの東京商工会議所ビルでのイベントに足を運んだ。前回は日本商工会さんとの打ち合わせだったのだが、今回はそこの会議室が会場というだけ。主催は(一社)サイバー犯罪捜査・調査ナレッジフォーラム(CIKF)と…

米国首席公使公邸でのパーティ

ある日突然、米国大使館からのパーティ案内メールが届いた。この夏は大使館でも異動の時期だったようで、何人かの新任者を紹介したいとある。場所は麻布永坂町、地図を見ると最寄駅は麻布十番と六本木一丁目。正直、行ったことがないところ。なぜ呼ばれたか…

中国ではTwitterは禁止だが・・・

先日、久しぶりに経団連会館に行った。4階の会議室で行われるサイバーセキュリティ関係の会合を覗くのが目的だったが、2階では何か大きな会合がある様子。見ると「日中国交正常化50周年記念シンポジウム」とあった。そう、もう50年も経つのかという思いと…

機密性・完全性・可用性(後編)

ロシアの侵攻にあたってのサイバー攻撃については、慶應大学の手塚教授や土屋教授が日経ビジネスや日経本紙でコメントしている。 <手塚教授> 2015~16年に大規模な停電が発生したのはロシアのサイバー攻撃によるもの。これを教訓に、電力網をロシア仕様か…

機密性・完全性・可用性(前編)

情報セキュリティの3要素と言えば「機密性・完全性・可用性」が挙げられる。頭文字をとってCIAと略する人もいる。 ◆機密性(Confidentiality)アクセス権限を持つ者だけがアクセスできる ◆完全性(Integrity)情報が最新で正確、データが保護されている ◆可…

もう製造業じゃないのに・・・

何度か自動車産業のことをとりあげて、もうそろそろ製造業から脱皮すべきだよねと申し上げてきた。ハイブリッド車では残っていた内燃機関が無くなり、電気自動車の時代になれば部品点数はぐっと少なくなり、特殊な技術も不要になるものもあるからだ。 ああ、…

何をもって<国産クラウド>とする?

経済安全保障推進法は成立した。4つの基本項目(重要物資の供給・基幹インフラの安定・先端/重要技術の開発・特許の非公開)は挙げられている。今は、その具体的な影響範囲や運用法の細部の議論に論点が移っている。今月4日付けの<日経ビジネス>は正面…

デジタル自治体とデジタル公共サービス

デジタル庁が発足して10ヵ月が過ぎた。接待問題などの不祥事もあり、初代デジタル監の辞任もあり、難航しているのかもしれないが、岸田政権の安定の陰でいい意味でも悪い意味でも注目されていない。もちろん行政のDXを担当するデジタル庁としては、1年くら…

総務省消防庁だから?でなければ?

今月通信大手の1社K社のサービスが故障し、最大86時間障害が続いた。僕らが危惧していた「重要インフラへのサイバー攻撃」ではなかったが、社会混乱を引き起こしたのは確かだ。本件は、監督官庁である総務省が「重大事故」に認定する可能性もあるし、次官…

経営責任と補償

福島第一原子力発電所の事故について、東京電力の旧経営陣に対する株主代表訴訟の一審は、5人の被告中4人に有罪判決を下した。総額22兆円の補償を求めた訴訟だったが、判決は13兆円だった。これは被告が株主に払えとか、被災者に払えと言う命令ではなく、…

診療所のガバナンス問題

先月下旬、日経紙が「医療再建」という特集記事を掲載した。初日の見出しは「開業医の統治不全、風穴を」だった。冒頭例示されていたのが、夜間の救急救命医療に開業医の協力が得られない問題。中核病院のこの指摘に対し、開業医側は「夜勤をしたくないから…

破産者MAPによる恐喝

「COVID-19」禍で生活が困窮した人のニュースは多い。政府は特別定額給付金(10万円)を配布し、居酒屋などの事業者には助成金、個人にも無利子貸し付け金を用意するなどした。この個人貸し付け金、そろそろ返済が求められる頃になっている。無利子(&無担…

サイバー・ジュネーブ条約論

ロシアはまだ「特別軍事作瀬」だとして、今回のウクライナ侵攻を「戦争」とは呼んでいない。しかし実質的には戦争状態だし、非人道的なことは禁止されているはずだ。捕虜や傷病兵、民間人を保護するために<ジュネーブ条約>が制定されている。正確には<ジ…

「Emotet」再々流行のなぜ

昨年はランサムウェアが暴れ回り、米国最大の石油パイプラインを止めたり、ブラジル食肉大手の業務を妨害した。日本でも徳島の半田病院の電子カルテシステムが止められ、長期間診療が制限された。今年になってからも、トヨタ自動車の大手取引先の受発注シス…

本当なら嬉しい話だが・・・

先週産経新聞の「独自記事」として、日本政府にセキュリティ・クリアランス制度の導入の動きがあるとの報道があった。確かに他のソースには同様の記事はないので、スクープであることは間違いがない。 <独自>機密情報取り扱い資格を制度化へ 経済安保、改…

商工会議所の役割(3/終)

続いて外資系保険会社の人が登壇、この人は僕より25cmは背が高く、声も大きい。最初から上衣を脱いでの熱演である。冒頭、 ・被害を受けて米国の企業は体制を整え、攻撃を早めに検知できる ・日本を含めたアジアの国の企業は、5~6倍検知や発覚が遅く危険…

商工会議所の役割(2)

会場は商工会議所ビルの会議室、3部屋をぶち抜き70ほどのテーブルが並んでいた。参加予定者は50名ほど、1テーブルに1人の利用で距離を取れるようになっている。商工会の人によれば、関心が高いテーマでいつもよりずっと参加者が多いとのこと。参考までに…

商工会議所の役割(1)

「サイバー攻撃、怖いですよ~」「サイバーセキュリティは経営者の責任ですよ~」と方々でお話ししているのだが、そういう場の大半は今ではビデオ会議。リアル会議が復活しつつあるのだが、それでも東京23区内での機会がほとんどだ。僕の活動など大したこと…

「デジ臨」の規制改革案

昨日まで「インフラメンテナンス業務の産業化」の議論をご紹介した。老朽化が進む日本の社会インフラをどう支えるか、やはり決め手はデジタル化(活用)だと思う。岸田政権の重要機関のひとつ「デジタル臨時行政調査会:デジ臨」が、先ごろアナログ規制撤廃…

インフラメンテナンス産業論(3/終)

菅内閣で成長戦略会議のメンバーを務めた小西美術工藝社のデービッド・アトキンソン社長は、中小企業を合併等で大きくしないと生産性が上がらないといい、大きくならなければ消えてもらうと発言して炎上している。しかし僕は、その主張は正しいと思っている…

インフラメンテナンス産業論(2)

国交省では、これまで述べてきた日本のインフラの老朽化対策を考え続けていて、指針となる文書をまとめようとしている。今回集まった委員たちは、それを監修する立場にある。霞ヶ関のこの種の会合は、ともすれば「予算獲得のための官僚の作文を追認する御用…

インフラメンテナンス産業論(1)

2週間ほど前、三重県鈴鹿市役所などを訪問してインフラメンテナンスの現場を見せてもらった体験を紹介した。霞ヶ関のビル内での議論はずいぶん聞いていたのだが、やっぱり現場を見ると実態が分かってくる。それなりの規模があり財政的にも比較的余裕のある…

IPEFはTPPがいやだから・・・だけ?

米国バイデン大統領は、初めてのアジア訪問、日本訪問、「QUAD」会合などをこなして帰国した。その中で「インド太平洋経済枠組み:IPEF」の立ち上げも行った。 米主導IPEF、13カ国で発足 経済安保で「脱中国」―日本も参加:時事ドットコム (jiji.com) …

インフラメンテナンスの現場(7/終)

翌朝、鈴鹿市内のビジネスホテルで、ちょっと遅めに目覚めた。あまりにもInput情報が多すぎて脳が刺激を受けたからだろう、寝付けなかったこともある。朝食は6時半からで、出発は8時前。慌てて着替えて朝食会場に降りて行った。 朝食はバイキング方式、一…

インフラメンテナンスの現場(6)

次に見せてもらったのは<鈴鹿フラワーパーク>の南側に広がる白鳥湖(加佐登調整池)の傍らにある橋。用水路を渡るだけの短い(5m位)の橋で、用水路が出来上がって後に掛けられている。用水路のコンクリート壁の上面に乗っける工法で作られたのだが、橋…

インフラメンテナンスの現場(5)

今回のツアー、市役所庁舎内だけの議論だけではなく、実際に現場を見せてもらうこともできた。資料で見せられた「包括委託」工事の結果や、橋梁の工事の現場、公園の整備状況などもマイクロバスで巡ってもらえた。<鈴鹿フラワーパーク>というのは、市の中…

インフラメンテナンスの現場(4)

自治体としての予算や要員については理解できた。次は、自治体からの発注を受ける事業者(簡単にいえば土建屋さん)との意見交換会である。昨日紹介したように鈴鹿市の「包括民間委託」では、複数社のジョイント・ベンチャー(JV)が受注して施工した例があ…

インフラメンテナンスの現場(3)

苦しい自治体のインフラ(特に議論したのは道路)メンテナンス、費用については国が補助したり、発注形態を変えるなど現場の工夫で乗り切ろうとしている。残念ながらDXによる抜本合理化には手が付いていないようだが・・・。 次の論点は、技術とそれを支える人…

インフラメンテナンスの現場(2)

まず鈴鹿市さんから、概況の説明を受けた。三重県東北部に位置する市で、人口は約20万人。高速道路として、新名神自動車道・伊勢自動車道があり、国道1号および23号が市街地を走っている。市の管轄としての道路は総延長242kmほどある。 路面の状態を計る指…

インフラメンテナンスの現場(1)

今回僕が参加させてもらった「インフラメンテナンスの現場を見るツアー」、国交省でこの種の議論をしている、大学教授・建設コンサルタント・経済学者など8名の専門家と、国交省の担当官、サポート役の民間コンサル企業が東京からやってきた。迎えてくれた…