Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

デジタル大国米国の陰

 米国は金融大国であるとともに、デジタル(ビッグテック)大国でもある。グローバル化の中で、旧来型の製造業等は国外に依存し利益率の高い産業にシフトしていった。バイデン政権やトランプ前大統領が<USスチール>買収に反対するのは、8割が選挙(労組票)目当て、経済安全保障は2割程度の理由だろう。かつてよりよい鉄を求めていた軍隊も、軽量で丈夫な新素材を利用するようになっている。

 

 AIブームもあって、ビッグテックはじめデジタル産業は好調だ。M&Aを多用し、少しでも儲かる方向へ経営を動かしている。その姿勢を好感して、市場は株価を吊り上げる。ビッグテックが業績好調なのにリストラをしているのを、

 

・彼らのビジネスモデルも限界

・近い将来破局(カタストロフ)が来る

 

 などという人もいるが、多分にやっかみ。M&Aで獲得した人材によって既存の従業員を代替えしたり、獲得した人の中でも不要な者を整理しているだけだ。

 

    

 

 AI革命の影響もあって、技術者含むホワイトカラーの求人は減っているので、雇用環境が二極化している(*1)。その現象が典型的に現れているのがカリフォルニア州、もともと人種のるつぼで治安のよくないところだが、生活保護受給者・ホームレス・貧困層が集まって(取り残されて)しまい、社会問題化している。

 

シリコンバレーは「イケてるIT社員」の街じゃない!ホームレス増加・チフス流行の危機にある理由(ダイヤモンド・オンライン) - Yahoo!ニュース

 

 衛生状況も悪化し、チフス・ペストなど感染症が発生しているとある。この記事にはないが、流通業者の悩みは大規模な略奪。組織化されてデモから暴動に発展し、略奪行為に走るヤカラが増えている。このように社会不安が大きくなると、富裕層は彼らだけの街を作り、警備会社を雇って城塞都市のような生活区を作っているはず。

 

 金融大国・デジタル大国への流れは大多数の市民を貧困化させ、社会そのものを壊そうとしているようです。これが日本の未来図かも・・・と思うと暗澹たる気分ではあります。

 

*1:DX時代からAI時代への雇用変容 - 梶浦敏範【公式】ブログ (hatenablog.jp)