トランプ「赤ちゃん」政権は、一貫して米国内への製造業回帰を目指している。経済が発展するというのは高付加価値産業の比率が増えていくということで、必然として先進国の製造業は、
軽工業 ⇒ 重工業 ⇒ エレクトロニクス産業 ⇒ デジタル産業
と比重が移ってゆき、金融業などに互して非常に高い付加価値をサービスの形態も混ぜて提供している産業である。これら高付加価値産業では、従業員は快適なオフィスに座り指一本(&舌先三寸)で大きなビジネスを回してゆく。そして、炎天下で額に汗して働く人が絶対に拝めない額を、報酬として毎年受け取る。
ところが今「赤ちゃん」は、工場を米国に戻し米国人の雇用を増やせと言う。それはどちらかというと「額に汗して働く人」の雇用のことだ。そんなに都合よく時代の歯車を逆回転させられるのかといぶかっていたが、やはり実態はこうだったのかと思わせる事件が起きた。

逮捕475人で大半が韓国籍、米で建設中の現代自工場 外務省遺憾を表明 | ロイター
「赤ちゃん」政策で米国内に工場建設をしようとした現代自動車だが、建設作業員をオーバーステイなど就労資格のない韓国人労働者に頼っていたということで、ICEの急襲(本当にヘリで襲ってきたらしい)を受けて500人近くが拘束された(*1)。彼らは早々に強制送還されている。これは工場建設中の案件だが、工場が稼働したらどうなるのか?韓国企業からはこんな恨み節が聞こえてくる。
韓国企業の米国工場、現地人材使えというが…「熟練工おらず、教えてもすぐ辞める」 | Joongang Ilbo | 中央日報
ハコだけつくっても、工場労働者が集まらないのだ。米国人を雇用したくても、できないのが実態。間違いなく日本の(自動車など)製造業は、同じ悩みを抱えているだろう。
日本でも製造業のうち小規模で、デジタル化や多額の設備投資が出来ないところは、労働集約型産業のまま。人手不足を事実上の移民で埋めているのが実態です。さて「赤ちゃん」の時代の歯車を逆回転をさせる試みは、どうなるのでしょうか?
*1:拘束された人の中には日本人、中国人もいたとの報道もある