アナログ時代からシステム障害の多くは初期、もしくは改良時に発生している。社会システムについても同じで、制度が替わることの多い新年度にはそれが出やすい。この4月も、いくつかの大規模障害が発生した。
1)ANAの運航システム
国内線システム障害で、55フライトが欠航。ちょうどSKIPサービスが終了したタイミングだったが、このことと障害についての関係は不明。システムは2重系になっていたが、いずれもが停止した。Resilienceの意味では、人手による迅速な復旧に努め、この程度の混乱に収めたと伝えられる。
2)NTT東西の通信障害
フレッツ利用者などで広域の通信障害、44万件に影響が及んだ。原因は設備故障、同一の海外メーカー製品116台が同時に故障したものとの発表。ひかり電話からの緊急通報もできなくなったのだが、1~3時間で復旧している。
3)SUICAの決済障害
交通系ICカードによる決済ができにくくなる障害。原因は一部サーバが故障で能力が落ちていたところに、ランチタイムの決済が集中したこととの発表。1時間ほどで復旧。
仕事柄「すわ、サイバー攻撃か」と疑うのだが、その公算は低いようだ。ただ2)のケース、同一メーカーの製品が100台以上同時に故障というのはちょっと解せない。より詳しい原因究明を待ちたいと思う。
いずれも十分に訓練された障害対応チームが対処し、この程度に影響を喰い止めてくれたことに感謝したい。以前はインフラ事業者が何らかのトラブルを起こすと「社会的責任をどう考える!」とメディアが迫ることもあったが、報道の方も落ち着いてきている。これは、
・障害等が多く、報道しても注目されないのでメディアがシリアスに扱わない
・「被害/障害ゼロは無理、Resilienceこそ重要」とメディアが認識しつつある
のどちらだろうか?願わくば、後者の理由であって欲しいと思いますよ。
PS:デジタル政策系のお話は、本名で今年度開設した公式ブログに移していくつもりです。こちらもご愛顧ください。