Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

国際情勢

「賞金稼ぎ」の出番かも

正月休みに、BS映画をたくさん見た。印象深かったのは「ジェイソン・ボーンもの」、マーク・グリーニーの「暗殺者シリーズ」を思わせるスピーディな展開が小気味よかったし、主演のマット・デイモンがいい。その他に古い西部劇もいくつか見た。それらを見て…

サイバー諜報戦、企業の備えは?

最近、企業が社内に設けた研究所主催のサイバーセキュリティイベントに参加することが増えてきた。先日は広報系の聴衆向けのものだったのだが、今回はサイバーセキュリティ担当役員に向けた「ど真ん中」企画である。テーマは「サイバー諜報」。 あるセキュリ…

カザフスタン争乱の「なぜ」

ロシア・ウクライナ国境の緊張は米露の対話が進んでいて、今すぐの何かは無さそうに思える。しかし紛争のタネはそれだけではない。ウクライナ同様旧ソ連邦の一員だったカザフスタンで、内戦に近い状況になっていて、ロシア軍が現地に入って治安活動を始めて…

データ&サイバーのリスクより怖い?

昨年もイアン・ブレマーの率いるシンクタンク<ユーラシア・グループ>が公表する、「今年の10大リスク」をご紹介した。5位に「国際的なデータ規制強化」、6位に「サイバー紛争の激化」が入っていて、僕の専門領域が大きなリスクとされていることに感動し…

寅年の懸念は、やはり中国

北京オリンピックの年が明けた。英米の「外交的ボイコット」ではなく、日本政府が選んだ道は「政府関係者を派遣しない」だった。右から見れば「ボイコット」だけれど左から見れば「派遣せず」なので、どちらにも言い訳ができる。 ロシア・ウクライナの国境の…

ロシアとウクライナ

欧州大陸の後進国だった「大ロシア」、歴史に登場する最初の王朝「リューリク朝」は今のウクライナの地に、9世紀に誕生している。中心となったのはスラブ人ではなく、ゲルマン系のヴァリヤーグ人、つまりヴァイキングの一族だったようだ。そのころスラブ人…

日本にいるとあまり感じないが

ニューヨークに住む人とオンライン会議をしていて、ちょっとした雑談の中で「物価上がってますよ」と聞いた。「COVID-19」禍対策でバイデン政権が小切手をバラ撒き、その結果働かない人が増えて人手不足になり、人件費が高騰したことが原因のひとつだ。さら…

攻撃対象としてのオリンピック

北京冬季オリンピックに対しての「政治ボイコット」が始まっている。主権者である議会が超党派でボイコットを叫ぶので、米国バイデン政権は、選手は派遣するが政府からの参加はしないと表明した。これに「Five-Eyes」の国が追随して、日本政府はどうするのか…

米国のクリアランス制度(3/終)

以上見てきたように「セキュリティ・クリアランス制度」は、国家安全保障に関わる機密情報に「人」がアクセスすることを許可するもの。いかに高位で優秀な人物であっても職務上必要でなければ、与えられることはない資格である。また職務等の必要性に加えて…

米国のクリアランス制度(2)

Eligibirityを持っている人についても、ランキングがある。これは情報のレベルが関係する。以前「ゼロ・トラスト」の考え方を紹介した時に、6つのものを整理しておく必要があると述べた。 ゼロ・トラストって何?(前編) - Cyber NINJA、只今参上 (hatenab…

米国のクリアランス制度(1)

80年前の今日(ハワイ時間)、南雲機動部隊は真珠湾を攻撃し、太平洋戦争が始まった。奇襲になったのだが、ルーズベルト大統領は攻撃を知っていて、わざと太平洋艦隊に伝えなかったとか、ワシントンDCの日本大使館の通信は全て傍受され、暗号も解読されてい…

これは立派に「歴史決議」

米国の病理の中で、やはり一番根深いものは人種差別。特にアフリカ系アメリカ人に関するものだ。「COVID-19」禍であっても「Black Lives Matter:BLM」運動は衰えを知らず、これに関連する事件も後を絶たない。昨年もウイスコンシン州ケノーシャで行われてい…

公表されたアンティシペーション

サイバー攻撃、特に「Nation-State Attack」には、国家としての対応能力を磨く必要があると何度か申しあげた。具体的には、アトリビューション(特定)とアンティシペーション(予期)の能力である。 いずれも国家の諜報能力にもつながるものだから、どのく…

これもグレーゾーン事態?

戦争というのは、国家Aが国家Bに対して「宣戦布告」をして始めて、成り立つのだという。ただ宣戦布告なき「戦争状態」もいくらでもあって、9・11でニューヨークが攻撃された時に「It's WAR!」と言ったのは当時のブッシュ大統領、テロリスト側は犯行声明をし…

共産党の輝かしい歴史

7月7日は日本では七夕のお祝いで、本来嬉しい日。しかし中国では違う歴史があって、「盧溝橋事件」勃発の日として記憶されているらしい。この事件は1937年の7月7日、北京南西の盧溝橋(通称マルコポーロ橋)で、日本軍と中国国民党軍が衝突したもの。そ…

内政問題・外交問題の狭間

このところ国際関係の緊張が高まっていることもあって、グローバリズムが少し後退している。サイバー空間に国境はないと、「Global & Digital」を推し進めている僕らにとっては、困った事態だ。2000年ころからサイバー空間での日米欧連携、TPPやRCEP、TiSAな…

南シナ海での海戦?

今月はじめ、米国の攻撃型原子力潜水艦「コネチカット」が、南シナ海で何者かと衝突、数名の負傷者を出したとの報道があった。いずれも軽傷だということだが、場所が場所だし、フネがフネということで憶測を呼んでいる。 南シナ海は中国の海洋進出が激しく、…

デジタル屋から見たTPPの現在位置

環太平洋パートナーシップ協定(TPP/CPTPP)は、2000年頃からシンガポール・チリ・ニュージーランド・ブルネイ4ヵ国のEPAとして議論が始まり、EPAは2006年には発効している。その後、もっと大きな連携協定にしようとの議論になった。 折からリーマンショッ…

SIGINTがテロ事件を予防している

米国の「一番長い戦争」が終わり、アフガニスタンには20年前同様タリバン支配が戻ってきた。国連でタリバン代表が演説する日も、遠くないかもしれない。もともと米国のアフガニスタン侵攻は、9・11テロの報復だった。米国としては、米ソ冷戦に勝利し、経済大…

どんな「希望」が残っていたの?

岸田内閣の重点政策のひとつは、分配政策による所得倍増だという。ジャーナリスト田原総一郎氏によれば、国家は2種類あって、 ・冷酷な軽税国家 ・手厚い重税国家 なのだという。「維新の会」を除いては、与党も含めてみんな方向性としては後者に向かおうし…

不毛な努力と言わないで

英国のアジアへの傾斜が、昨年あたりから急になってきた。顕著な動きとして、 ・空母「クイーン・エリザベス」の極東派遣 ・英米豪で、新たな安全保障の枠組み ・CPTPPへの加盟申請 があって、軍事・経済両面で「自由で開かれたインド太平洋」という戦略に積…

「実質的支配者」をあぶりだせ

先月末から「マネーロンダリング対策強化」の記事がいくつも目についた。「マネーロンダリング」とは、犯罪等で得た不当な資金を金融機関間での取引に紛れ込ませるなどして「クリーンアップ」すること。犯罪組織やテロ組織の資金源にもなるなど、世界中で規…

英語離れになるかも

新しいインド太平洋の安全保障スキーム「AUKUS」、英米豪の三国によるもので、あからさまな「対中包囲網」である。先日紹介した空母「Queen Elizabeth」の極東遠征も、その一環。オーストラリアはこのところ中国との軋轢を深めていて、中国が買わなくなった…

エネルギーコストの高騰リスク

ずっとデフレだった日本、どうやら値上げの秋がやってきそうだ。大豆を中国が買い占めてしまっていて、小麦など穀類の不作も加わり、当家の食卓にも影響しそうだ。朝食の納豆、昼食のうどん、ワインのお供のパスタなど全部が値上がりしそうな気配だ。家内は…

中国都市部の今の状況

先々週「対中投資促進」を訴える専門家2人の話、先週ソロス氏ら大物投資家の「対中投資への警告」をご紹介した。リスクは顕在化しつつあるが、他よりは投資対象として魅力はあるという説もあるし、デジタル産業いじめなどして「金の卵を産むガチョウを殺し…

関羽将軍、二度目の斬首

「三国志」を扱ったシミュレーションゲームで、EPOC社が出していた「三国志演義」はあまたの武将・軍師がコマになって、そこにはいくつもの能力値が記されていた。本当は統治能力や采配力が重要なのだが、そこは戦争好きのゲーマーたち。最初に見るのは戦闘…

改めて、対中国投資への警報

2ヵ月ほど前、付き合いのある証券会社から「中国ファンドのいいのが出ました」と勧められた。「国進民退」の動きが顕著だし最初は渋っていたのだが、デジタル産業ではないファンドで、1年くらいで売り抜けるならいいかと考えて、ある生活分野のファンドを…

「製造強国」中国を支えるAI技術

東京オリンピックの金メダル数では米国に1個及ばなかった中国だが、AI研究では質・量ともに米国を上回ったと伝えられる。 中国AI研究、米を逆転 論文の質・量や人材で首位: 日本経済新聞 (nikkei.com) この記事では2020年にAI研究の論文引用数で、中国が米…

王立防衛安全保障研究所の会議(後編)

2つ目のセッションは「インド太平洋地域での日英協力から:サイバー分野を例に」というもの。ここでも日英から4名のパネリストが登壇して、サイバーセキュリティ関連の日英協力について、現状課題や今後の注目点などを述べた。 ・Brexit後の英国にとって、…

王立防衛安全保障研究所の会議(前編)

先週、英国の最新鋭空母「Queen Elizabeth」を中心とする艦隊(CSG21)が横須賀に寄港した。英国大使館がこれを記念したオンライン会議をするにあたり、僕にも案内をくれたので喜んで参加した。主催したのは「英国王立防衛安全保障研究所:RUSI」というシン…