Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

国際情勢

中国には届かないかもしれないが

「くまのプーさん」と言えば、英国の作家A・A・ミルンの作品で、世界中に知られているキャラクター。ミルンは20世紀初期の作家で、本格ミステリー「赤い館の秘密」も書いた。プーさんも登場から1世紀経って、著作権の縛りが切れたようで、原作にないストーリ…

米国首席公使公邸でのパーティ

ある日突然、米国大使館からのパーティ案内メールが届いた。この夏は大使館でも異動の時期だったようで、何人かの新任者を紹介したいとある。場所は麻布永坂町、地図を見ると最寄駅は麻布十番と六本木一丁目。正直、行ったことがないところ。なぜ呼ばれたか…

睨みが利かなくなると

ウズベキスタンのサマルカンドで開催された<上海協力機構>の会合が終わった。中国、インドという14億人国が参加しているため、世界の人口に占める比率は重い。プーチン先生としては「西側何するものぞ、世界の半分は俺の味方」と言いたかったのだろうが、…

守りたかったはずのデータが・・・

習大人の「デジタル防衛政策」はかなり徹底していて、サイバー空間を国家主権の一部と位置づけ、ここへの侵略は領土へのそれに等しいと内外に通告している。具体的には、 2017年 サイバーセキュリティ法 2021年 データセキュリティ法、新個人情報保護法 の「…

海洋覇権の焦点

先月ソロモン諸島で、日米合同の慰霊祭が行われた。80年前の8月、航空基地や水偵基地を建設中だった日本軍に米国の大艦隊が襲いかかり、以後半年ほど激戦を繰り返した場所だ。ソロモン諸島という国の名前を言ってもピンとこない人も、ガダルカナルの戦いと…

公務外での米軍将校の事件

昨日の日韓問題に引き続き、司法と外国政府に関わる問題をもう1件。昨年5月に富士宮市で米軍将校が交通事故を起こし、日本人3人が死傷する事件があった。米国海軍横須賀基地所属のハネマン大尉が起こしたもので、被告人は「高山病による心神耗弱」を原因…

本当の「悪徳弁護士」

中学生時代から英米ミステリーにはまっていた僕、官憲側の名探偵が「・・・というわけで、こいつが犯人だ。しかし直接証拠がない」と警官や検察官と鳩首会談するシーンをいくつも読んだ。加えて容疑者権利を(しすぎなくらい)保護する<ミランダ条項>などの、…

台湾海峡のハイブリッド戦

「ハイブリッド戦」という言葉の意味は、軍事専門家によると「軍事力以外の力を併用して敵を屈服させようとすること」らしい。その(軍事力以外の)手段は、デジタルに留まらない。政治力、経済力など広く活用するもので、デジタル以前の時代にも、いくらも…

かつての大国の存在感

このところ、トルコのエルドアン大統領の動きが活発だ。ロシアとウクライナという紛争当事国に国連を加えた4者会談で、ウクライナからの穀物輸出に道を拓く会合をまとめた。先週はウクライナに出かけ、国連のグテーレス事務総長とゼレンスキー大統領との3…

台湾有事の後を見据えて

ペロシ下院議長の訪台に続いて、先週は米国超党派の国会議員団が台湾を訪問、蔡英文総統と会談した。中国政府は直ちに反応、再び台湾周辺での軍事演習をして台湾&米国政府を威嚇した。一部には台湾周辺の演習が常態化する懸念もあるが、やればやるだけ弾薬…

気候変動がもたらす水の偏在

日本でも北海道、東北地方で大雨被害が出ているが、韓国ソウル市のそれは想像を越える規模になっている。「パラサイト」という映画で、半地下の部屋に住む貧困層の家屋を描いていたが、実際にそのような暮らしをしている人が60万人以上いるという。 そこに10…

半導体産業への投資競争

経済安全保障推進法が成立したが、法律だけでは具体的な進め方は分からない。これから施行令・施行規則が作られて、ちゃんとした予算がつかないと霞ヶ関は動けない。担当大臣が財務省出身の若手小林鷹之議員から、総務大臣等を歴任したベテランの高市早苗議…

敵基地攻撃能力

ロシアのウクライナ侵攻開始から、もうすぐ半年になる。1週間以内にはキーウを占領、ゼレンスキー政権を排除して親ロシア政権に入れ替える・・・という目標は果たせなかった。直接的にはウクナイナの人達の愛国心と士気が、いやいや参戦のロシア兵を上回ってい…

原因不明の急死相次ぐ

台湾を取り囲むように設定した軍事演習域で、特殊砲兵(ミサイル)・空軍・海軍の演習は一段落した。上陸作戦用の陸軍が参加していなかったので、演習と見せかけての侵攻ではないことは明白だった。しかし演習の常態化の噂もあって、そのうちには陸軍の参加…

嘉手納~普天間の距離

米国ペロシ下院議長の台湾強行訪問に怒った中国軍は、台湾をぐるりと囲むように6つの海域・空域を設定し、特別軍事演習を行った。台湾東方の2つの演習域に挟まれたのが与那国島。実弾を使うもので、演習域に設定されていた与那国島沖の日本のEEZ内にも、弾…

米中両国、内政が問題の秋

初めての習大人とバイデン大統領のリアル会談が、企画・調整されているらしい。両国とも内政に大きな問題を抱えていて、どちらもリセッションの崖っぷちにいる。今や対立している場合ではないのは双方とも認めながら、矛をひくことができない。 まず米国だが…

ゲームチェンジャーになるか

ウクライナ紛争は、西側(うーん、久しぶりに聞く言葉だ)からの新兵器が機能し始め、ロシア軍の侵攻が止まっていると伝えられる。高機動ロケットランチャー<ハイマース>は、ロシア軍伝統の「面で制圧する砲撃」ではなく、長距離攻撃ながらピンポイントで…

1人あたりの身代金は0.02セント

昨日、中国の「健康コード」などを通じた当局の個人情報活用の話を紹介した。これぞ「監獄国家」と非難している人もいる。もうひとつ気になるニュースがあった。それは上海警察当局がサイバー攻撃を受け、10億人分の個人情報を窃取されたというもの。当局は…

平等政策が招く「共同貧困」

日本では参議院議員選挙の真っ最中、物価高対策や格差是正が大きな論点になっていて、暫定的な消費税下げ、最低賃金底上げ、非正規雇用縮小などが議論されている。大陸に目を転じてみると、習大人の三期目を決める秋の党大会に向けて、格差是正の政策が進行…

追い詰められるロシア、だが嫌な予感も

熱波の中の日本、しかも参議院議員選挙真っ最中だが、自民党の岸田総裁は日本に留まっても居られない。先週はミュンヘンでG7サミットがあり、引き続きマドリードのNATO首脳会議にも出席した。G7サミットでは、ロシアを糾弾するだけでなく、力による一方的な…

「2nd Civil War」の火種

ウクライナ紛争が長期化し、中国の台湾への圧力も高まっている。世界的な食糧不足は、特にウクライナの小麦に依存していたアフリカや中東諸国に飢餓を発生させ、社会的不安が増大している。もし中東に火がつけば、エネルギー不足がいよいよ露呈、日本も大変…

サイバー・ジュネーブ条約論

ロシアはまだ「特別軍事作瀬」だとして、今回のウクライナ侵攻を「戦争」とは呼んでいない。しかし実質的には戦争状態だし、非人道的なことは禁止されているはずだ。捕虜や傷病兵、民間人を保護するために<ジュネーブ条約>が制定されている。正確には<ジ…

「Emotet」再々流行のなぜ

昨年はランサムウェアが暴れ回り、米国最大の石油パイプラインを止めたり、ブラジル食肉大手の業務を妨害した。日本でも徳島の半田病院の電子カルテシステムが止められ、長期間診療が制限された。今年になってからも、トヨタ自動車の大手取引先の受発注シス…

ハイテク兵器のサプライ不足

こういうのを「消耗戦」と言うのだろう、ウクライナ東部戦線では激戦が続き、ウクライナ側は毎日100名が戦死(1コ中隊が全滅に相当)しているという。ロシア側の死者(KIA)も少なくとも同等の数には上るだろうし、士気が低い分だけ行方不明者(MIA)も少な…

イーロン・マスクの危機感

日本でも値上げラッシュがひどいと感じるのだが、米国のインフレはそんな生易しいものではないようだ。世界有数の石油生産国であるにもかかわらず、エネルギーコストの上昇がひどい。人件費も、部品も、その他の消費財も、天井知らずの上げ幅だという。秋に…

東ウクライナでの消耗戦

ロシア・ウクライナ紛争は、作戦級としてはヤマ場を迎えていると思われる。種々の報道があり、個々にはどれほど信用できるか不明なものもある。僕はもっぱら、インテリジェンス大国である英国の情報を参考にするのだが、それすらも意図的な歪みがあり得る。…

モディ首相の危惧

米国のバイデン大統領が、初めてのアジア歴訪にやってきた。とはいえ対立している中国へ行くはずも、トランプ先生のように金総書記と握手するはずもない。そんなわけで、就任したばかりの韓国尹大統領を訪問、それから日本に来て岸田総理と会談したり「QUAD…

取り越し苦労とは思うけど

先週は、いろいろと気になる記事があった。まず横浜エリアの大停電、6万戸以上に影響が及んだという。すわ、電力インフラを狙ったサイバー攻撃かと思ったが、川崎市内での地中管工事のミスだった。次に明治用水の水位が下がって、工業/農業用水が確保でき…

ロシア軍のフトコロ事情

日々、ウクライナ各所におけるロシア軍の残虐行為の報道がある。ロシア側は、ウクライナ及びそれを支援する欧米のプロパガンダだと言っている。確かにユーゴ紛争の時は、がれきの街並みはハリウッドのセット、登場する被災者は俳優、という噂が流れたことも…

「サイバー放火」が起きているのか?

ロシアのウクライナ侵攻は、どう見ても上手くいかない。先週はオデーサ沖で、恐らく対空警戒にあたっていたフリゲート艦<アドミラル・マカロフ>が、地対艦ミサイルの餌食になったとも伝えられる。旧式艦とは言え旗艦<モスクワ>を失って、対空網に穴が開…