Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

国際情勢

ロシアの仮想敵国

一昨日、昨日に続いて、今日もロシアのお話。別ブログで紹介しているように、このところサイバー諜報の結果得た情報が、立て続けに暴露されている(*1)。ドイツ軍の高官が出席したビデオ会議が盗聴され、その音声がロシア国営TVの編集長によって、SNS上で公…

ロシアの5つの海

昨日フランスのマクロン大統領が「Boots on the Ground」を排除しないと言ったことを紹介したが、その時かれの顔がナポレオン一世とカブって見えた。またNHKBSが放映した「チャーチル~ヒトラーから世界を救った男」を見て、ゲイリー・オールドマン演じるチ…

伝説の外人部隊、ウクライナの地へ?

ウクライナ戦争は、春(泥濘の季節だ)にはロシア軍の攻勢がより強まると危惧されている。あちこちからかき集めた生身の兵隊や兵器を潤沢(!)に使えるロシア軍に対し、兵器も弾薬も兵員も不足しているウクライナ軍がどこまで持ち堪えられるかがカギになる…

今こそRevolution in Military Affairs(後編)

戦力というのは、決して正面装備だけでは測れない。なにより重要なのは兵站、そして兵士の訓練度合いや士気、指揮能力・通信能力も重要だ。そういう意味では軍隊としての経験値と、実戦多岐な兵站能力が高いのは、当然だが「戦っている人たち」。 半世紀以上…

今こそRevolution in Military Affairs(前編)

「もしトラ」という言葉がはやっているが、「すでトラ」なのかもしれない。共和党全国委員長が、トランプ候補の意向により辞任させられ、後任が彼の推薦で決まるという。すでに人事権も持ったようだ。 彼の発言で特に西側社会を揺さぶっているのは「同盟国で…

この人道援助だけはしてはいけない

昨年秋から、北朝鮮との関係で何かが起きるという噂はあった。外交が得意とされる岸田首相は、秋の政局を、 ・内閣改造 ・旧統一教会解散命令 に加え、電撃訪朝や拉致被害者の何人かの帰国というイベントで乗り切ろうとしていたフシ(*1)はある。現実には今…

国会議員と周辺の適格性審査

不思議なことに<週刊新潮>だけが2年ほど前から報じているのが、中国秘密警察の秋葉原拠点のこと。中国が国外に秘密警察拠点を多く持っているのは「公然の秘密」だが、もちろん日本にもある。そのひとつ秋葉原拠点では、ビジネスホテルを隠れ蓑にマッサー…

アフリカ、行ける?行けない?

やがて世界の人口の半分は、この大地が占めると言われるアフリカ大陸。中国がその資源や市場を狙って進出しているというし、ロシアも<ワグネル>など使って各国政権に食い込もうとしている。アフリカ諸国には欧州系の国に対し、植民地化されていた記憶や、…

ウクライナ分割の陰謀?

ウクライナ戦線は膠着状態、ロシア側も必死に集めた武器弾薬・兵員で攻勢をかけているが、さほど大きな前進をしている様子はない。一方のウクライナ軍も、弾薬が枯渇しかかっているし、兵員も十分ではない。電撃戦はもちろん、攻勢に出ることも難しい。西側…

オリガルヒからの資金流入を断て

ガザ紛争の収束(例え一時的な停戦であろうとも)を目指して、米国高官が中東に何度も足を運んでいる。その中に、普通なら表舞台に出てこないCIAバーンズ長官の名前があった。CIAの任務は、スパイ小説/映画にあるように、外国での工作というよりは情報収集…

護衛艦「さざなみ」の無事を祈る

今月、海上自衛隊の汎用護衛艦「さざなみ」が、ソマリア沖アデン湾での海賊対処任務に派遣された。今回が第47次の派遣で「さざなみ」にとっては、2009年の第1次以降5度目の派遣になる。第一次当時は新鋭艦(2005年就役)だったが、今や20年近いベテラン。 …

武器弾薬の供給源たる半島

ポーランドなどNATO諸国で「K兵器」の購入が増えている。特に東欧諸国は、基本的に旧ソ連型の武器をいまでも使っていて、ウクライナ兵が慣れているこれらの兵器をウクライナに供与してしまい、自国の装備を旧西側仕様に改めようとしている。その時コスパが…

「もしトラ」を防ぎたい1%の力

米国最大のイベント「大統領選挙」が幕を開けた。4年に一度のお祭りという人も、4年に一度の革命だという人もいる。どちらも間違ってはいない。今回の「お祭り」は、とにかくユニークなことだらけ。 ・一度ホワイトハウスを去った人が再び挑戦すること ・…

台湾市民は絶妙な選択をした

今年は世界中で、国際社会に大きな影響を与える選挙が目白押しだ。その最初のもの(*1)が台湾の総統選挙と立法院選挙。親米の民進党蔡政権が2期続き、台湾有事がうわさされ、中国習政権の介入も懸念される中での選挙となった。 結論から言うと、台湾市民は…

今度は中国のミサイル問題

僕の子供のころは「東西冷戦期」、相互確実破壊(MAD)と呼ばれる人類絶滅の危機が目前のようにいうメディアもあった。核兵器を積んだミサイルが一発飛べば、それは世界の終わりだと思っていた。ところが、一昨年のロシアのウクライナ侵攻や昨年のガザ紛争も…

台湾総統選挙まであと1週間

もちろん大きなカタストロフが起きるわけではないだろうが、中国経済が変調をきたした、もしくは変調があらわになった2023年後半だった。ムーディーズが格付けを<ネガティブ>にしたのが、最も象徴的だったと思う。 政治の方も、なんとなくおかしい。任命し…

そろそろ日米地位協定の見直しを

昨日、ロシアの兵器・弾薬不足を補う北朝鮮の話をしたのだが、ウクライナ側も武器は渇望している。特に防空システムの強化は、ロシアの無人機・ミサイル攻撃に対抗するため必須である。米国供与のPAC-3は、先週大戦果を挙げている。ロシアの戦闘爆撃機Su-34…

どっちもどっちの互助会

欧米からの支援が枯渇してきて、苦しい立場にウクライナ軍が立たされている。とにかく戦場というのは膨大な資源を食う場所で、食料・燃料・武器・弾薬・医薬品さらには血や命まで吸い込んで消費してしまう底なし沼のようなものだ。 ロシア軍は初期戦力の9割…

紅海というチョークポイント

イスラエルのガザ侵攻は、中東全体を不安定化している。せっかくイスラエルとサウジアラビアの宥和が成ろうとしていたのに、ハマスの奇襲攻撃とネタニヤフ政権の強硬な反撃が、中東宥和をぶち壊した。 北ではレバノンの武装勢力ヒズボラ、南ではイエメンの反…

命の比率、1対3or10

ガザの戦闘は、一時休止(Pause)も7日間で終わってしまった。人道物資の搬入も、十分に行われない中での戦闘再開である。米国さえもイスラエルを止められない中で、パレスチナ人200万人余の命を救うことができるのは、今やエジプトしかない。岸田首相がCOP…

金融引き締め・・・最初の犠牲社

日本では「ゼロ金利」政策が続いているのだが、欧米ではインフレ退治のための金融引き締めが続いている。度重なる利上げで、米国では政策金利が5.25~5.5%、欧州でも4.5~4.75%だ。預金者にとっては有難いように見えるが、物価がそれ以上に高騰している上…

支援のない闘いは果てしなく

軍事行動を続けるイスラエルには、米国が積極的に支援している。ハマスやヒズボラにはイランの支援があると伝えられる。ロシア軍と暗闘を続けるウクライナには欧米(ちょっと米国が心配だが)の支援がある。まだ銃火が交わされていない台湾にも、米国の支援…

もう一人の独裁者がやって来る?

先週の米中首脳会談は、まずは成功だったと言えるだろう。習大人がニコニコしている時は危険だという人もいるが、正直今の国内経済状況で外乱を引き起こすとは思えない。あるとしたらすでにフィリピン軍と物理的衝突をしている南シナ海か、頻繁に偵察機を飛…

苦境のイスラエルに思わぬ援軍

確かに戦端はハマスが開いたのだが、1,400人の犠牲と200人余の人質を獲られたネタニヤフ政権のガザ地区への猛攻は、国際社会の非難を浴びている。昨日紹介した過去のある国ドイツはまだイスラエル支持だが、やはりユダヤ人迫害(*1)をした国フランスのマク…

人権を最重視するドイツの憲法下で

ドイツ国内が揺れている。連立入りしている<緑の党>の極端な環境原理主義的主張もあってエネルギー問題が深刻化し、景気低迷が続いている。その一方、極右政党<AfD(ドイツのための選択肢)>も勢力を伸ばし、急増する移民・難民排斥や、LGBTQ支持者との…

これってまさしく「Pause」

「ガザ紛争」と思っていたのだが、ヨルダン川西岸地区やイスラエル北部でも戦闘が起きていて、これはもう「第5次中東戦争」になり始めている。それでも紛争の中心は、パレスチナの人が220万人暮らしていたガザ地区にあることは間違いがない。1ヵ月の間に、…

3つ目の紛争はこの海から?

台湾有事は、中国の人民解放軍創立100周年にあたる2027年に起きるとの説がある。米国が事実上東欧と中東の二正面作戦を強いられ、議会の混乱もあってどちらへの支援も十分できない現状を見れば、習大人が決起するとしたら今かもしれない。 ただ米国が三正面…

GDPのうち5%を占める産業

国のGDPの中で、5%を占める産業と言えば、ある意味基幹産業。日本のGDPは約550兆円だが、第一次産業全部で1.1%しかない。5%というと、不動産業や建設業があたるという。 最近、北朝鮮が外国の公館を閉めているという。先月はアフリカのアンゴラ、ウガン…

ウラジオストク港の意義

自ら仕掛け、泥沼化したウクライナ戦争で、ロシアは相当苦しい状況に置かれているようだ。極東でも、北朝鮮からの支援を求めるだけでなく、中国にも譲歩して協力を求めているとの記事があった。 メディアが騒ぎ立てる「中国が165年ぶりにウラジオストク奪還…

ユダヤの声、イスラムの声

イスラエル支持一辺倒かとも思われた、米国バイデン政権の風向きが少し変わってきた。イスラエルの自衛権(*1)は尊重しながらも、戦争犯罪の愚を犯さないようにネタニヤフ政権をけん制し始めている。つまり、 ・ハマスを徹底的に叩くのはいいとして ・ガザ…