Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

デジタル経済

英国NCSCのセキュリティ実践

英国NCSC(National Cyber Security Center)のDougie Grant氏から話を聞く機会があった。NCSCは英国のサイバーセキュリティの中心的機関(MI6グループ)で、ロンドン市内某所に拠点がある。某所といったのは、実は一度訪問したことがあるのだが大きなビルで…

オープンデータ政策の現状

内閣官房IT総合戦略室から、「日本政府におけるオープンデータ関連の取組」について聞く機会があった。政府や自治体が持っているデータは、デジタルかアナログかを問わず、基本的に公共財である。安全保障に関わるような特殊なものを除いては、あまねく誰で…

海運業界のデジタル活用

もう10年ほど前の話だが、総務省主催で各業界の「データ活用」を紹介するシンポジウムがあった。そのしばらく前に「ビッグデータ」というバズワードが世界を流れたが、この会に出ていた人たちは「データは多ければいいというものではない。どう使って価値を…

個人情報保護委員会、見参!

現代経済社会では、デジタルトランスフォーメーション(略称DX)の成否が企業の寿命を決めると考えられている。DXとはICT機器を導入することでも社員にプログラム教育をすることでもない。新しいデータの利活用の仕方を見つけて、それを経営に活かしてい…

「インターネットの祖父」ファーバー教授

各国に「インターネットの父」と呼ばれる人は何人かいる。日本で言えば、慶應義塾大学の村井純教授であろう。しかしその「親」である「祖父」に会ったことは無かった。先日経団連の「サイバーセキュリティ委員会」が開催されて、ゲストがその「インターネッ…

デジタルとアナログの境目

技術革新とそれによるビジネスモデルの変遷が激しいIT業界で40年近く生きてきて、いろいろな企業・組織・技術・技術者たちの盛衰を見ることができた。比較的大きな企業の中でのライフサイクルとして、技術・カネ・人脈と時代によって重要なものが変わって…

サイバーセキュリティ産業の活性化(後編)

そこで経産省は以前から、「日本のサイバーセキュリティ産業育成」を掲げて、研究会などを開いていた。3〜4年ほど前だったろう、古参のセキュリティソリューション企業の社長を座長に据えて、「日本発のサイバーセキュリティソリューション」を議論し始め…

サイバーセキュリティ産業の活性化(前編)

比較的大きな企業の中でも、サイバーセキュリティビジネスの担当部署はなかなか陽の目を見ない部署だ。30年以上前から、コンピュータ導入で合理化できるけれど新しいリスクも増えるはず、だからセキュリティ対策はビジネスになるという意見はある。もはや石…

IoTビジネスの悩み

米国製造業の老舗、General Electronics(GE)の経営が揺らいでいる。設立が1892年というから、125年を超える歴史を持っている。多国籍企業でもあり業容も幅広く、いろろなM&Aを経て部門売却も相当やったのだが、それでも現在30万人を雇用し1,500億ドル近い…

サイバーセキュリティ国際シンポジウム

今月の11〜12日、慶應義塾大学と笹川USAの主催になる「第八回サイバーセキュリティ国際シンポジウム」が、三田のキャンパスで開催された。毎年2回のペースで開催されるこのイベント、米国の大物スピーカーもやってくるので専門家の中では評価が高い。以前は…

フランスの「デジタル課税」

今年のG7議長国フランスが、以前から検討されてきた「デジタル課税法案」を上院でも承認した。すでに下院は通過していて、いよいよ大手ITプラットフォーマーに対する課税が実現する。その内容は「世界での売上高が7億5000万ユーロ(約914億円)以上、フラン…

プライバシーとセキュリティ

「7Pay」事件の様相が少しづつ明らかになってきて、7&iホールディングスのスタンスに批判が集まるとともに、社会全体が対応を注視している。本人認証のハードルを上げること、1日あたりのチャージ上限を下げることは以前推測した通りの対策だが、セキュ…

利便性と安全性の相反関係

キャッシュレス社会推進、ということで多くの電子決済サービスが誕生した。7月からは大手コンビニチェーン中心に「xxPay」なるサービスが使えるようになった。・・・となった早々だが、「7Pay」では不正チャージが発生し、5,500万円程度の被害が出たという…

箱崎日本IBM本社

先週、10年ぶりくらいに日本IBMの本社を訪れることになった。言うまでもなく、世界のコンピュータの歴史を担った企業である。僕が学生だった頃、この会社は世界一のコンピュータメーカーだった。ミニコンの雄DECとか、バローズ・ユニバックなどの競合企業は…

ソーシャルメディアの根本問題

犯罪集団というのは、時々刻々姿を変える。いくつものダミー会社をつくり、隠れ蓑を変えながら悪事を続ける。まあ、ひとつの「事業継続計画」である。例えばさきごろ経団連をサイバー攻撃したと指摘されたAPT10については、以前APT1と名付けられたチームが英…

ハムラビ法典:ネットにはネットを

外食チェーンのバックヤードなどで不衛生だったり不適切な動画を撮ってネットに流す、いわゆる「バイトテロ」はあとを絶たない。人件費をぎりぎりまで削減するために、現場はアルバイト任せになりブラック化するところも少なくないと見られる。以前「なか卯…

データ標準化で進化する「バスロケ」

僕自身、国内ではバスを利用する機会はほとんどないから感じていないのだが、「バスロケーション表示」も相当進んできていると思う。パリのリヨン駅前とド=ゴール空港を結ぶシャトルバスでは、後何分で来ますよという表示が液晶ディスプレィに出る。もうち…

個人情報のお値段

3年ほど前に個人情報保護法の改正をした日本では、個人情報の利用と保護のバランスを社会全体で考えていくために「第三者委員会」として個人情報保護委員会が発足、活動を活発化している。そういうこともあって、個人情報保護に大変意識の高い欧州委員会と…

プラットフォマー規制論

昨年あたりから日本で「プラットフォーマーによる不公正取引」をとりあげて、これを規制する新法や独占禁止法の改正をすべきだとの議論がでている。ここで言うプラットフォーマーとは、GAFA(Google, Amazon, Face-book, Apple)に代表される国際的なインタ…

個人情報保護と国際データ流通(後編)

都営三田線白金台駅がもよりだと聞いて、その駅の東側の出口を出た。目の前に「八芳園」と書いた大きなタワーがあって、これが立体駐車場らしい。この施設、HPによると結婚式場らしい。オツなところでやるものだが、主催は在日米国商工会、後援が経団連だっ…

個人情報保護と国際データ流通(前編)

港区白金台にある「八芳園」という施設で、データ流通に関するシンポジウムが開催された。「Creating Future Frameworks for Privacy and Cross Border Data Flows in APAC」というのが長い題名。日米主導でAPEC領域でのデータ流通とプライバシー保護の諸課…

サイバー・デューデリジェンス

昨今のベンチャーキャピタルは、出資したベンチャー企業の出口を大手に売りつけるのと思っているようだ。確かにGAFAに代表されるネット企業が大きくなるのは、将来に希望のあるベンチャーを買い漁っているせいもある。1990年代から米国のM&Aは日本からはすさ…

スマートメーターのデータ活用

各戸の電力メーターはその家に取り付けられていて、毎月の使用量は検針員と呼ばれる人たちが巡回して記録していた。僕の両親、伯父、いとこたちの何人かは電力会社勤務だったから、第二次世界大戦後の電力会社のことは他の人より多少は詳しい。 検針員が集め…

5Gの普及と都市計画(後編)

明治維新以後社会インフラはユニバーサルサービスだったのだが、今回これが外れるとすれば(ある意味)大きな発想の転換である。だからといって、僕は「水道法改悪で民間参入、市民の水が危ない」などと叫ぶ人たちに同調するわけではない。少なくとも4Gはユ…

経営課題としてのサイバーセキュリティ

経団連はサイバーセキュリティ対策/政策の推進に熱心で、昨年度4回にわたって「サイバーセキュリティ経営TOPセミナー」を開催している。なぜ「経営TOP」の名前を掲げているかというと、企業のサイバーセキュリティは技術課題というよりは、経営課題だと主…

5Gの普及と都市計画(前編)

総務省から、日本における5G(第五世代通信システム)の展開計画を聞く機会があった。昨年一杯が研究開発フェーズで、すでにフィールド実証は行われている。今年のラグビーワールドカップでデモンストレーション(ほぼ実用)ができて、2020年のオリンピック…

ホワイトハッカー

ハッカーという言葉は、かつては「優れたプログラマー」への尊称だった。人にまねの出来ないようなコーディングをするというのは、あこがれの対象となる特殊技能だった。学生時代、隣の研究室の教授が某大手ITベンダー(当時僕の大学の計算機センターはこ…

G20デジタル大臣会合のプレイベント

今年のG20の議長国は日本、6月末の大阪サミット前に(モノによっては後に)いくつかの大臣会合が予定されている。僕の専門領域であるデジタル分野では、6月前半に貿易デジタル大臣会合という形でつくば市で開催される。何年か前のG7で、デジタル大臣会合の…

Yahoo!本社ビルの「Lodge」

先週の政策勉強会もそうだったのだが、紀尾井町にあるヤフー本社ビルの17階には社外の人も使えるスペースがある。200人は入れる会場もあったが、さまざまなイス・机・コーナーが設置されているフロアは登録すればだれもが使える打ち合わせ・待ち合わせ・モバ…

日米欧データ流通圏

来月には、G20の大阪サミットがやってくる。ここで日本政府は、「大阪トラック」というデータ流通管理の枠組みについての議論を始めたいとしている。この記事によると欧州サイドは前向きなようだ。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44229600W9A420C100…