Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

合い盛り定食がブームらしい

 4月とは思えぬ暑さが続いていてこれからさらに暑くなるようなら、まだ暑さに慣れていないのでどうなるのだろうと不安である。若い人たちには、暑さを乗り切るエネルギーが必要だと思う。それを見越してだろうが、外食チェーンが種々の新メニューを出し始めた。主として、おかずを倍増するように「W盛り」や、2種類のおかずを合わせる「合い盛り」である。

 

 以前から「松のや」では、ロースカツとエビフライの合い盛り定食を出していた。新商品として、タルタルソースが自慢のチキン南蛮&とんかつ定食が登場している。「かつや」にも、ニンニク醤油ベースのトンテキ&チキンカツ定食が現れた。

 

 若いっていいな~と思っていたのは、フライ2種とかテキ&カツのようなものを食べたら、初老の僕らは動けなくなてしまうから。でも2種類以上のおかずというのは魅力的だと思う。そこで、お肉とお魚のフライものではない合い盛りはないかと探してみた。

 

    

 

 最初に食べたのは「吉野家」の新メニュー牛サバ定食。ごはんを増量出来て688円なり。特に愛想はないが、肉厚のサバと牛皿が付いている。牛皿はいつもの味、サバは焼き目が付く程度の焼き方で、結構ジューシーだった。午前の会議を終え、午後の会議場に向かう途中の有楽町駅前で食べた。忙しいランチタイムには好適なメニューで、満足感とヘルシーさが共存できる。

 

    

 

 もう少し本格的なものをと、別の日には秋葉原駅前の「大戸屋」に入った。焼きサバと唐揚げの合い盛り定食、五穀米を大盛りにして1,020円なり。レモンを唐揚げに絞り、千切りキャベツには醬油ドレッシング、大根おろしも漬物も付いて、バランスのいいランチである。

 

 鶏唐揚げは皮の部分が多く、エネルギーは十分。サバの脂の乗りもよく、骨をとっていないので手間はかかるが、旨味は残っている。時間がそれなりにとれるのなら、こちらを選びたい。

 

 いずれにせよ、合い盛りはうれしいですね。エネルギーだけでなく、ビタミンやミネラルも含めたバランスランチを考えるなら、特に「大戸屋」の定食はおすすめですよ。

 

いつまで「学歴詐称」を言い立てる?

 米国から意気揚々帰国した岸田総理だが、最初の関門である衆議院補選が今週末に迫っている。自民党は、東京15区と長崎3区には公認候補を立てず、保守王国島根1区の防衛に全力を尽くす構えだ。島根1区で敗れれば「岸田おろし」の風が吹く可能性が高い。

 

 とはいえ、今衆議院を解散したとしても、東京15区に見られるように野党分裂選挙になって、自民党は(公明党の支援があればだが)議席を減らしながらも、なんとか与党に留まることができそうだ。そんな自民党の岸田総裁が、唯一怖れるのが小池東京都知事

 

「女性初」を追求したジャンヌダルク - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

 

 今でも「女性初の総理」を狙って虎視眈々、今年は3期目がかかる都知事選を控えているが「政局の女王」の異名は伊達ではない。一時期、東京15区補選に出馬するとの噂もあったが、一旦は<都民ファ>として無所属候補の乙武氏を支援することで収めた。

 

        

 

 それでも、衆議院解散を期に中央政界に復帰する野望を捨てたとは思えない。<希望の党事件>では一敗地にまみれた彼女だが、保守2大政党制(*1)を目標に賭けに出てくる可能性は常にある。

 

 それをけん制したいのだろう、またぞろ「カイロ大学歴詐称疑惑」をメディアが報じ始めた。盛んに小池都知事を追い詰めている印象もあるが、立ち止まって考えると政界に20年以上いて、都知事も8年近くやっているのに「追い詰めるネタ」がこの古ネタだけというのがおかしい。他の問題を扱っている記事を探したところ、

 

単なる学歴詐称ではない。小池都知事と樋口千代田区長の“共犯関係”は一大疑獄事件に発展も。自殺隠蔽、イチョウ伐採、疑惑火消しの見返り… - まぐまぐニュース! (mag2.com)

 

 しか見つからなかった。自殺隠ぺい?イチョウ伐採?

 

豊洲移転問題

・「COVID-19」対応

・オリンピック疑惑

 

 などメディアの突っ込みどころはもっとあったはず。50余年前の学歴云々より、今の行政手腕の方を都民~国民は求めているはずです。「詐称」のことばかり追わず、ちゃんと都知事としての彼女を評価して欲しいと思いますよ。

 

*1:面子はともかく、外交・安全保障で共通感覚を持つ、2大政党制はあるべき姿と考える

指揮幕僚車<ラドガ>の意味

 十分な支援を受けられていないウクライナ軍に対し、イランや北朝鮮からの輸入と国内での兵器増産体制を整備したロシア軍は、優位に戦いを進めていると言われる。ただその内実は結構お寒いもので、十分な訓練や準備期間を経ずに実戦投入される兵士や、士気だけは高いが無能な士官、博物館から引っ張り出された旧式兵器などが投入されている。

 

 先月も、中国製のゴルフカート様の車両で突撃してきた部隊がいて、たちどころに殲滅(*1)されられている。今回、そのレポートをした記者が、また新しい「戦力」がウクライナ戦線に現れ、撃破されたと伝えている。

 

旧ソ連の核戦争用指揮車、ウクライナの前線に現る 生産数わずか数両 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 

        

 

 それは、核戦争用の特別な指揮幕僚車<ラドガ>。完全にシールドされている現代の戦車は、放射能が危険なレベルに達した戦場でも、比較的安全に行動できる。確か、福島第一原発事故の折り、自衛隊は今回引退することになる74式戦車を出動させていた。戦車から武装を外し、酸素補給装置などを備え、居住性も増したのが<ラドガ>。

 

 核戦争を想定して、高級幕僚が偵察や指揮をするために開発されたものだ。この希少な車両が、ウクライナ戦線にやってきたのは驚きである。記者は、

 

「なんでも前線に出せとのことで、こんなものまで出してきた」

 

 と主張している。ただ、ひとつだけいやな仮説があって、

 

ウクライナ戦線で非常事態(*2)が起きたら、戦術核くらいは本気で使うつもり

・その時に備えて<ラドガ>を前線近くまで移動させておいた

・しかし、前線指揮官が車両の意味も分からず実戦投入してしまった

 

 というもの。プーチンやメドベージェフの発言は「核の脅しではなく本気」なのかもしれないと思わせる兆候ではないか・・・。ついに核戦争からWWⅢへ、とならないように各国の自制を求めたいです。

 

*1:ロシア軍の無謀極まる「ゴルフカート」攻撃、案の定悲惨な結果に | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

*2:例えば、NATO軍との衝突

14億人の民主主義

 先週から14億人の人口を抱えるインドで、総選挙が始まった。同じく14億人の中国では選挙らしきものは共産党内でしか行われないので、世界最大の選挙といえる。何しろ大規模なので、7月までかかるという。モディ首相の政治力や統率力、国民の人気などは大したものだが、それでも選挙前に最大野党の党首を汚職容疑で逮捕するなど、強権的な手法が垣間見える。

 

インド 野党“選挙前に締めつけ” 指導者逮捕で大規模抗議集会 | NHK | インド

 

 抗議集会に対して、弾圧などは行われなかった。その点、インドは強権国家ではなく民主主義国家なのだと言えなくもないが、ヒンドゥー第一主義に違いはない。昨年は異教徒であるシーク教徒の指導者を、カナダで暗殺した嫌疑もある。加えて米国でも暗殺計画があって、阻止された(*1)と伝えられる。

 

    

 

 巨大な国では、大きな何かに拠らないとガバナンスできない。習政権の場合は共産党漢民族で、チベットや新疆ウィグル等の異民族は迫害されるが、インドの場合はそれがヒンドゥー教ということだ。独立時に、

 

イスラム教徒 ⇒ パキスタンバングラディッシュ

仏教徒 ⇒ スリランカ

ヒンドゥー教徒 ⇒ インド

 

 とおおむね分かれた(*2)のだが、広いインド国内には、イスラム教徒も仏教徒も、その他の宗教も残っている。民主主義は最大多数の最大幸福が目標だから、ヒンドゥー第一主義も一理あるのだが、他の宗教を弾圧していいということにはならない。

 

 旧ソ連を倒すのに、米国は中国を使った。キッシンジャーの隠密外交、ニクソン訪中、台湾断交から始まったその流れは、間接的に冷戦を終了させた。しかし、その後中国の台頭を抑えきれなくなり、今米中対立が深刻化している。これを打破するためにインドの力を頼めば、次はインドが挑戦者になるだろう。

 

 西側社会のインドとの付き合い方、慎重に見ておく必要があるでしょうね。

 

*1:インド、米でも暗殺計画 シーク教徒、当局が阻止:時事ドットコム (jiji.com)

*2:ミャンマーの西側にあたる、バングラディッシュ、インドの複雑な地形がそれを象徴している

なぜユダヤ人とペルシア人が闘うの?

 イスラエルがシリアのイラン領事館を攻撃し、イラン革命防衛隊の司令官らを殺害したことに端を発し、イランのイスラエル本土攻撃、イスラエルの反撃・・・と中東の緊張が極限に近く高まっている。ご存じのようにイスラエルユダヤ人国家、パレスチナをはじめアラブ民族との対立は根深いのだが、イランはイスラム教国ではあるがペルシア人。なぜユダヤ人とペルシア人が闘うのだろうか?きっかけは、1979年イランでイスラム革命が起き、パーレビ王朝が倒れた時にさかのぼる。

 

イスラエルとイラン、なぜ45年にわたり対立?1979年のイスラム革命が起源:写真 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)

 

 パーレビ王朝は米国をバックに、圧政を敷いてきた。これをホメイニ師らをかついだイスラム勢力が倒すのだが、パーレビがイスラエルとも良好な関係を持っていたことで対立が始まる。

 

    

 

 イスラム教徒の聖地エルサレムを占拠しているイスラエルに対し、ペルシア人ではあるが新生イランは敵対し始める。ハマスやフーシ派、ヒズボラらを支援して現在に至るのは、上記の記事が整理してくれている。

 

 聖地奪回やパレスチナ解放を掲げているが、イランの本音はイスラエルではなく米国への復讐だ。パーレビは米国に逃れて死んだが、イランには恨みが残り1979年11月には「米国大使館占拠事件」まで起こしている。この事件では、米国カーター政権の救出作戦も失敗し、米国側にも大きな傷を残した。

 

 そこから米国対イランの対立が深まり、かといって直接戦火を交えられないので、イスラエルとイランが支援するヒズボラらとの代理戦争が続いてきたわけだ。したがって、まだ米国こそ参戦していないが、イスラエルとイランが攻撃し合う事態は、1段階上のステージである。だからこそだが、両国は抑制的な攻撃にとどめている。

 

 そもそも、パレスチナの地にイスラエルを建国したことも大きな火種。この背景については、元モサドの作家マイケル・バー=ゾウハーが、この歴史小説で描いてくれていますよ。

 

イスラエル建国前史、WWⅠ - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)