Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

出島メッセでのシンポジウム(3/終)

 自衛隊OBの人達からは「台湾有事は2027年頃が危ない。それまでに防衛3文書改訂やNISC改組などの取組が成果を上げるかどうかがカギ」との意見も出た。今の「経済安全保障推進法」をどう評価するかと聞かれたので、

 

・本来は経済力をもって国家の安全保障を担保する"Economic Statecraft"であるべき

・現在の法律文言は、産業振興政策の範疇から大きく踏み出していない

 

    

 

 と答えた。理想とする防衛国家のイメージを問われたので「あくまで経済力で安全保障、想起するのは古代アテネ」と回答した。学界の人から「研究の提携先や研究室の外国人学生のことなど、いちいち詮索されるのは面倒」との意見もあった。その後、"Resilience"の議論になったが、その定義が判然としていないのでみんな勝手なことを言い、議論にならないとのご批判も出た。

 

 面白かったのは、昨今頻発する電子カルテを人質にとる件について医療関係者から「被害事例で"Resilience"は発揮できている例が多い。電子カルテはなくても医療が止まらない工夫をしたのに、メディアは医療崩壊と書く」との意見が出たこと。

 

 以降議論百出したが、なかなか「地域のSecurity Community」の話に届かない。どうしても技術寄りの人、軍事寄りの人の声が大きい。中には酔っぱらって退室してしまう人もいた。10分ほどオーバーして終了。最後に地元の行政官が「ここ長崎で、このような(時事の最先端の)話が出来たことに感謝する」と締めてくれたので、少しほっとした。

 

    

 

 宴会芸としての僕の司会も終わり、夜も更けてから関係者だけで二次会に繰り出した。大勢のことだから、僕の好きなものだけを頼むわけにはいかない。いろいろ出てきたが、印象に残ったのは生のカラスミ。とても塩辛いので、大根のスライスに乗っけて食べるといいらしい。確かに日本酒には合う。

 

 23時近くになって、ホテルに戻りました。明日朝の講演だけ聞いたら、帰ろうと思います。