Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

最初はOpenを目指しながら

 先週、話題の「ChatGPT」開発企業<OpenAI>のサム・アルトマンCEOが来日、岸田首相にも会ったと伝えられる。この企業についてよく知らなかったのだが、この記事がコンパクトにまとめてくれていて、参考になった。

 

「ChatGPTの生みの親」爆発的人気に透ける葛藤 | 最新の週刊東洋経済 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース (toyokeizai.net)

 

 なるほど、最初は非営利企業だったのか。イーロン・マスク氏が共同経営者!だから急に「GPT4以上の開発を6ヵ月凍結!」と叫び、陰で処理装置GPUを大量買い付けし<TruthAI>なる新会社を設立したわけだ。彼のやり口はともかく、根底を流れる思想は理解できなくもない。

 

        

 

 非営利企業である<OpenAI>は、成果を公開するのが社名の由来。すべてOpenになっていれば、みんなが知っていれば、悪い奴が出て来てもみんなで糾弾し排除できるという思いだったのだろう。

 

 少し例は違うが「僕が1億円持っていることは、皆が知っている。そのデータは分散されていて、一部が失われてもどこかで残る。だから僕は1億円の仮想通貨を持っていると言える」とすることに似ている。

 

 仮想通貨について「中央銀行が最終保証者になっていない通貨で、本当に大丈夫」との意見もあるように、全てOpenにすれば解決するというのは理想論なのかもしれない。だから<OpenAI>もある時点で「これ以上強力なものはOpenにできない」と社名に反する行為に出た。

 

 AIの強化には膨大なデータとGPU、さらに電力、つまりは資金が必要で、同社も資本主義の中に組み込まれていくことになる。これにマスク氏らが反発したとも伝えられる。

 

 かつてのソフトウェア業界にもOpenソースが流行った時期がありました。デジタル思考の人達はOpen好きなのですが、現実にそれを貫くのは難しそうです。