Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

軍事史への招待

遺跡となった戦闘機の記憶

1990年8月に、イラク軍はクウェートに侵攻した。地図を見るとイラクのアラビア海の出口付近を、クウェートが占めている。ここは原油の埋蔵量も多く、両国が掘っている原油の器は同じである。サダム・フセインは、クウェートがイラクの原油を盗掘している、…

軍事費年間1.5兆ドル・・・の衝撃

新年早々の米軍のベネズエラ攻撃は、ピンポイントに戦力を集中する米軍の能力の高さをまざまざと示した。大統領夫妻を拉致するため、官邸周辺の(主に軍事)施設を攻撃し、キューバの護衛兵を排除した。空爆機はもちろんヘリコプター部隊も1機も落とされて…

プーチンより少しは手際はいいが

昨日「侵略者プーチンのはまる罠」を予言したのだが、次の侵略者が出てきてしまった。習大人の台湾侵攻よりも早く、トランプ「赤ちゃん」がベネズエラに侵攻をしたのだ。すでに昨年9月から、大規模な海軍を派遣して侵攻をチラつかせてはいた(*1)。 ・麻薬…

侵略者の陥る罠は今回も同じ

何度も「もうすぐそこまで来ている」という調停者トランプ「赤ちゃん」のホラ話を、国際社会は聞かされている。そうロシア・ウクライナ戦争停戦のことだ。年末も同じことがあり、ウクライナと米国が合意した20項目の停戦条件を、ロシアのプーチン大統領は「…

故大川周明氏が泣いて喜ぶ「初夢」

米国の新しい国家安全保障戦略(NSS)は、これまでのものに比べページ数が少なく平易な文章で書かれているという。多分そうでなくてはトランプ「赤ちゃん」自身が読めなかったのだろうと思うが、識者の中には「そんなもの読んでないよ。彼が日頃口にしている…

軍事力ランキング2024 ⇒ 2025

<Global Firepower>が今年も世界軍事力ランキング(145ヵ国対象)を発表した。軍事費や正面装備だけでなく、エネルギー埋蔵量など継戦能力も考慮する一方、核戦力については考慮しないなど、実践的ではないとする専門家もいる指標である(*1)。ただ世界の…

第四の同盟国、その今

ロシアの脅威と米国の内向き指向で、欧州各国が軍事費増に踏み切る中、スペインだけは「現行のGDP比2%で十分」と足並みをそろえていない。理由としてはロシアから離れているからだろうが、人口が急増し経済成長が大きいことも挙げられるかもしれない。内政…

函館旅行外伝(駆逐艦「橘」の闘い)

今年6月の函館旅行で、船見坂の上にある称名寺というお寺に、新選組の墓所を探しに行った。参拝を済ませて振り返ると、また別の慰霊碑が立っていた。WWⅡでの函館空襲犠牲者の慰霊碑だとある。そこで初めて、函館に空襲があったことを知った。 称名寺にあるW…

半島国家の無謀な潜水艦構想

先日の米韓首脳会談は、両国とも「上手くいった」と自画自賛している。成果文書にいわく、 ・韓国は軍事費をGDP比3.5%まで増やす ・北朝鮮の非核化を目指し、核抑止に向けた情報共有をする ・米国が課した自動車等の関税を15%まで引き下げ ・韓国は米国に…

「JSF ACT」のススメ(後編)

「NATO ACT」は米国ヴァージニア州ノーフォークの司令部がある組織で、 ・将来の統合作戦の遂行のために概念的な枠組の提供 ・将来に遂行されるであろう、あらゆる作戦と運用上の能力の定義 ・新しい運用上の概念を示し、或いは自然発生し、実行可能性と価値…

「JSF ACT」のススメ(前編)

昨年までの、米中対立・ウクライナに代表されるNATOとロシアの闘い・中東紛争という世界の対立構造は、トランプ2.0政権の登場によって激変した。すでに「西側諸国」と言えるのは、欧州と日本くらいのもの。国際的なG7の地位の凋落に、それが如実に顕れている…

核実験指示してノーベル平和賞?

人の意表を突くことにおいては、トランプ「4歳児」は天才的な能力を持っている。先週は「核実験を再開せよ」と言い始めた。核兵器は使える状態にあるか否かをチェックするため、定期的に爆発実験をしておく必要がある。いざ使おうとしたときに「使えません…

スタンドオフ防衛能力のための予算

各省の来年度に向けた概算要求で、やはり増加が著しいのは防衛省分だろう。総額8.8兆円(600億ドル)に上っている。 来年度防衛予算は過去最大の8.8兆円要求、無人機を大量購入へ - Bloomberg 国際比較すると、 1)米国 8,860億ドル 2)中国 2,930億ドル …

海戦の主役は交代間近!

80年間、海の闘いの頂点にいた兵器体系「大型空母機動艦隊」が、主役の座から降りようとしている。1910年代から30年間主役の座にあった「弩級・超弩級戦艦/巡洋戦艦隊」は、英空母「アークロイヤル」のタラント空襲や、南雲機動部隊の真珠湾攻撃によって主…

返り血を浴びて国家の土台が

ロシア・ウクライナ戦争は、全く収束の気配を見せない。ロシアが大規模なドローンやミサイル攻撃を都市部に行えば、ウクライナは石油精製所や輸送用鉄道、積出港に攻撃をかける。経済社会に打撃を与える、ボディブローの打ち合いのようだ。ロシアはNATO諸国…

米軍特殊部隊、北朝鮮上陸失敗!

今やロシアの極めて重要な軍事同盟国になり、事実上の核・ミサイル保有国でもある北朝鮮。金正恩首席は、今月の北京での軍事パレードでも晴れやかな笑顔を見せている。中国・ロシア・北朝鮮が、反米の強い結束を固めたように見える、パレードの一幕だった。…

ウクライナは長期戦を覚悟した!

ロシア・ウクライナ戦争の行方は、ある意味はっきりしている。どちらも戦場での決め手を欠き、どちらも譲ることができないものを相手が求めているからだ。「トランプ赤ちゃん」の仲介など、むしろ邪魔であって停戦~和平への道を拓けるものではない。だから…

オスプレイの後継機はこんな形?

昨日に引き続き、次世代の軍用機の話題をもう一つ。軍用機の用途は広範にわたるが、大量の弾薬やミサイル、燃料など積んで任務に使う場合、どうしても長い滑走路が必要になる。これは固定翼機の場合で、回転翼機(いわゆるヘリコプター)では垂直離着陸が可…

ステルス空中給油機計画の次は?

先日のインド・パキスタン紛争では、中国製戦闘機がフランス製のラファールを撃墜したとして注目を集めた(*1)。新世代とまでは行かないが、第4~4.5世代戦闘機が相まみえた例は多くなく、各国の軍事関係者は情報収集に必死だろう。黒海上空では、ロシアの…

プロパガンダとしての映画ゆえ

古来映画というメディアは、政治的なプロパガンダと表裏一体の関係にある。専制国家でなくてもある程度政府の意思は伝えられるし、非常に多くの人に影響を与えられるからだ。いくつか例を挙げると、 ■1925年ソ連「戦艦ポチョムキン」 ニコライ王朝での水兵た…

「中島飛行機」80年ぶりの復活

中島飛行機は、中島知久平が1917年に創業した、東洋最大の航空機メーカーだった。三菱の零式艦上戦闘機と並び、中島の一式戦闘機「隼」は、軽快な運動性を持つ軽戦闘機として名を馳せた。火力(12.7mm機銃2門)や航続距離で零戦に劣るものの、操縦士や燃料…

祝、新型FFM共同開発決定!

先週の潜水艦に引き続き、オーストラリア海軍の軍艦に関する話題。2030年代の主力軍艦の選定を行っていたオーストラリアは、ドイツの提案を退け日本との共同開発の道を選んでくれた。 オーストラリア国防相が日本との新型艦共同開発交渉を発表、11隻建造 総…

気になる原潜基地ルィバチーの状況

先週カムチャッカ半島沖で、M8.8という巨大地震が発生した。津波の影響はハワイや日本にも及び、久慈港で1.3mの津波が観測されたという。川を遡上する津波の映像は、東日本大震災以来のものだ。AIを使ったフェィク画像が多く投稿されたと言うが、これに関し…

函館旅行外伝「新選組終焉の地」

子供のころ見たTVドラマ「燃えよ剣」の影響で、僕の中の土方歳三は俳優栗塚旭である。もちろんその原作となった司馬遼太郎の小説(*1)も読んだ。武州日野の郷士だった歳三が、田舎道場から新選組のバックボーンとなり、近藤勇らの死後も官軍に抗って北へと…

これも戦える自衛隊への一歩

NATOが「トランプの王様」にひれ伏して見せ、防衛費のGDP比5%を表面上約束したのは、それなりにインパクトがあった。一番困っているのはスペインやイタリア(いずれも防衛費1%強)ではなく、6.3%から削減を考え始めているロシア(*1)かもしれない。 わ…

「エリートはズルい」という常識

今日は、米国で一番重要な祝日「独立記念日」である。自由・平等・民主主義の理想を掲げて誕生した新大陸国家だったのだが、トランプ2.0政権でその理念が揺らぎ始めた。ただ、トランプ自身やその支持者だけが悪いとも言い切れない。3つの崇高な理念を掲げ、…

2度目になるF-35の実戦投入

イスラエルのイラン攻撃を、国際社会は止められなかった。単なる空襲だけでなく、地上の工作員も使って革命防衛隊の司令官や参謀長まで暗殺したというから、念の入った軍事行動である。ほめるわけではないが「さすがはモサド」との印象だ。 当然イラン側も反…

米国は悪くないとでもいうのか!

先週末、イスラエル軍がイランの核関連施設や軍事施設を攻撃し、司令官を殺害するなどの暴挙に出た。何日か前からトランプ2.0政権はイスラエルの攻撃が迫っているのを知っていて、隣国イラクにいる米国大使館関係者らに退避などを勧めていた。 ネタニヤフ政…

親イスラエルのパレスチナ武装組織

ロシアを上回るほど、世界から憎まれ始めたのがイスラエル(のネタニヤフ政権)。最後までユダヤ民族を擁護してきたドイツの新政権も、あのトランプ先生さえもがイスラエルと対峙し始めている。 確かにやっていることはひどく、国連UNRWAの活動を完全に停止…

やはり空母は攻撃兵器ではない

今月初めのウクライナの<蜘蛛の巣作戦>の詳報が、徐々に入ってきている。コンテナに建築資材などと称して詰め込んだ自爆ドローンを、輸送車両に乗せて目標近くまで運び、遠隔操作により上面を開け飛び立たせたというもの。 総数150機ほどのドローンが、ロ…