Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

軍事史への招待

2度目になるF-35の実戦投入

イスラエルのイラン攻撃を、国際社会は止められなかった。単なる空襲だけでなく、地上の工作員も使って革命防衛隊の司令官や参謀長まで暗殺したというから、念の入った軍事行動である。ほめるわけではないが「さすがはモサド」との印象だ。 当然イラン側も反…

米国は悪くないとでもいうのか!

先週末、イスラエル軍がイランの核関連施設や軍事施設を攻撃し、司令官を殺害するなどの暴挙に出た。何日か前からトランプ2.0政権はイスラエルの攻撃が迫っているのを知っていて、隣国イラクにいる米国大使館関係者らに退避などを勧めていた。 ネタニヤフ政…

親イスラエルのパレスチナ武装組織

ロシアを上回るほど、世界から憎まれ始めたのがイスラエル(のネタニヤフ政権)。最後までユダヤ民族を擁護してきたドイツの新政権も、あのトランプ先生さえもがイスラエルと対峙し始めている。 確かにやっていることはひどく、国連UNRWAの活動を完全に停止…

やはり空母は攻撃兵器ではない

今月初めのウクライナの<蜘蛛の巣作戦>の詳報が、徐々に入ってきている。コンテナに建築資材などと称して詰め込んだ自爆ドローンを、輸送車両に乗せて目標近くまで運び、遠隔操作により上面を開け飛び立たせたというもの。 総数150機ほどのドローンが、ロ…

使える核兵器が必要な事情

ウクライナにロシアを引き付けておけるうちはいいが、何らかの停戦が成されるとロシア軍は戦力を立て直す機会が得られる。次の狙いはバルト三国?フィンランド?それともポーランドか。加えてNATOの中核たる米国が、信用できなくなっている。欧州各国は、真…

耐高周波能力を持つ半導体を求む

ウクライナ側の発表では、前線での兵士の死傷の7割はドローン兵器によるものだという。塹壕の直上まで飛んできて兵士を顔認証(!)し、爆弾を落としたり溶融金属を吹きかけたりするドローンは、本当に厄介な相手だ。 例えば飛行型のドローンに対しては、 …

対戦車自走砲の今後の意味

3年にわたるウクライナ戦争は、すでに過去のものなったと思わせる戦い方(塹壕戦・戦車と戦車の戦い等)を再現してくれたと同時に、新しい戦い方(主としてドローン)も見せてくれた。陸戦の王だった戦車の価値は「やっぱり鉄の塊は必要」と上がる反面、「…

会津の戦史のリアル講義

会津盆地は東北地方でも最大の盆地で、阿賀川(新潟に入ると阿賀野川)を中心に肥沃で平坦な土地が広がっている。古代から東北で最も栄えたところらしい。奈良盆地には半島経由で仏教が伝わるが、会津には中国本土(遼)から直接仏教が伝わったとも言われる…

インド・パキスタン紛争の教訓

すわ「中央ユーラシアの火薬庫」で事変かと思われた、カシミール地方で起きたテロに起因する紛争は、どうやら収束を向かいそうだ。核兵器を持っている両国の紛争ということで緊張が高まった(*1)し、実際にパキスタン側は核兵器使用プロトコルの入り口まで…

無敵陸上艦隊への道

「陸戦の王」戦車が登場して1世紀余り、塹壕を乗り越え敵のトーチカを潰す用途から、装甲や機動力を生かした歩兵の友、戦車同士の闘い、空の脅威への対応とその役割は変化してきた。その過程において、いろいろな種類の戦車(厳密にいうとAFV*1)を組み合わ…

極めて重いドイツ大統領の言葉

毎日いうことが変わるトランプ大統領、自論に固執し強硬姿勢を崩さないプーチン大統領。大統領の言葉がかくも軽く、また信じられないものになったのが近年である。しかしこの大統領の言葉は、とても重く感じられた。 ドイツ「欧州防衛の柱に」|埼玉新聞|埼…

プーチンのチキンレース

ロシアのプーチン先生は、昨日から3日間ウクライナ戦線で一方的に停戦すると宣言している。一時期米国トランプ先生とウクライナのゼレンスキー大統領が不仲となり、ロシアに光がさしたと見えていたのだが、その関係も修復され「悪者」はロシアだと(気まぐ…

F-35に向けられる疑惑の目

先月末の米軍によるフーシ派攻撃のドタバタ騒ぎで、軍事機密を護れないし護る意識もないことがバレてしまった(*1)トランプ2.0政権の閣僚たちである。同盟国も仮想敵国も含めて、インテリジェンス機関は米国を危険な相手とみるようになったろう。これは「同…

よい斥候とは死ぬ斥候

今日がトランプ先生が、ロシア・ウクライナ両国に突き付けた停戦期限である。正直停戦が成るとは思えないが「成らないならオレ様は手を引く」とのことだ。どちらも安易な停戦はできないが、トランプ先生の仲介に一縷の期待を持っていることも確かだ。それは…

これが噂の「遊就館」

靖国神社にやってきたのは、花見や礼拝だけが目的ではない。メディアが靖国神社の問題点を挙げるとき、 ・一般の戦没者を慰霊するのはいいとして、A級戦犯が合祀されていること ・「遊就館」の展示が、いかにも戦前日本を美化しすぎていること の2点を言う…

中国の次世代戦闘機は無尾翼機

国際情勢が緊迫していて、正直いつWWⅢになってもおかしくない風情である。別にトランプ先生に言われなくても、欧州各国は軍事費のGDP比を2~3%に引き上げることになりそうだ。極東で「アジア版NATO」を標榜している元首のいる国でも、置かれた状況に大差…

ユーラシア最強の敵が目を覚ます

トランプ2.0政権が、世界秩序を大きく変えた。一番やりたいことは国内の減税で、そのためには政府支出を削減しないといけない。DOGE省は頑張っているが、やはり最大の支出削減項目は軍縮。東アジアの戦力強化も中止するし、場合によっては在韓米軍の撤退もあ…

むしろ安全保障そのものの対策

難航が予想されるウクライナ・ロシアの停戦交渉だが、まずは両者が合意できることから一歩一歩進み始めた。もちろんウクライナは侵略者プーチンを信用していないし、ロシアも「ネオナチ」であるゼレンスキーに対し同様の考えを持っている。両者の折り合える…

欧州新秩序、主導権は誰が?

先週、ポーランドの防衛力強化の動きを歴史を絡めてご紹介したが、欧州の全ての国が「米国に頼れなくなった安全保障」を真剣に考え始めている。40kmほどとはいえ海峡で大陸と隔てられている英国はさておき、大陸軍国ロシアの侵攻が近い将来予測されていて「…

かつての大国ポーランドの覚悟

米国トランプ政権のロシア寄りとも取れる姿勢は、全欧州に少なくとも政治的には「臨戦態勢」を敷かせることになった。ウクライナ紛争があいまいな決着で終わり、米国が「欧州を護らない」事態になれば、数年後にはロシアの侵略がやってくると考えるのが当然…

トランプ2.0政権の「人質作戦」

先月末、東南アジアを巡っていて、ニュースに触れる機会が少なかった。トランプ・ヴァンス・ゼレンスキーのTV生中継口論は、帰国してから見た。後知恵だが、通訳を付けなかったのが良くなかった。日本の政治家で英語に堪能な人も、公式の場では通訳を使う。…

全面核戦争への道は狭いのに

国際的な緊張が高まり、各地の紛争が収まらず、米国に予測不能の政権ができてしまい、今年は冷戦終了後最悪の年になりそうだ。「終末時計」が1秒進んで、人類滅亡まであと89秒となってしまった(*1)。そんな中、こんな記事が目に留まった。 北朝鮮が米国に…

今こそこの企業を買いましょう

日本の予算審議では、高額療養費問題が(103万円の壁より)大きく報道されたような気がする。「死ねと言われている気分」と癌などを治療している人たちの悲鳴が聞こえてきて、確かに大きな問題だが、予算金額にすると2,000億円程度の話。米国ではまさにケタ…

今様「Diplomacy」ならあり得る話

トランプ大統領は、選挙期間中からロシア・ウクライナ紛争を終わらせると言い続けてきた。すでに開戦から丸3年が経ち、両国とも疲労の色が濃い。ロシアは1,400両の戦車を失い前線で馬を使っているそうだし、ウクライナも兵士不足が深刻だ。 そこでトランプ…

何を護るの?誰から護るの?

イスラエルの防空システム「アイアンドーム」は、今回の中東紛争でもよく役目を果たした。ハマスはもちろんヒズボラやイエメンのフーシ派からのロケット攻撃が相次いだが、そのほとんどを空中で撃破している。一時期ウクライナのゼレンスキー大統領も配備を…

大刀洗平和記念館で「震電」に逢う

この旅行に来る前に、数本博多紹介のビデオを見た。そのうち2本が甘木鉄道沿線を扱ったもので、甘木鉄道松崎駅や大刀洗駅が紹介されていた。そこでここをハイライトに選んだのだが、もうひとつ筑前町立大刀洗平和記念館には、僕が一番好きな日本軍の戦闘機…

戦車は戦場で鍛えられる

いつ「トランプ停戦」が発動されるかわからないので、ウクライナ・ロシア両軍は攻勢を強めてすこしでも地歩を獲得しようとしている。北朝鮮兵の無謀で悲惨な攻撃はいくつもの記事で読んだが、歩兵だけでなく戦車まで「バンザイ突撃」をしているとの報道もあ…

島嶼をめぐる輸送戦に備えて

自衛隊が本当に戦う日が来るかもしれない。WWⅡ後80年ほどたって、ようやくそんな意識が市民の間にも高まりつつある。戦争を絶対悪と捉える人が比較的多い日本だが、世界中で武力紛争が頻発し、海外ニュースの多くが戦場のものになっている今、ある意味当然の…

米軍の存在と平和の関係性

沖縄に、在日米軍の専用基地のうち3/4ほどが集中している。これについては、返還時の本土並みの約束が守られず、過度な負担が継続しているとの見方がある。日本政府も「旧琉球国に負担を押し付けて、見て見ぬふり」と批判する人もいる。それでも基地返還や兵…

スターリンの末期に近いかも

トランプ大統領の再就任まで、あと12日。すでに有罪判決を受けてたニューヨーク地裁での裁判、量刑の言い渡しは明日である。他の複数の裁判も含めて、もっと早く有罪判決~量刑言い渡しまでにきていたら、ひょっとして再選はなかったかもしれない。選挙結果…