Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

渋谷の巨大IT企業を訪問し

 昨年末、誰もが知っている巨大IT企業の人が来日したランチ会合のことを紹介した。今回は、また別の巨大IT企業からの朝食会合のお誘いである。先方の条件は4名まで、通訳なしというもの。サイバーセキュリティの専門家として、知り合いの某大学教授と人材育成団体の女性経営者に声をかけることにした。

 

 その企業は3年ほど前に渋谷にオフィスを移していた。僕がそこを訪問するのは、全く初めて。渋谷という街の変貌が激しくて、たどり着くのが大変なほどだ。定刻になんとか3人揃って行くと、案内されたのは高層階のその企業の専用レストラン。

 

        

 

 来日した幹部は脅威分析の専門家、割合小柄なオーストラリア人である。日本に着いたばかりだが、時差ボケがないから日本は大好きだと屈託なく笑う。ただ話の内容はかなりシリアスなもの。

 

・多くの攻撃を受ける(宿命の)企業として、セキュリティ対策は欠かせない

・国を背景にした攻撃、ネット上での情報操作、サイバー犯罪の全てに対応要

・高度な攻撃力をもつ国も増加、攻撃手法も洗練されてきている

ウクライナ紛争がいい例だが、サイバー攻撃は近代戦の一部となっている

・2022年には、日本のユーザーに2.5万件以上の警告を出した

・日本向けの高度な攻撃の8割は、中国と北朝鮮からのもの

・主として攻撃されている国は、米国・ミャンマー・フィリピン・韓国・リトアニア

 

 だという。

 

    

 

 大学教授からは、学会として国際的な連携をしている例や、政府の審議会での活動などを、女性経営者からは国際的な人材育成連携やジェンダーGAPを埋める取組を紹介してもらった。僕からは地域の中小企業やサプライチェーンのリスク対策、現状課題や業界団体の取組を説明した。

 

 綺麗にまとめられた和洋折衷の朝食弁当をいただきながら、英語脳を振り絞っての会合となりました。この幹部は今後も日本には足を運びたいと言ってくれました。今度はもっと大勢の人の前でプレゼンをして欲しいですね。ありがとうございました。