軍事史への招待
国際情勢が緊迫していて、正直いつWWⅢになってもおかしくない風情である。別にトランプ先生に言われなくても、欧州各国は軍事費のGDP比を2~3%に引き上げることになりそうだ。極東で「アジア版NATO」を標榜している元首のいる国でも、置かれた状況に大差…
トランプ2.0政権が、世界秩序を大きく変えた。一番やりたいことは国内の減税で、そのためには政府支出を削減しないといけない。DOGE省は頑張っているが、やはり最大の支出削減項目は軍縮。東アジアの戦力強化も中止するし、場合によっては在韓米軍の撤退もあ…
難航が予想されるウクライナ・ロシアの停戦交渉だが、まずは両者が合意できることから一歩一歩進み始めた。もちろんウクライナは侵略者プーチンを信用していないし、ロシアも「ネオナチ」であるゼレンスキーに対し同様の考えを持っている。両者の折り合える…
先週、ポーランドの防衛力強化の動きを歴史を絡めてご紹介したが、欧州の全ての国が「米国に頼れなくなった安全保障」を真剣に考え始めている。40kmほどとはいえ海峡で大陸と隔てられている英国はさておき、大陸軍国ロシアの侵攻が近い将来予測されていて「…
米国トランプ政権のロシア寄りとも取れる姿勢は、全欧州に少なくとも政治的には「臨戦態勢」を敷かせることになった。ウクライナ紛争があいまいな決着で終わり、米国が「欧州を護らない」事態になれば、数年後にはロシアの侵略がやってくると考えるのが当然…
先月末、東南アジアを巡っていて、ニュースに触れる機会が少なかった。トランプ・ヴァンス・ゼレンスキーのTV生中継口論は、帰国してから見た。後知恵だが、通訳を付けなかったのが良くなかった。日本の政治家で英語に堪能な人も、公式の場では通訳を使う。…
国際的な緊張が高まり、各地の紛争が収まらず、米国に予測不能の政権ができてしまい、今年は冷戦終了後最悪の年になりそうだ。「終末時計」が1秒進んで、人類滅亡まであと89秒となってしまった(*1)。そんな中、こんな記事が目に留まった。 北朝鮮が米国に…
日本の予算審議では、高額療養費問題が(103万円の壁より)大きく報道されたような気がする。「死ねと言われている気分」と癌などを治療している人たちの悲鳴が聞こえてきて、確かに大きな問題だが、予算金額にすると2,000億円程度の話。米国ではまさにケタ…
トランプ大統領は、選挙期間中からロシア・ウクライナ紛争を終わらせると言い続けてきた。すでに開戦から丸3年が経ち、両国とも疲労の色が濃い。ロシアは1,400両の戦車を失い前線で馬を使っているそうだし、ウクライナも兵士不足が深刻だ。 そこでトランプ…
イスラエルの防空システム「アイアンドーム」は、今回の中東紛争でもよく役目を果たした。ハマスはもちろんヒズボラやイエメンのフーシ派からのロケット攻撃が相次いだが、そのほとんどを空中で撃破している。一時期ウクライナのゼレンスキー大統領も配備を…
この旅行に来る前に、数本博多紹介のビデオを見た。そのうち2本が甘木鉄道沿線を扱ったもので、甘木鉄道松崎駅や大刀洗駅が紹介されていた。そこでここをハイライトに選んだのだが、もうひとつ筑前町立大刀洗平和記念館には、僕が一番好きな日本軍の戦闘機…
いつ「トランプ停戦」が発動されるかわからないので、ウクライナ・ロシア両軍は攻勢を強めてすこしでも地歩を獲得しようとしている。北朝鮮兵の無謀で悲惨な攻撃はいくつもの記事で読んだが、歩兵だけでなく戦車まで「バンザイ突撃」をしているとの報道もあ…
自衛隊が本当に戦う日が来るかもしれない。WWⅡ後80年ほどたって、ようやくそんな意識が市民の間にも高まりつつある。戦争を絶対悪と捉える人が比較的多い日本だが、世界中で武力紛争が頻発し、海外ニュースの多くが戦場のものになっている今、ある意味当然の…
沖縄に、在日米軍の専用基地のうち3/4ほどが集中している。これについては、返還時の本土並みの約束が守られず、過度な負担が継続しているとの見方がある。日本政府も「旧琉球国に負担を押し付けて、見て見ぬふり」と批判する人もいる。それでも基地返還や兵…
トランプ大統領の再就任まで、あと12日。すでに有罪判決を受けてたニューヨーク地裁での裁判、量刑の言い渡しは明日である。他の複数の裁判も含めて、もっと早く有罪判決~量刑言い渡しまでにきていたら、ひょっとして再選はなかったかもしれない。選挙結果…
不幸なことだが「殺し合いともなれば、人間の発明の能力は無尽蔵」という言葉(*1)が妙に重みをもって伝わってくる時代である。これは、WWⅡの時のUボートエースであるペーター・クレーマーが話した言葉。戦時には、技術の急速な進歩があることを示している…
冬が近くなって、ウクライナ・ロシアの戦場では北朝鮮軍の情報が増えてきた。最初は兵站(弾薬中心)だったが、武器(自走砲・ミサイルなど)が話題となり、年末には実戦投入された兵士の記事が毎日のように伝えられる。 ロシア軍の兵力不足を補う目的なのだ…
ロシアのウクライナ侵攻から、すでに1,000日が過ぎた。ドネツク・ルハンスク州やロシアのクルスク州で激戦が続いている。ウクライナを支援する欧米側は、弾薬・兵器供与やその使用条件を抑制的に行っていたが、ウクライナが敗れてはいけないと支援をエスカレ…
あっという間の崩壊だった。親子2代にわたって、50年間シリアに君臨していたアサド独裁政権が終わりを告げた。北部アレッポの奪回から、2週間足らずでダマスカスに反政府軍が突入している。 報道を見ていると、ロシアやヒズボラの支援を受けていた政府軍は…
20年続いたアフガン紛争では、世界最強米軍は勝利を得ることができなかった。バイデン政権が撤退を決め、子飼いのアフガニスタン政府軍に大量の武器弾薬を供与したものの、米軍撤退完了前に政府軍が崩壊してしまった。米軍は「ビンのフタ」で、フタがなくな…
米国の次期大統領にトランプ前大統領が決まり、これまで息をひそめていたいろいろなものが動き始めた。「すでトラ」の状態であって、独自(勝手ともいう)外交が始まり、さっそくネタニヤフ首相と会談。イスラエル支援を確認するとともに、エスカレートを戒…
日米の選挙にメディアの関心が向いている間に、ユーラシア大陸の両端で不穏な情勢になっている。ウクライナ戦線と38度線、この2つに密接にかかわっている米国が政治的機能不全だからだが、朝露同盟がレッドラインを超えるような動きを見せているのだ。 以前…
数年ぶりに「五稜郭」を見学に来た。これも事前に勉強したNHKBSのお城紹介番組の影響である。僕ももともと城郭好き、生まれた尾張の国には犬山城という国宝天守がある。これはたった3層の小規模な天守だが、子供のころには喜んで登った。 戦国時代の兵器と…
ロシア・ウクライナ戦争の地上戦は、そろそろ泥濘の時期だからか、大きな進展が見られない。兵力に勝るロシア軍が攻勢に出ているが、クルスク州でもドネツク州でも少しずつ進撃しながらも大きな犠牲を出していると伝えられる。 寡兵で高齢の兵士もいながら、…
ロシアのウクライナ侵攻が始まった当初、米国のオースティン国防長官は「ロシアを二度と暴挙ができないように弱らせる」主旨の発言をしていた。核戦力やサイバー戦能力については、容易に弱らせることはできないので、この発言は経済力と通常戦力を削ぐ意味…
とうとうレバノンでも地上戦が始まり、NHKBSの海外ニュースは、戦場の話題が半分を占めるようになっている。ドンバス州で、クルスク州で、ヨルダン川西岸地区で、イエメンで、ガザ地区で・・・暴力の応酬はとどまるところを知らない。しかるに国連安保理は全く…
民主化に向かっていたミャンマーでクーデターが起き、暫定軍事政権が実権を握って4年半になる。一時期僕自身も何度か足を運び、大学教員のリカレントなどで協力した国。今でも多くの日本人が、市民のために働いている。ただ、僕も知らなかったロヒンギャ迫…
潜水艦は隠密性が命。いるかいないか分からないのが相手にとって最大の脅威だが、一旦発見されてしまえば、これほどもろい艦種もない(*1)。隠密(単独)行動が基本なので、その最期は記録にも残らないことが多い。WWⅡで連合国側は60席余りの潜水艦を失った…
とどまるところを知らない、イスラエルの暴挙である。ガザ地区を破壊しつくし、ヨルダン川西岸地区で武力行使をし、ついにレバノンの武装勢力ヒズボラとの全面戦争に突入した。ヒズボラは、単なる武装組織(orテロ組織)ではない。戦闘員は5万人いて、ミサ…
ウクライナ戦争では、ドローンの活躍が著しい。戦場の神(砲兵)、陸戦の王(戦車)、海の支配者(ミサイル駆逐艦)すら、ドローンによって駆逐されている。ついには、溶融金属を振りまく「サラマンダー」のようなものまで実戦投入されている(*1)。 安価で…