Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

指揮幕僚車<ラドガ>の意味

 十分な支援を受けられていないウクライナ軍に対し、イランや北朝鮮からの輸入と国内での兵器増産体制を整備したロシア軍は、優位に戦いを進めていると言われる。ただその内実は結構お寒いもので、十分な訓練や準備期間を経ずに実戦投入される兵士や、士気だけは高いが無能な士官、博物館から引っ張り出された旧式兵器などが投入されている。

 

 先月も、中国製のゴルフカート様の車両で突撃してきた部隊がいて、たちどころに殲滅(*1)されられている。今回、そのレポートをした記者が、また新しい「戦力」がウクライナ戦線に現れ、撃破されたと伝えている。

 

旧ソ連の核戦争用指揮車、ウクライナの前線に現る 生産数わずか数両 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 

        

 

 それは、核戦争用の特別な指揮幕僚車<ラドガ>。完全にシールドされている現代の戦車は、放射能が危険なレベルに達した戦場でも、比較的安全に行動できる。確か、福島第一原発事故の折り、自衛隊は今回引退することになる74式戦車を出動させていた。戦車から武装を外し、酸素補給装置などを備え、居住性も増したのが<ラドガ>。

 

 核戦争を想定して、高級幕僚が偵察や指揮をするために開発されたものだ。この希少な車両が、ウクライナ戦線にやってきたのは驚きである。記者は、

 

「なんでも前線に出せとのことで、こんなものまで出してきた」

 

 と主張している。ただ、ひとつだけいやな仮説があって、

 

ウクライナ戦線で非常事態(*2)が起きたら、戦術核くらいは本気で使うつもり

・その時に備えて<ラドガ>を前線近くまで移動させておいた

・しかし、前線指揮官が車両の意味も分からず実戦投入してしまった

 

 というもの。プーチンやメドベージェフの発言は「核の脅しではなく本気」なのかもしれないと思わせる兆候ではないか・・・。ついに核戦争からWWⅢへ、とならないように各国の自制を求めたいです。

 

*1:ロシア軍の無謀極まる「ゴルフカート」攻撃、案の定悲惨な結果に | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

*2:例えば、NATO軍との衝突