Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ウクライナが求める西側MBT

 「ドイツが<レオパルト2>の供与を決めるかどうか?」国際ニュースは連日この話題を報じている。欧州(西側)諸国の標準的主力戦車MBT)のことなのだが、すでに「戦車の世紀」は終わったと思っていた僕としては、やや意外な状況。軍事の関係者か、はたまた軍事ヲタクくらいしか知らないことが、一般のTVニュースで流れているのは珍しい事態だ。

 

 ウクライナ(のゼレンスキー大統領)は、ロシア軍の侵攻を喰い止め反撃に転じ始めている。反撃から領土の奪還を本格的に目指すには、1m単位で前進するための強力な攻撃兵器が必要・・・だから西側諸国に近代的なMBTの提供を依頼している。しかも、昨年末バイデン大統領が発表した「Patriotを1基」というレベルの支援では十分ではない。300両程度のMBTが欲しいというわけ。

 

    

 

 いちはやく英国がMBTである<チェレンジャー2>の供与を提案しているが、これは十数両ほどらしい。そもそも海洋大国である英国は、戦車を沢山持っているわけではない。一方、ドイツの<レオパルト2>はポーランドが400両近く持っているし、欧州全土に2,000両ほどがある。米国の<エイブラムス>も強力なMBTだが、独自の駆動系で整備が難しいともいう。

 

◇レオパルト2A7

 重量67トン、主砲55口径120mmライフル砲、機銃×2、最高速度68km/h

 

◆チャレンジャー2

 重量63トン、主砲55口径120mmライフル砲、機銃×2、最高速度59km/h

 

■エイブラムスM1A2

 重量63トン、主砲44口径120mm滑腔砲、重機×1、機銃×1、最高速度67km/h

 

 ドイツが供与をためらっているのは、ロシアとの全面戦争を怖れているのと、ショルツ首相の政党が「平和的」だかららしい。ドイツは英米が先にMBT供与を決めたら、三番目なら仕方がないと内外に説明するつもりらしい。しかし本当に西側MBTって、ウクライナの地で役に立つのだろうか?ロシアは伝統的に50トンを超えた戦車は作らない。スターリンが決めたことを今でも守っている。それはかの地の橋や道路が耐えられる重さが50トンだから。ウクライナは、50トン未満のMBTを探すべきではないか?

 

 え、そんなもの無いって?いや、あるのです。ロシアのT-90は45トン程度。日本の10式戦車は40トン、増加装甲を付けても48トンに収まりますよ。