Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

2つの空間でのテクノロジー戦

 ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ紛争は西側から仕掛けられたものだと言い続けている。表立っているのは確かにウクライナ兵(ネオナチ?)だが、実際は西側、特に米国と交戦している祖国防衛戦だとして、市民を鼓舞している。

 

 当然西側各国の主張は違うのだが、テクノロジー戦の見地からするとある程度は正しい。当初、侵攻されたウクライナ側も自国の兵器で応戦していた。戦車も砲兵器も戦闘機も、ロシアと同じロシア製がほとんど。しかし侵攻から半年くらいで、西側の兵器がウクライナに入り始めた。長距離ロケット砲ハイマースは射程を制限しながら戦っているし、米英独の主力戦車が反撃の機会を待っている。そしてロシアの新兵器である極超音速ミサイルを、防空兵器パトリオットが撃墜したとの記事があった。

 

ウクライナが「極超音速ミサイル」撃墜 パトリオットで - 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

    


 本当に極超音速ミサイルだったかは不明だが、1基だけのパトリオットは期待にたがわぬ働きをしているらしい。これはリアル空間での戦闘。

 

 さて、サイバー空間となると明確な交戦規則もないので、米国とロシアが直接闘うこともあり得る。それが、この記事。

 

米FBI、ロシアのハッキングツール無効化 FSBスパイが作成か | Reuters

 

 20年前からロシアのハッカー集団「Turla」が改良しながら使っていたマルウェア「スネーク」を、FBIが無力化することに成功した。この記事だけではわからないが、「スネーク」には遠隔操作機能があり、それを逆用して自爆スイッチを押させたらしい。別の言い方をすれば、FBI側がハッキングをしたわけ。このマルウェアによるスパイ機能は、少なくとも当面は回避できそうだ。

 

 リアル空間とサイバー空間で、米露の兵器が闘っています。戦闘自体は困りものですが、少なくともそれが報道されるようになったのは、悪いことではありませんね。