Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ディエップ上陸作戦

 先週、24日はロシアのウクライナ侵攻からちょうど1年半。また、旧ソ連からウクライナが独立した記念日でもあった。ロシアとウクライナの関係については、何度か紹介してきたように、血みどろの歴史がある。20世紀になってからも、

 

・1932年、スターリンウクライナから穀物を取り上げ、500万人を餓死させた

・1941年、侵攻してきたドイツに呼応し、ウクライナ兵100万人がソ連と闘った

 

 という次第。ソ連崩壊がなければ、ウクライナが軛を解かれることは無かったかもしれない。そんな記念日に、ウクライナ軍は2014年以来占領されているクリミア半島に上陸、一時期だが国旗を掲げたという。

 

ウクライナ“クリミア半島岬に一時上陸”独立記念日に特別作戦 | NHK | ウクライナ情勢

 

 小規模で軽装な特殊部隊の作戦だったようで、直ぐに引き揚げ本格的な戦闘にはならなかった。独立記念日の行動で、市民を鼓舞する狙いと、クリミア奪還まで戦争は終わらないとの意思を内外に示したものである。

 

    

 

 これを聞いて、ある作戦のことを思い出した。1942年8月、カナダ軍中心の6,000名の部隊がドーバー海峡の対岸ディエップに上陸した作戦である。チャーチル第一次世界大戦でも海軍大臣としてトルコのガリポリに上陸を敢行して大失敗しているが、今回も奇襲にならず4,000名ほどを失って敗れた。自らの名を冠したチャーチル戦車30両が投入されたが、次々に行動不能に陥ったとされる。

 

 連合軍の大陸反攻は、2年近く後のノルマンディー上陸作戦までお預けとなった。いかにフランスのドイツ軍が手薄でも、これは無謀な作戦だった。ゼレンスキー政権も、まだクリミア反攻までは時間がかかることを承知で上陸作戦を敢行し、いつかまた来るよとのメッセージを残して去ったのだろう。

 

 故事からすると、反攻は2年後の夏・・・。さて、それまでこの地の戦いは続くということになりますかね。