Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

原子力潜水艦のコスパ

 北朝鮮は今年、建国75周年を迎えている。市民は飢餓状態にあるとも伝えられる中で、軍事パレードや「衛星」打ち上げなど勇ましいことが目立つ。先週は核兵器搭載の攻撃型潜水艦を進水させている。

 

北朝鮮、「戦術核攻撃潜水艦」を進水 式典で正恩氏が演説 - CNN.co.jp

 

 複数の種類の戦術核ミサイルを発射できるほか、核魚雷も搭載していると言われている。ただ、推進力は通常ディーゼルである。本当は原子力推進の核兵器搭載潜水艦が欲しいようで、昨日行われたロ朝首脳会談では原潜技術(もしくは原潜そのもの)を譲ってくれと言ったかもしれない。

 

 最終的には、原子力推進の戦略核ミサイル搭載艦を何隻か配備したいのだろう。金総書記の目標は現体制の維持、一番恐れているのは米軍の「斬首作戦」である。米韓軍事演習などでB-1B爆撃機が飛んできたり、新鋭艦「ズムウォルト」が近海に現れたりすると過剰反応するのはそのためだ。

 

    

 

 自分が殺されないように、抑止力として戦略原潜が欲しいのだ。米軍が北朝鮮を焼け野原にしても、核ミサイルで報復する手段を持っていれば手が出せないだろうというわけ。いわば「保険」だが、その保険料はけっこう高額になると思われる。ミサイル・核爆弾・原子力潜水艦などの開発・運用が出来ている国は多くない。GDPで世界100位にも入れない国で、本当にそんなことができるのだろうか?

 

 もうひとつの問題もある。戦略原潜は本国とも連絡を断って行動しなければ、報復手段としての意味がない。居場所を突き止められれば、本国を焼け野原にすると同時に破壊されてしまうからだ。仮に米軍の先制攻撃を受けたとして、独自に動いている潜水艦長以下の乗組員が、今は亡き総書記の命令通り米国への報復攻撃をするだろうか?僕は事態を把握した時点で、降伏してしまうような気がする。

 

 そこまで考えたら、ほとんど意味なしの金食い虫だとわかるはずです。総書記様、ムダ金使いはおやめになったほうが・・・。