Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ウラジオストク港の意義

 自ら仕掛け、泥沼化したウクライナ戦争で、ロシアは相当苦しい状況に置かれているようだ。極東でも、北朝鮮からの支援を求めるだけでなく、中国にも譲歩して協力を求めているとの記事があった。

 

メディアが騒ぎ立てる「中国が165年ぶりにウラジオストク奪還」の現実度 ウクライナ戦で苦しむプーチン大統領の足元を見る習近平国家主席の「計略」(1/4) | JBpress (ジェイビープレス) (ismedia.jp)

 

 その譲歩とは、ウラジオストク港の自由使用権を中国に与えること。改めて地図を見てみると、北朝鮮とロシアの領土が日本海オホーツク海沿岸を占めていて、中国東北部(旧満州)を内陸国にしていることが分かる。上記の記事にあるように、19世紀に不凍港を求めて南下するロシアが、中国から嚙みとったのがこのエリア。

 

    

 

 ロマノフ朝はこの港を「ウラージ・ボストーク(東方を支配せよ)」と名付けて、太平洋への出入り口とした。その後得た旅順港は日本に奪われるが、ウラジオストクは極東ロシア最大の都市に成長している。

 

ロシアの海への執念 - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

 

 この書(大江志乃夫:バルチック艦隊)にも、大陸国ロシアの海(港)への執念が描かれていた。ウラジオストク周辺の地政学は、黒海・クリミアのそれに似ている。今回のウクライナ戦争は、ウクライナを属国にするか、できなければ内陸国にしようとしたのだと思う。すでに手に入れたクリミア半島に加え、ルハンシク・ドネツクザポリージャ州を抑えればアゾフ海ウクライナから切り離される。ヘルソン州からオデーサまで進撃すれば、ウクライナは完全に内陸国になってしまう。

 

 160年前に内陸国にされてしまった旧満州は、今回の習・プーチン会談で海への出入り口を取り戻すきっかけを得たのかもしれません。大陸国でも海へのアクセスは重要、それを再認識させてくれた記事でした。