Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

最強のインテリジェンスサービス

 昨年末ころ、総理官邸に米国の有力な軍事・インテリジェンス関係者が大勢出入りしているとの噂はあった。ウクライナ紛争や米中対立で、国内にも「戦争が起きるかも」との危惧があり、米国としても日本を経済だけでなく軍事でもパートナー化したい思惑が出てきたからだろう。

 

 ただ具体的に誰が・・・というのは分からなかった。そのうちの一人の名前が報道されて、僕は「あ、これは本当に日本が実戦を考え始めたかも」と思った。その人の名はアレックス・カープ。<戦争データ・オタク>とあだ名される彼が、年末に岸田総理を訪問したという。

 

「戦争データ・オタク」世界有数の米テック会社CEOが、岸田首相と短時間会談、その衝撃のインパクト(歳川 隆雄) | 現代ビジネス | 講談社(1/3) (gendai.media)

 

    

 

 カープ氏がCEOを努める「パランティア」という企業の名前は、別ブログで紹介した<クーリエ・ジャポン誌>の記事で知った。例えば、ゲリラの攻撃パターンを解析して最適な防御法を編み出すビッグデータ活用術を売り物にしている。

 

<クーリエ・ジャポン誌>上の成長産業 - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

 

 日米間の合同軍事演習が今月も南西諸島で行われたが、目に見える空挺降下や着上陸行動以上に、インテリジェンス情報の共有・活用が重要だ。日本には<セキュリティ・クリアランス制度>がなく、民間含めた防御態勢は取りにくいと何度か紹介した。それは、特に戦略級のインテリジェンスでのハードルを高めている。

 

 しかし「パランティア」のインテリ情報のうちでも、戦術級のもの(例えば中国軍砲兵の射撃パターン)くらいなら、日本で活用できるかもしれない。ならば南西諸島での紛争時に、米軍海兵隊だけでなく陸上自衛隊も中国砲兵の攻撃を最小被害で乗り切ることができる・・・のではないか。

 

 とっぴな外見のカープCEO、多分ダニガン先生(*)の信奉者でしょううから、一度お会いしたいですね。シミュレーションゲーム論議ができたら嬉しいです。

 

(*)伝説のシミュレーション・ゲームデザイナー