Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

待ち受けるハマスの地下要塞

 ガザ地区を完全に包囲したネタニヤフ政権、ハマスを壊滅させるまで闘うとして、一昨日挙国一致内閣の初会合を開いた。全国民の名にかけて、ハマスを根絶やしにする覚悟である。主力である地上軍も配置に着き、いつでも侵攻を開始できる。すでに威力偵察目的の地上戦も起きているだろう。

 

 イスラエル陸軍は、最強の戦車とも言われるメルカバを始め、強力な兵器を持っている。軍の士気も高く、訓練も行き届いている。いかに命知らずのハマスと言えど、正面からぶつかったら瞬殺されてしまうだろう。

 

 ただ、ガザ地区の地下にはハマスらが長年かけて構築した地下要塞があると推測される。ただでさえ市街戦となれば、精強な軍隊でも犠牲を出すことになるのに、地下に張り巡らせた要塞相手では、苦戦が予想される。

 

    

 

 近年の例では、アゾフ海沿岸の町マリウポリで、広大な製鉄所の地下要塞に立て籠もったウクライナ軍<アゾフ連隊>に、ロシア軍が手を焼いた。砲撃を加えても、補給路を断っても、AFVを差し向けても抵抗は止まず、1区画1フロアを白兵戦で獲るしかない闘いになった。

 

 古くはスターリングラードの闘いがその典型で、2人に1丁のライフルしか持っていないソ連の農民兵と、精強ドイツ軍の戦闘工兵(*1)が相討ちの形で損耗していった。今回も、イスラエル軍ハマスの地下要塞を力攻めで占領しようとすれば、同じような事態になる。人口(*2)が少ないのが最大の弱点であるイスラエルは、この損耗に耐えられるだろうか?

 

 だからだろうが、まずガザ地区全体のインフラを止めて、水やエネルギー供給を断った。地下要塞を遺棄してくれるのが一番ありがたい。それがだめなら、強力な兵器で地下まるごと殲滅することを考えるだろう。候補としては気化爆弾。国際社会からは非難されるだろうが、やむを得ない。一応一般市民には退避の時間を与えたと言い訳することもできる。国連安保理では、米国が拒否権を使ってくれるでしょうからね。

 

*1:火炎放射器や爆薬、自爆ドローン「ゴリアテ」なども使うスペシャリスト

*2:約930万人、ウクライナの1/5ほどしかない