久しぶりにこの島の名前を聞いた。パラオ諸島の中心地ペリリュー島。第一次世界大戦以前は、ドイツ(第二帝国)の委任統治領。大戦後大日本帝国の領土となり、大規模艦隊根拠地としてのトラック諸島と同様、帝国海軍の太平洋進出の要となった島だ。そこに、80年以上たって米軍が還ってきているとの記事があった。
このところ、米軍のインド太平洋での拠点づくりが活発だ。かつてクラーク空軍基地・スービック海軍基地を放棄(*1)したフィリピンと交流を再開、日本の港湾で軍艦の整備ができるようにもした。そして今度はパラオ諸島だ。
記事にあるように、ペリリュー島は米軍が拠点にしているグアム島より、台湾に400kmも近い。台湾有事の際の重要拠点にもなるし、フィリピンやグアムと連携して中国艦や航空機が南太平洋に進出する「防波堤」たりうる。
一方の中国も、南太平洋に点在する諸国に対して支援の手を差し伸べ、拠点化を図っている。有名な激戦地ガダルカナル島のホニアラに首都を置くソロモン諸島は、米艦船の入港を拒否するほどだ。
この記事に言うように、ペリリュー島も激戦地。圧倒的な米軍に対して、島民を含めて日本軍が苛烈な抵抗をした「天皇の島」だった。
天皇の島の70日間 - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)
英霊が眠るこの島に、再び戦禍が訪れないことを祈りながら「やっぱり地政学って、時代を経ても技術革新があっても変わらないね」と思った次第です。
*1:ピナツボ火山の大噴火で使用困難になったのが、直接のきっかけ
画像はHobby-Japanの太平洋戦争戦略ゲーム、イラストはニミッツ提督でした。