紛争を続けていれば、間違いなく悲劇は起きる。今回は、ある意味最悪のタイミングでそれ(*1)が起きた。ガザにある病院で大規模な爆発が起きて、500人以上の犠牲者が出た。
ガザの病院に空爆 500人以上死亡 - Yahoo!ニュース
ハマスはイスラエル軍の(意図的な)空爆で、戦争犯罪だと言う。一方イスラエル側は、ガザ地区から発射されたロケット弾が、病院を直撃したのだと言う。現時点ではどちらの主張が正しいかは不明だが、上記の記事にコメントを寄せた軍事ライターは、
「ハマスのロケット弾をイスラエルが迎撃し、完全破壊されないまま病院に落ちた」
と言っている。双方に病院破壊の意図はなかったと思うし、双方にミスがないならばこの説は非常に有力なものだ。
最悪のタイミングと言ったのは、世界一の「止め男」バイデン大統領がイスラエルやヨルダンを訪問し、双方から話を聞いて打開策を提案する直前だったから。イスラエルの意図的な空爆(&戦争犯罪)と思い込んでいるアラブ側は、少なくとも今すぐには和平に関する話し合いなど出来るはずがない。結局、バイデン大統領はイスラエル訪問しかできなくなった。
イスラエル軍のガザ地区への地上侵攻が始まれば「黙ってはいない」と、以前からイランは言っている。この国は反米・反イスラエルであることは当然だが、意外と威勢のいいことは言っても実行はしない傾向にある。しかし、避難所ともなっていた病院が攻撃され500人もの犠牲者が出たとあっては、本当に何かするかもしれない。
イスラエルとしても、
待ち受けるハマスの地下要塞 - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)
で昨日紹介したように、地上戦になってしまえば犠牲者が増え、自らハマスの思惑(*2)にハマることになる。少なくともバイデン大統領が帰るまでは侵攻しないのが当然なので、時間を稼げたはずなのだ。侵攻せずに打開する道を閉ざしてしまった今回の事件、とても不幸なことで、情勢は予断を許さなくなりました。
*1:マーフィーの法則
*2:狙いは一人でも多くのイスラエル人を殺傷すること