Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

国際情勢

気候変動がもたらす水の偏在

日本でも北海道、東北地方で大雨被害が出ているが、韓国ソウル市のそれは想像を越える規模になっている。「パラサイト」という映画で、半地下の部屋に住む貧困層の家屋を描いていたが、実際にそのような暮らしをしている人が60万人以上いるという。 そこに10…

半導体産業への投資競争

経済安全保障推進法が成立したが、法律だけでは具体的な進め方は分からない。これから施行令・施行規則が作られて、ちゃんとした予算がつかないと霞ヶ関は動けない。担当大臣が財務省出身の若手小林鷹之議員から、総務大臣等を歴任したベテランの高市早苗議…

敵基地攻撃能力

ロシアのウクライナ侵攻開始から、もうすぐ半年になる。1週間以内にはキーウを占領、ゼレンスキー政権を排除して親ロシア政権に入れ替える・・・という目標は果たせなかった。直接的にはウクナイナの人達の愛国心と士気が、いやいや参戦のロシア兵を上回ってい…

原因不明の急死相次ぐ

台湾を取り囲むように設定した軍事演習域で、特殊砲兵(ミサイル)・空軍・海軍の演習は一段落した。上陸作戦用の陸軍が参加していなかったので、演習と見せかけての侵攻ではないことは明白だった。しかし演習の常態化の噂もあって、そのうちには陸軍の参加…

嘉手納~普天間の距離

米国ペロシ下院議長の台湾強行訪問に怒った中国軍は、台湾をぐるりと囲むように6つの海域・空域を設定し、特別軍事演習を行った。台湾東方の2つの演習域に挟まれたのが与那国島。実弾を使うもので、演習域に設定されていた与那国島沖の日本のEEZ内にも、弾…

米中両国、内政が問題の秋

初めての習大人とバイデン大統領のリアル会談が、企画・調整されているらしい。両国とも内政に大きな問題を抱えていて、どちらもリセッションの崖っぷちにいる。今や対立している場合ではないのは双方とも認めながら、矛をひくことができない。 まず米国だが…

ゲームチェンジャーになるか

ウクライナ紛争は、西側(うーん、久しぶりに聞く言葉だ)からの新兵器が機能し始め、ロシア軍の侵攻が止まっていると伝えられる。高機動ロケットランチャー<ハイマース>は、ロシア軍伝統の「面で制圧する砲撃」ではなく、長距離攻撃ながらピンポイントで…

1人あたりの身代金は0.02セント

昨日、中国の「健康コード」などを通じた当局の個人情報活用の話を紹介した。これぞ「監獄国家」と非難している人もいる。もうひとつ気になるニュースがあった。それは上海警察当局がサイバー攻撃を受け、10億人分の個人情報を窃取されたというもの。当局は…

平等政策が招く「共同貧困」

日本では参議院議員選挙の真っ最中、物価高対策や格差是正が大きな論点になっていて、暫定的な消費税下げ、最低賃金底上げ、非正規雇用縮小などが議論されている。大陸に目を転じてみると、習大人の三期目を決める秋の党大会に向けて、格差是正の政策が進行…

追い詰められるロシア、だが嫌な予感も

熱波の中の日本、しかも参議院議員選挙真っ最中だが、自民党の岸田総裁は日本に留まっても居られない。先週はミュンヘンでG7サミットがあり、引き続きマドリードのNATO首脳会議にも出席した。G7サミットでは、ロシアを糾弾するだけでなく、力による一方的な…

「2nd Civil War」の火種

ウクライナ紛争が長期化し、中国の台湾への圧力も高まっている。世界的な食糧不足は、特にウクライナの小麦に依存していたアフリカや中東諸国に飢餓を発生させ、社会的不安が増大している。もし中東に火がつけば、エネルギー不足がいよいよ露呈、日本も大変…

サイバー・ジュネーブ条約論

ロシアはまだ「特別軍事作瀬」だとして、今回のウクライナ侵攻を「戦争」とは呼んでいない。しかし実質的には戦争状態だし、非人道的なことは禁止されているはずだ。捕虜や傷病兵、民間人を保護するために<ジュネーブ条約>が制定されている。正確には<ジ…

「Emotet」再々流行のなぜ

昨年はランサムウェアが暴れ回り、米国最大の石油パイプラインを止めたり、ブラジル食肉大手の業務を妨害した。日本でも徳島の半田病院の電子カルテシステムが止められ、長期間診療が制限された。今年になってからも、トヨタ自動車の大手取引先の受発注シス…

ハイテク兵器のサプライ不足

こういうのを「消耗戦」と言うのだろう、ウクライナ東部戦線では激戦が続き、ウクライナ側は毎日100名が戦死(1コ中隊が全滅に相当)しているという。ロシア側の死者(KIA)も少なくとも同等の数には上るだろうし、士気が低い分だけ行方不明者(MIA)も少な…

イーロン・マスクの危機感

日本でも値上げラッシュがひどいと感じるのだが、米国のインフレはそんな生易しいものではないようだ。世界有数の石油生産国であるにもかかわらず、エネルギーコストの上昇がひどい。人件費も、部品も、その他の消費財も、天井知らずの上げ幅だという。秋に…

東ウクライナでの消耗戦

ロシア・ウクライナ紛争は、作戦級としてはヤマ場を迎えていると思われる。種々の報道があり、個々にはどれほど信用できるか不明なものもある。僕はもっぱら、インテリジェンス大国である英国の情報を参考にするのだが、それすらも意図的な歪みがあり得る。…

モディ首相の危惧

米国のバイデン大統領が、初めてのアジア歴訪にやってきた。とはいえ対立している中国へ行くはずも、トランプ先生のように金総書記と握手するはずもない。そんなわけで、就任したばかりの韓国尹大統領を訪問、それから日本に来て岸田総理と会談したり「QUAD…

取り越し苦労とは思うけど

先週は、いろいろと気になる記事があった。まず横浜エリアの大停電、6万戸以上に影響が及んだという。すわ、電力インフラを狙ったサイバー攻撃かと思ったが、川崎市内での地中管工事のミスだった。次に明治用水の水位が下がって、工業/農業用水が確保でき…

ロシア軍のフトコロ事情

日々、ウクライナ各所におけるロシア軍の残虐行為の報道がある。ロシア側は、ウクライナ及びそれを支援する欧米のプロパガンダだと言っている。確かにユーゴ紛争の時は、がれきの街並みはハリウッドのセット、登場する被災者は俳優、という噂が流れたことも…

「サイバー放火」が起きているのか?

ロシアのウクライナ侵攻は、どう見ても上手くいかない。先週はオデーサ沖で、恐らく対空警戒にあたっていたフリゲート艦<アドミラル・マカロフ>が、地対艦ミサイルの餌食になったとも伝えられる。旧式艦とは言え旗艦<モスクワ>を失って、対空網に穴が開…

核兵器による先制攻撃

ウクライナの地で、75年ぶりにドイツとソ連の戦車が相まみえるかもしれない。ドイツ政府はウクライナへの軍事支援として、初めて重火器にあたり<ゲパルト対空戦車>を50両供与すると発表した。 ◆ゲパルト自走対空砲 ・重量 47.5トン ・乗員 3名 ・速力 最…

どうしてるだろう、あの人たち

ウクライナの首都の呼称が、ロシア語読みの「キエフ」からウクライナ語の「キーウ」に代わった。フォーサイスの小説で有名な港町「オデッサ」も「オデーサ」と呼ばれるようになる。呼称が代わるのは、その国の体制に変化があった証拠でもある。僕が体験した…

東ウクライナ共和国幻想(後編)

あくまで「仮に」の話だが、ロシアが大量破壊兵器をウクライナやその支援国に使うとすると、日本もその対象になるかもしれない。その時は、市ヶ谷の防衛省や赤坂の米国大使館などが標的となろう。 75発の核ミサイルが飛んだ - 新城彰の本棚 (hateblo.jp) に…

東ウクライナ共和国幻想(前編)

ようやくキーウ方面から撤収した部隊の再編が成り、ロシア軍の東部地区での攻勢が再開された。小規模ながら戦意の高いウクライナ軍に、これまでのところは苦杯をなめさせられているロシア軍、いくつかの問題点が明白になった。 ・兵士の士気、訓練が不十分、…

各国指導者、それぞれの戦場

世界を覆う「COVID-19」禍とインフレ圧力、エネルギーや食糧の高騰で多くの国で不都合な事態が起きている。もともと大統領一族の同族支配が酷かったとはいえ、スリランカの抗議活動(とその原因になった庶民の困窮)はかなり深刻。パキスタンではカーン首相…

NATOはNOTOへ進化するのか?

ロシア軍がキーウ近郊に残していったのは、戦闘用車両の残骸と共に多くのウクライナ民間人の遺体。回収も埋葬も間に合わなかったのだろう、リアルな映像として全世界に流されてしまった。この残虐行為については言い訳のしようもないだろうし、ロシアをこれ…

情報断絶と中国の世論

キーウ(キエフ)周辺のロシア軍占領地域をウクライナ軍が奪回して、戦場になった街の惨状が明らかになった。路上に放置された戦闘車両の残骸、砲塔が車体の隣に並んでいるのは、車内の弾薬や燃料が爆発して砲塔を真上に吹き飛ばしたから。焼け焦げてもう赤…

欧州で2番目に貧しい国

連日報道されるロシアのウクライナ侵攻、NATO加盟国であるルーマニアとポーランドは青色で表示されるが、その隣に色の付かないエリアがある。これがモルドバ共和国。この紛争の前には、こんな国があることを知らない日本人も多かったと思う。 僕がたまたまそ…

極東有事を考える

ロシアのウクライナ侵攻は停滞中、加えて国際社会からの非難・制裁が効き始めるだろうから、プーチン大統領は相当追い詰められていると思われる。何といっても兵力・軍事物資が足りない。中国に支援を要請したとも伝えられるし、極東から兵力・物資を引き揚…

NATO頼むに足らずや?

まもなくウクライナ・ロシア開戦から1ヵ月、ロシア軍は電撃戦に失敗して苦戦を続けている。将官の戦死はすでに6名を数え、スペツナズの名で知られるジェルジンスキー師団の精鋭が7名、指揮官ともども戦死したとも伝えられる。じりじり追い詰められている…