連日報道されるロシアのウクライナ侵攻、NATO加盟国であるルーマニアとポーランドは青色で表示されるが、その隣に色の付かないエリアがある。これがモルドバ共和国。この紛争の前には、こんな国があることを知らない日本人も多かったと思う。
僕がたまたまその国の存在を知っていたのは、アバロンヒルの第二次欧州大戦ゲーム「Third Reich」を経験していたから。ルーマニアとソ連の間の地域で、ベッサラビアと呼ばれていた。このゲームの1939年秋のターンでは、独ソは交戦状態にない。独軍がポーランドの西半分を嚙み獲ると、ソ連が東半分を獲って東部戦線はしばらくお休みになる。この地域で紛争が起きるとしたら、
の公算が高い。史実でも、ソ連はフィンランドとカレリア地峡を巡って<冬戦争>を戦った。ベッサラビアは、1940年の「モロトフ・リッベントロップ協定」でルーマニアからソ連に割譲されている。軍事力にモノを言わせた交渉で、当然ルーマニア国民は怒った。それが翌年独軍がソ連に侵攻する時、ルーマニアを枢軸中小国として参戦させる原因にもなった。
独仏が争うアルザス・ロレーヌ地方同様、モルドバ共和国の領域も数奇な運命をたどっている。オスマン帝国からロシア帝国に譲渡されたり、ルーマニアの一部になったり、ソ連の中に入ったりした後、ソ連崩壊を機に独立している。公用語は今でもルーマニア語だ。
NATOにもEUにも入らない独立国で、人口は400万人ほど。横浜市より少し多い程度だ。産業もこれといったものはなく、一人当たりGDPで見ると欧州で2番目に貧しい国である。今回のウクライナ紛争で、2つの危機がこの小さな国を襲っている。
・ウクライナがロシアの従属国になれば、次はモルドバに攻め込んでくる
・40万人を越える避難民が殺到し、支援が十分できない
総人口の1割を越える避難民というのは、貧しい国にとっては大き過ぎる負担。さらに避難民は増えると思われる。国際社会はロシアを非難するとともに、このような国を支援していく必要がある。そんなわけで、当家でもささやかなモルドバ支援。
COOPでモルドバワインがメニューに載っていたので、即購入しました。同時に買った南アフリカの赤ワインとともに、いただくことにします。