Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

東ウクライナでの消耗戦

 ロシア・ウクライナ紛争は、作戦級としてはヤマ場を迎えていると思われる。種々の報道があり、個々にはどれほど信用できるか不明なものもある。僕はもっぱら、インテリジェンス大国である英国の情報を参考にするのだが、それすらも意図的な歪みがあり得る。総合すると、概況はこんな感じ。

 

・ロシア軍はルガンスク&ドネツク州支配を狙い、戦力を集中

・セベロドネツク市を包囲し「餌」として、敵軍主力を叩くつもり

ウクライナ軍が妨害排除してセベロドネツク解放ができるかが焦点

 

 少なくとも第二次世界大戦型の機動戦を両軍は目指しているはずだが、現実には両軍主力が正面からぶつかり合う消耗戦(第一次世界大戦型)になりそうだ。両軍とも、内情は苦しいようで、

 

・ロシア軍、兵役拒否が広がったり、60年前の戦車T-62を実戦投入

ウクライナ軍、MLRS(多連装ロケット砲)を望むも、米軍は供与を否定

 

 である。機動戦は相手の神経を破壊し継戦能力を奪うものだが、消耗戦では筋肉と筋肉がせめぎ合うことになる。筋肉同士の戦いなら、すでに時代遅れになった「陸戦の王・戦場の神」が重要だ。

 

代替わりする「王」と「神」 - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)

 

        

 

 すでにNATO諸国は新鋭榴弾砲M777を供与してとも伝えられるが、MLRSの長射程弾(射程300km、通常弾は70kmほど)はロシア領土を直接攻撃できるからNGと、ホワイトハウスは言っている。これは「敵基地攻撃はNG」と叫ぶ一部野党のような理屈だが、多分本音は「もう少し消耗戦を続けさせたい」のではなかろうか。

 

 先月米国のオースティン国防長官は「ロシアが二度とこのような侵攻ができないようになるまで弱体化させる」と発言した。米国はじめNATOの目標はロシア軍の撤退ではなく、消耗しきることにあるということ。もちろんウクライナの目標は(クリミア含む)領土の奪還だから、その差がここに現れているのだろう。

 

 プーチン先生の方は「世界の食糧危機を回避するために」と中東・アフリカ諸国の人々を人質にして、領土を噛み獲った上での和平を画策しているようだ。東ウクライナで続く消耗戦、どちらかの軍が音を上げまで(困ったことに)続くだろう。

 

 でもロシア軍が本当に弱体化してしまったら、中央・極東アジアに力の空白ができませんかね。北朝鮮軍北進?中国軍黒竜江を渡る?まさかね。