Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

東ウクライナ共和国幻想(前編)

 ようやくキーウ方面から撤収した部隊の再編が成り、ロシア軍の東部地区での攻勢が再開された。小規模ながら戦意の高いウクライナ軍に、これまでのところは苦杯をなめさせられているロシア軍、いくつかの問題点が明白になった。

 

・兵士の士気、訓練が不十分、統制も効いていない。

・兵器は旧式(T-72スラヴァ級巡洋艦も)で、新兵器に対抗できない。

・(予算の関係か)整備も不十分、部品なども粗悪で故障が絶えない。

 

 一部記事には、「中国製の粗悪タイヤのせいで立ち往生」した軍用車両の写真もあった。これには類似の兵器を装備している中国軍・北朝鮮軍らも困っていると伝えられている。

 

 ただウクライナ国内の混乱はひどいもので、すでに500万人ほどが国外へ避難している。なんと日本にも700人ほどが到着していて、中には日本に全く身よりのない人もいる。この人たちに、資金援助・住宅提供・教育支援などどうするか、政府は自治体や教育機関に種々の要請をしている。それは悪いことではないのだが、先週の「日曜討論」では「他の難民にも同様の支援をしてくれたら」との恨み節が聞かれた。

 

    

 

 スリランカ人の女性が死亡した事件を始め、難民が一番入国しにくい国である日本。なのに今回国際世論が高まった件では、やすやすと700人を受け入れていることへの違和感だったのだろう。古川法相は「今回は避難民、難民ではない」とのスタンスだった。でも避難民はシリアでも、アフガニスタンでも、ミャンマーでも出ているのだ。移民を認めないと言いながら、実質多くの外国人が日本で(不安定な)生活をしている。優秀な移民は、米国の新興企業などを見ればわかるように国力の源。これを契機に移民論を正面からすべきだし、日本政府の政治家・官僚はそこから逃げてはいけないと思う。

 

 ひとつ気になったことがある。日本に身寄りがないウクライナ避難民のひとりが、なぜ日本に来たのかと問われて、「ヨーロッパから出来るだけ離れたかった」と言ったこと。これって、ロシア軍が大量破壊兵器を使い、欧州全体に影響が及ぶことを警戒した話ではなかろうか?

 

 確かにゼレンスキー大統領は「世界全体が、ロシアの核兵器使用に備えよ」と言っている。ロシアは勝てないまでも、欧州全体(場合によっては地球全体)を道連れにしようとしているのではなかろうか。

 

<続く>