Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

モディ首相の危惧

 米国のバイデン大統領が、初めてのアジア歴訪にやってきた。とはいえ対立している中国へ行くはずも、トランプ先生のように金総書記と握手するはずもない。そんなわけで、就任したばかりの韓国尹大統領を訪問、それから日本に来て岸田総理と会談したり「QUAD」の会合に出席したりした。「QUAD」とは、自由や民主主義、法の支配といった基本的価値を共有するインド・太平洋における4カ国の枠組み。日米にオーストラリアとインドが入っている。韓国も加入に前向きとする報道もある。中味は何かというと、これまで、

 

・ワクチンなど「COVID-19」対策

・宇宙

・サイバー

・インフラ

・気候変動

・重要、新興技術

 

 の6つの作業部会を立ち上げ、これらの分野で連携を深めようというもの。主な目的は「対中国包囲網」なのだが、軍事的なものではない。インド・太平洋での軍事的なものとしては「AUKUS」があり、米英とオーストラリアで成り立っている。この3ヵ国は「Five Eyes」というインテリジェンス情報共有のメンバーで、日本も入れてもらえない。

 

    

 

 まして、インドは当面この中には入れまい。識者が言う「ソ連を倒すのに米国は中国にインテリジェンスを提供した。ソ連は倒れたが、次には中国が台頭した。中国を倒すのにインドを巻き込めば、その後はインドが挑戦者になる」からだ。

 

 そのインドだが「対中国」では、ある程度米国の言うことを聞くだろうが、「対ロシア制裁」では首を縦に振らない。中国・インドの両大国が制裁に加わっていないのは、欧米の悩み。中国はともかく、なぜインドが・・・と僕などは思ったのだが「長年インド・ロシアは友好関係にある」とメディアは言う。納得できなかったのだが、インド軍の装備の大半がロシア製と聞いて理解できた。

 

 先日ロシア軍がウクライナから農業機械など盗んで、遠くはチェチェンまで持って行ったという記事を紹介した。ただリモートで稼動できなくしたので使えないという。ひょっとしてモディ首相の危惧は「ロシアに楯突くと、インド軍の戦闘機などがロシアからリモートでDisableされる」といことではないか?Disable以前に部品供給などを止められるかも。そうなったらパキスタンや中国が攻めて来て・・・。

 

 米国やイスラエルがインドへの軍備提供を急いでいるようです。日本も入れてもらえませんかね。