Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

嘉手納~普天間の距離

 米国ペロシ下院議長の台湾強行訪問に怒った中国軍は、台湾をぐるりと囲むように6つの海域・空域を設定し、特別軍事演習を行った。台湾東方の2つの演習域に挟まれたのが与那国島。実弾を使うもので、演習域に設定されていた与那国島沖の日本のEEZ内にも、弾道ミサイルの弾着があった。

 

 「台湾有事は日本有事か?」との議論は以前からある。故安倍元総理が台湾向けのメッセージでこう伝えたといい、一部メディア・野党からは非難が巻き起こった。しかしミサイルが実際に着弾する事態になり、日本国民にとってのリスクが目の前に突き付けられたような気もする。

 

 いざ中国軍が台湾海峡を渡るとすれば、海峡の制海権・制空権を得なくてはならない。障害となるのは米国の空母機動部隊と嘉手納基地だ。このうち嘉手納基地は確実に場所がわかっているので、先制攻撃で無力化することを考えるだろう。

 

    

 

 例の迎撃が難しい<極超音速ミサイル>で、核攻撃をかけてくるかもしれない。もし嘉手納が無力化されてしまったら・・・というシミュレーションを、当然米軍はしているだろう。別の航空基地からの反撃が、まず想定すること。しかし普天間基地は嘉手納に近すぎる。直線で5kmほどしか離れていない。

 

 米軍は核攻撃を受けた時のバックアップ場所を、50マイル(約80km)以遠に置く。普天間はバックアップにならない。そこで注目されるのが、拡大改装中の辺野古基地である。規模もそうだが、海に隣接していることで、直接補給艦を付けることもできる。人口の少ない沖縄本島北部に位置していて、テロからの警備もしやすい。

 

 なるほど、普天間の危険性を除去してやるという名目で、嘉手納のバックアップ基地を作ろうとしていたのだなと(今さらながらに)気付きました。もちろん中国側もそれは分かっていて、種々の妨害工作をしているようですね。写真は前田高地から見た普天間基地、また行ってみたくなりました。