Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

各国指導者、それぞれの戦場

 世界を覆う「COVID-19」禍とインフレ圧力、エネルギーや食糧の高騰で多くの国で不都合な事態が起きている。もともと大統領一族の同族支配が酷かったとはいえ、スリランカの抗議活動(とその原因になった庶民の困窮)はかなり深刻。パキスタンではカーン首相が失職、何が起きているのかよく分からないが、中国人を標的としたテロが続発しているようだ。

 

 ドイツのショルツ首相は対ロシア強硬姿勢に転じ、国内のエネルギー事情をある程度犠牲にしても制裁強化の道を選んだ。世論に選ばせられたというべきかもしれない。2024年までにロシア産石炭・石油を含むロシア依存をゼロにすると言っている。完全に「準戦時」になり、風力発電2,000基がロシアからのサイバー攻撃を受けたともいう。

 

 フランスのマクロン大統領は選挙の真っ最中、なんとか1位の票を得たものの来週の決選投票では、ひょっとすると極右のルペン候補に敗れるかもしれない。一時期欧州で旋風を巻き起こした「極右路線」、ロシアのジリノフスキー氏は亡くなったが、フランスのルペン氏の娘は政権奪取にあと一歩のところまで来た。

 

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 米国バイデン政権は、僕からはしっかりとした外交をしているように見えるが、内政では問題山積。今年の中間選挙は厳しい見通しだ。それらに比べると、日本の岸田政権は安定している。迫る参議院議員選挙も、有力な野党はいないし「困窮世帯へのバラマキ提言」をする公明党がうるさいくらい。

 

 なんといっても問題は、ロシアと中国。プーチン先生はようやくウクライナ攻めの司令官を決めて、東部・南部の占領統治に(体制的には)本腰を入れた。5/9の対独戦争記念日までに一定の戦果を挙げたい一心だろう。それにしてもこれまで司令官がいなかったというのは、全く不可解。本気の戦争ではなかったのかもしれない。ちょっと脅せばアフガニスタンのように政権崩壊すると見ていたのだろう。司令官に任命されたドゥボルニコフ中将は、シリアやチェチェンでの残虐行為で「処刑人」のあだ名を持つ人。

 

 一方の習大人、上海のロックダウンが長引き「ゼロコロナ政策」の弊害が目立ち始めた。こちらも秋に「首席三期目」を決めるまでは、なんとか無事に乗り切りたいところ。しかし上海は暴動寸前とも伝えられるし、全土で「COVID-19」禍が広がりそうだ。世界で広がる不安と不満、しばらくは平和は難しそうです。