Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

各省協力、財務省にすれば・・・

 霞ヶ関は人事異動の季節。政策立案・遂行の最前線に立っているのが課長級。来年度予算の概算要求に備えて、前の課長のもとでとりまとめられてきた当該課の新しい予算案を、やってきた課長が各所(最終的には財務省)に説明するわけだ。

 

 着任してすぐに複雑な背景をもつ予算案内容を読み解き、完全に理解できないまでも外部に説明できるように(一夜にして)なるというのは、やはり特殊技能といえるだろう。さてその予算案だが、基本的には課の単位で費用対効果が計算(もしくは設定)されている。最終的にはその効率性などを見て、財務省が採否や金額を決める。一所懸命という言葉があるように、各課は予算の効率的な運用に努めなくてはならない。

 

 一方、政策そのものは一つの課・局・省に閉じないことも少なくない。あるテーマについて、複数の省が関係することも僕らのデジタル政策では珍しくない。期せずして、各省が個別に似たような企画をすることもある。

 

        

 

 例えば、今年初め全国9箇所の地方経産局を巡って地域のサイバーセキュリティ事情を聞いた。これは経産省の予算だが、会合の場には総務省出先機関も県警等も参加してくれた。今年度になって聞くと、ほぼ同時期に総務省が同様の企画をしてくれていたらしい。総務省側のイベントに参加した人からは「経産、総務で個別にするのではなく、警察も含めて実施してくれたら、大きな予算になりもっと大規模なイベントにできたし、参加する人も効率的(出張等)に役目を果たせた」との意見が出た。

 

 あ、全くその通りと思ったのだが、すぐにはできないなと思い直した。もしそんなことをして決算報告をしたら、財務省からは「3省の予算を合わせて一つの効果なのだから、三重取りだ」との批判が出るだろう。「いや、各省連携だから」と反論しても「それなら予算時にそれを明記せよ」と言われそうだ。

 

 大騒ぎで予算案を取りまとめている時に、省庁間調整が上手くいくとは思えないのですが、そうしていくために「予算案作成DX」ができませんかね?