Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

学歴に関するグローバルな視点

 新卒一括採用、終身雇用といった日本的雇用慣行は崩れつつある。ある政治学者が「住まいを移動した距離が短いと、ポピュリズムへの抵抗力が少ない」と言った。ムラ社会ポピュリズムに弱いので、米国がその典型だが多くの国で都市部ではないところでポピュリストが得票を伸ばすのは事実だ。

 

 ムラ社会の弱点は、そのままクローズドな環境で生きてきたサラリーマンにも見られる。だから企業は若手エリートを、ローテーションしたり、外部に出向させたりして視野を広げられるように育てる。そのエリート選別の条件の一つが「大学の偏差値」。どんな大学に入れたかが基準になる。しかし本来は大学でどう学んで来たか、例えば大学院修士もしくは博士、さらにはダブルメジャーを獲得したかであるべきだ。

 

        

 

「大学院卒」でも企業では評価されない…世界中で進む高学歴化に日本だけが取り残されている理由 「高偏差値大学の卒業生は優秀」はもう古い | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

 

 この論説は、昭和女子大学の坂東総長の「学歴に関するグローバルな視点」の紹介。この女子大はかなりインテリジェンスの高い教育をされていて、僕の所属する団体も教育カリキュラムに参加させてもらっている。米国は、実は日本以上の学歴社会だとある。ただどんな大学に入ったかではなく、そこで何をどこまで学んだかが問われる点が日本と違う。

 

 実際、日本企業が大学院の価値をあまり認めないので、多くの有意の人材が外資系企業に流れていく。海外在住のある人(女性)によれば、知り合いの日本人の院卒女性は結婚しているとすればほぼ全員夫君は外国人だという。仕事だけではなく、家庭を作るにあたっても「日本」はお呼びではないようだ。

 

 グローバリズムに反対の識者も多いですが、この流れは止まらないでしょう。人材も世界で活躍できる人が求められます。日本人の教育改革と、企業の人材評価に関する改革が求められるでしょうね。