Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

平井先生朝食セミナー2022(後編)

 続いて本題のWeb3.0、伊藤氏はこれを「会計改革」だという。中世イタリアで確立した「複式簿記」を越えるものが登場したとの説明。これまで全てをカネに換算してきたのが資本主義だが、換算できないもの(SDGs的努力、環境配慮、リスク対策も)も「Non Fungible Token(NFT)」で計れるようになる。これぞ「新しい資本主義」だという。

 

 Web3.0上では、法人は(企業秘密などを除いて)全てのデータが標準化されたフォーマットや単位系で数値化され、公開される。ブロックチェーン技術によって保証されるNFTが価値を持つわけだが、これを証券とみるSECらと、通貨と見る他の機関が権益を奪い合っている。

 

    

 

 NFTが複雑な価値を見えるようにしてくれるわけだから、これは狭い意味の「暗号通貨」ではない。社会全体を支えるデータネットワークである。もちろんこのネットワークは、中央集権的なものではない。平井氏は「デジタル庁はDAOだ」と何度かいう。これは「Decentralized Autonomouse Organization」のことで、自律分散型組織と翻訳される。

 

    

 

 面白かったのは伊藤氏の示したポンチ絵Web2.0ではプロトコルとコンテンツに挟まれたアプリケーションが大きな意味を持っていた。しかしWeb3.0ではアプリは小さくなり、プロトコルとコンテンツが重要になるという。推測するにWeb1.0では、プロトコル上に、アプリとコンテンツが一体化したものが乗っかっている2層構造だったのだろう。

 

 最後に平井氏が「マイナカード普及を始めとする次世代インフラの整備は、反対論があろうとも政治家が必要と考えれば断行するのが責任。支持率がどうのこうのではない」と獅子吼して、拍手を浴びた。

 

 ニューオータニの朝食弁当、まずいはずはないのですが、慌ただしい雰囲気で味が分かりませんでした。まあ、ここの主役は政策論ですから仕方ないですがね。