Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

最も危険な上院議員

 共和党大会でトランプ候補は副大統領候補に、オハイオ州選出の上院議員J・D・ヴァンス氏を指名した。ひげ面でたくましい、若干39歳。「英国はイスラム主義の核兵器保有国だ」などと、過激な発言をしている。ウクライナへの米国の関与に懐疑的で、対中強硬派、もちろん日本製鉄のUSスチール買収など容認するはずもない。

 

 経歴を見ると「NCIS」のエピソードに出てくるような、プアホワイトから上流階級に成り上がった、現代立志伝中の人物である。貧困が伝統になってしまい、麻薬やアルコールに溺れる白人集団から、高卒で海兵隊に入りイラク派遣など経験して世界が開けた。除隊後イェール大学で学んで弁護士になり、ベンチャーキャピタル勤務をし、自伝的小説「ヒルビリー・エレジー」で注目を集めた。

 

    

 

 オハイオ州民主党は、彼を最も危険な上院議員として非難した。米国の伝統的な家族主義者で、女性の権利を十分に認めない考えの持ち主(*1)だからだ。

 

 ただ子供のころに辛酸をなめ、大人になってから上流階級の世界を知った彼は、上流階級しか知らない(例:トランプ)人とは違った視点があるだろう。加えて、ベンチャーキャピタルでの経験がありデジタル産業のことも、金融のことも知悉しているはずだ。中国脅威論も、単純にEVの生産能力とか、太平洋に展開できる軍艦の数とかで見ているわけではなかろう。

 

 基本的に孤立主義者だが、それはリアル産業での話。昨日紹介したようにトランプ候補には「産業≒製造業」の意識が強いが、それを補完し金融やテック企業のことも、ヴァンス候補は考えてくれそうな気もする。「すでトラ」人事が始まって、

 

・財務長官 JPモルガンのダイモンCEO

国務長官 ヘイリー前国連大使

 

 などが候補に挙がりそうです。さて、僕らはどこに注目すればいいのでしょうか?

 

*1:トランプが副大統領候補に指名した39歳、J.D.ヴァンスとは何者か? | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)