Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

今こそRevolution in Military Affairs(前編)

 「もしトラ」という言葉がはやっているが、「すでトラ」なのかもしれない。共和党全国委員長が、トランプ候補の意向により辞任させられ、後任が彼の推薦で決まるという。すでに人事権も持ったようだ。

 

 彼の発言で特に西側社会を揺さぶっているのは「同盟国であっても守らない。(ロシアに)好きなようにしろという」というもの。前段に「自らを守る十分なこと(カネのことらしい)をしない国は」と付くのだが、NATOの存在そのものを揺るがす内容である。もちろん、その範囲はアジアにもおよび、日本や韓国でも衝撃が走っている。報道はないが、台湾も同じだろう。

 

 いくら国内向け、選挙向けの発言とはいえ、国際社会を無視する暴言で、こんな人物を当選させないでほしいと思う人は(関税60%を明言されている)習大人も含めて大勢いる。

 

    

 

 しかし別ブログで紹介したように(*1)バイデン大統領も頼りない。かくも高齢な両候補以外、有力候補が出てこないのは米国にとっても不幸なことだ。日本など同盟国としては、少なくとも米国が頼りにならなくなった事態に向けた、安全保障政策の練り直しをしなくてはなるまい。

 

 しかし、その内実は(米国政治状況よりも)頼りない。日本の自衛隊が継戦能力含めて「ほぼ戦えない軍隊」であって、ようやくGDP比2%の軍事費のめどがたって改革中なのは周知の通り。自国内の防衛産業も、輸出もできず、実戦も積めないので能力が高くない。暗澹たる気分なのだが、それは他の米国同盟国でも似た状況なのが分かった。

 

欧州の軍備強化は10年かかる、独兵器製造大手のトップが発言 - BBCニュース

 

 思い出すのは、WWⅡ前夜の世界情勢。米国は強大な戦力を持っていたが、市民は戦争を望まず孤立主義になっている。兵士の訓練も不十分だった。英仏も事実上戦える状況になかった。そんな中、ドイツは経済を戦時体制に切り替え、経済成長と軍備増強を両立させつつあった。この軍事的経済政策は、今のロシアに通じる。

 

<続く>

 

*1:ブレるバイデン大統領の危うさ - 梶浦敏範【公式】ブログ (hatenablog.jp)