Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ブラック・スワンがやって来る!

 大幅な政府支出の削減を求める共和党下院の(強硬派の)主張が退けられ、今年度の予算が上院でも可決成立してバイデン大統領はほっと一息。なんとか政府閉鎖の危機だけは免れた(*1)形だ。

 

 今棚上げになっているウクライナ支援はもちろん、米国政府閉鎖となったらさまざまな問題が生じる。直接的には、

 

・連邦職員の多くが自宅待機となり、業務ができない

・国立公園、博物館等は閉鎖、パスポートなどの申請も遅滞

・政府と契約している民間企業でも、業務継続不能になりかねない

 

 などだが、政府支出はGDPの25%であって、長引けば経済そのものに影響する。これは1980年頃から「政府は予算が無ければ支出できない」との予算法の規定を、厳格に実施するからだという。

 

    

 

 それゆえ、米国政府は1980年以降、10度の政府閉鎖を経験していて、トランプ政権で1ヵ月ほど続いたのが最長記録である(*2)。

 

 正直今回の騒ぎも、またいつもの米国内の権力闘争かなと思った。僕自身は小さな政府主義者なので、財政赤字を膨らませないハドメには好感を持っていて、日本政府の放漫財政には懸念を持っている。トランプ政権(&彼の主張)には、賛同できるところもないわけではない。ただ、最近読んだ本の中で、

 

・米国政府が、ドルが基軸通貨であるのをいいことにドル札を刷りまくっている

・資本主義では誰かは借金しないと経済が回らないが、それが米国政府である

 

 と主張している(*3)のに危機感を持った。え、これって米国債券が信用失墜したら、世界経済が終わりじゃない!

 

 まさに経済学者の言う「ブラック・スワンがやって来る」ではないのでしょうか?もう何かできることはない僕にとっては、寿命が尽きる前にそんなことが起きなことを祈るだけですよ。

 

*1:米24年度本予算がようやく成立、バイデン大統領が署名 |ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)

*2:【解説】 政府閉鎖、なぜアメリカでだけ頻繁に起こるのか - BBCニュース

*3:裏面から見た各国の悩み - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)