Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

今こそRevolution in Military Affairs(後編)

 戦力というのは、決して正面装備だけでは測れない。なにより重要なのは兵站、そして兵士の訓練度合いや士気、指揮能力・通信能力も重要だ。そういう意味では軍隊としての経験値と、実戦多岐な兵站能力が高いのは、当然だが「戦っている人たち」。

 

 半世紀以上休戦中なのが、朝鮮半島。今でも米軍や国連軍が韓国には駐留していて、北朝鮮軍を対峙している。この1~2年戦火が起こったのは、東欧や中東だが、そこで兵器不足が生じると、この半島が武器弾薬の供給源になった(*1)のは不思議ではない。

 

        

 

 昨日紹介したように、欧州の兵器産業も本格的な戦闘を戦うための体制整備(資源調達・兵器改良・製造設備拡張・輸送手段・修理補修等の体制)には10年かかると言っている。日本も、国内の「非武装中立論者」の非難を抑え込めたとしても、やはり10年はかかるだろう。その体制整備は、今のロシアや北朝鮮が、かつての日本やナチスドイツがしたように、市民に負担を負わせてのものになる。

 

 確かに米国が頼りにならず、ロシアや中国の脅威はあるのだが、ちょっと待ってほしいのは、20世紀型の戦争なら上記体制が必要だということ。まだ正体が見えていないが、21世紀型の戦争ならさほどの体制整備や市民負担は生じなくても戦力を保持できるのではないか?同じ土俵で戦わず、例えば、

 

・核搭載ミサイルを、発射直前にサイロ内で自爆させる戦術

・戦闘機や戦車を、リモートで作動できなくなるか、自軍に向け暴走させる戦術

 

 などを確立できるなら、技術開発等にコストや人材はかかるとしても、膨大な設備投資や人員確保は必要ない。日本侵略を目指した某国軍は、自軍のミサイルで被害を受け、侵攻しようとした軍艦は止まってしまう。これをRevolution in Military Affairs(RMA)といって、軍事史には時折現れる。

 

 なるべく血を流さず、侵略者の意図をくじく技術開発。日本政府(&軍)には、ぜひ検討いただきたいものです。

 

*1:武器弾薬の供給源たる半島 - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)