Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

台湾総統選挙まであと1週間

 もちろん大きなカタストロフが起きるわけではないだろうが、中国経済が変調をきたした、もしくは変調があらわになった2023年後半だった。ムーディーズが格付けを<ネガティブ>にしたのが、最も象徴的だったと思う。

 

 政治の方も、なんとなくおかしい。任命したばかりの外相を更迭、政治委員に昇格していた王毅氏が外相に復帰することになった。ほかにも更迭された幹部や軍司令官がいて、その理由が説明されていない。年末の全人代では、9人の軍高官の首が飛んだ。外交でも<一帯一路>から、イタリアに抜けられたのは痛い。

 

中国が暗躍した「野党陣営の一本化」は不発に、来年1月に迫る台湾の総統選挙で笑うのは誰か?|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)

 

    

 

 台湾統一を必ず成し遂げるとする習政権だから、外交の最優先事項はあと1週間に迫った台湾の総統選挙。しかしこの記事にあるように、野党候補の一本化に失敗するなど事態は余談を許さない。

 

 加えて今月の香港議会選挙にあたり、民主化候補を排除したまではいいとして、その最中に保護観察中だった<香港の自由の女神>周庭氏にカナダに亡命されてしまった。彼女は香港の民主化に対する弾圧や、自由な選挙を奪われたことを発信し始めている。既存メディアはもちろんSNSでも拡散される彼女の言葉を聞いて、台湾の有権者がどういう投票行動にでるか?決して習政権を利する方向に動くわけがない。

 

 もはや残った手段は、大掛かりな偽ニュースで与党候補を貶めたり、米国などの介入をでっちあげたり、選挙当日サイバー攻撃をかけて選挙妨害をするか・・・。もちろん物理的な攻撃というのも完全に排除はできないが、それは察知されてしまって逆効果というのが常識。

 

 やはり習政権の変調は本物で、組織の行動力が鈍って(緩んで)いますね。これも汚職対策で「トラも、ハエも」叩いたからでしょうか?妙な暴発が起きないことを祈りたいと思います。