Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

国会議員と周辺の適格性審査

 不思議なことに<週刊新潮>だけが2年ほど前から報じているのが、中国秘密警察の秋葉原拠点のこと。中国が国外に秘密警察拠点を多く持っているのは「公然の秘密」だが、もちろん日本にもある。そのひとつ秋葉原拠点では、ビジネスホテルを隠れ蓑にマッサージ店などがあり、あろうことか自民党参議院議員に取り入っていたという。

 

 その件が、ついに動いた。この拠点で活動していた中国籍の女2人を公安警察が挙げ、検察庁書類送検したという報道がこれ。

 

自民党参院議員“元秘書”の「中国人美女」がついに書類送検 捜査のウラにあった中国「秘密警察拠点」と重要法案の存在(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース

 

 その一人呉容疑者は、自民党松下議員の外交顧問の肩書を持ち、議員会館にも出入りし、行政サイドからの説明にも同席していたという。今回の容疑は「詐欺」だが、恐らくはもっと深い容疑があって、記事では経済安全保障推進法に関する情報を得ていたことだとほのめかしている。

 

    

 

 まさにその法律にからんで「セキュリティ・クリアランス制度」が議論されている(*1)のだが、中国の情報収集をいかに防ぐかが主目的の制度ゆえ、かの国が霞ヶ関や永田町の状況を知りたがるのは当然といえる。内偵開始から2年は経っていて、遅いとはいえ公安警察は仕事をしたといえるだろう。

 

 問題点はやはり、セキュリティ・クリアランスの適格性審査の対象に国会議員が入りそうもないことだと思う。

 

クリアランス制度の適性評価 - 梶浦敏範【公式】ブログ (hatenablog.jp)

 

 で「まず隗より始めよ」だから民間人の適格性審査の前に、国会議員にも適用をと述べた。昨年末、霞ヶ関関係者に聞くと「国会議員や大臣は対象ではないが、漏洩すれば罰則はある」といなされてしまった。

 

 しかしやはり、民間人に適格性審査をする前に、国会議員とその周辺には評価をして欲しいと思う。今回のように「叩けばホコリ」が出てくるかもしれないのだから。ひょっとして、そのホコリが問題ですかね?

 

*1:Cyber Initiative Tokyo 2023(第二日) - 梶浦敏範【公式】ブログ (hatenablog.jp)