軍事クーデターから3年経って、ミャンマー情勢は混とんとしてきている。民主派勢力を弾圧し、イコンであるスー・チー元国家元首らを拘束したまでは良かったが、その後の軍事政権にはいいことが少ない。当然民主派の抵抗はあるし、諸外国からの経済制裁もある。10年ほど前<最後のフロンティア>と思われた、かの地の様相(*1)は一変してしまった。
当初は軍事力で市民を押さえつけていた軍事政権にも、このとことほころびが見られる。仏教国だが、イスラム教徒の一派ロヒンギャはじめ、少数民族は国内に多い。北部山岳地帯など近代戦に不向きなところに根付いた彼らを、軍事政権は攻めあぐねた。
ひとつひとつは小さな部族だが、対軍事政権で連携して蜂起してくるとミャンマー政府軍は押されるようになる。そこに民主化勢力が加わり、兵士の中からも内応や投降する部隊が出てきて、いまや完全に劣勢である。今月から強行される徴兵制度を嫌って、若者が海外逃亡や、逆に民主派勢力に参加する事態も招いた。
ミャンマー 軍事パレードも戦車部隊など参加せず 軍事力低下か | NHK | ミャンマー
先月末の恒例軍事パレードも、首都などの防衛を優先したのだろう、戦車などの参加は無かった。すでに内戦の様相を呈しているのだが、軍事政権への支援をする国家は現れてこない。このままだと、インドシナに大きなカオス地帯が発生することになるだろう。それは中国には困った話。昆明からベンガル湾に伸びるパイプラインは、エネルギー政策上重要な施設で、その場所が不安定化するのはまずい。
いざとなったら習大人がミャンマーを衛星国化する侵略をするかもしれません。それを嫌ってインドが・・・。そんなことになったら、南アジアの一大事。赤いミャンマーなど見たくもないですよ。