Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

台湾市民は絶妙な選択をした

 今年は世界中で、国際社会に大きな影響を与える選挙が目白押しだ。その最初のもの(*1)が台湾の総統選挙と立法院選挙。親米の民進党蔡政権が2期続き、台湾有事がうわさされ、中国習政権の介入も懸念される中での選挙となった。

 

 結論から言うと、台湾市民は絶妙な選択をしている。総統は民進党の頼氏が当選、ただし得票率は4割ほどと圧勝ではない。立法院(国会)は民進党が第一党にはなれず、僅差だが国民党に敗れた。ただ両党とも過半数には届かず、第三党の民衆党がキャスティングボートを握ることになる。

 

 台湾併合をあからさまに言う中国に対して、その距離をどうとるかが最大の争点ではあるのだが、3党とも「現状維持」が看板で大差はない。市民は独立を強行して戦争になるのは困るし、唯々諾々と併呑されて香港の二の舞になるのも困る。

 

    

 

 その結果、「習近平を信用すべきだ」と馬前総統が発言した国民党ではなく、民進党の頼氏を選び、あまり親米でもいけないと立法院では民進党を抑制したわけだ。蔡氏再選の時に(香港等の件があって)民進党に投票した若者の何割かは、新興勢力の民衆党を選んだ。

 

 というのは、先進国共通の悩みだが、台湾でも若者の失業率が上がり、収入は伸び悩み、生活物価(特に住居)の高騰がひどい。戦争も併呑も困るけれど、それだけじゃなく目の前に生活苦をなんとかできないかという思いである。

 

 それにしてもうらやましく思ったのは、3期連続同じ政党が政権(総統府)を獲ることは初めてだったということ、政権交代というアクションが確実に起きていたことだ。国父蒋介石李登輝元総統らが築いた「民主中国」は、正しく機能している。

 

 さて、与党自民党の裏金問題を自民党内の「政治刷新本部」で対処する(*2)という国家は、「民主中国」に学ぶべきではないでしょうかね?

 

*1:もちろんその前にバングラデシュの選挙があって、これも物議をかもしてはいる。

*2:政治資金規正法改正案なども、自民党ではなく公明党+野党が提案し、自民党はそれを飲むべきでは?