Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

護衛艦「さざなみ」の無事を祈る

 今月、海上自衛隊の汎用護衛艦「さざなみ」が、ソマリア沖アデン湾での海賊対処任務に派遣された。今回が第47次の派遣で「さざなみ」にとっては、2009年の第1次以降5度目の派遣になる。第一次当時は新鋭艦(2005年就役)だったが、今や20年近いベテラン。

 

◆DD-113「さざなみ」

たかなみ型汎用護衛艦、呉第四護衛隊群所属

・基準排水量 4,650トン

・出力 6万PS

・最大速力 30ノット

 

 と、以前紹介(*1)した「たかなみ」とほぼ同じ仕様である。海賊相手なら十分な兵装(127mm速射砲、対艦ミサイル、短魚雷等)と索敵能力を持っているのだが、今アデン湾には新たな脅威が生れている。それはイエメンの反政府組織でイランの支援を受け、イスラエル英米に対抗しているフーシ派。

 

        

 

 彼らは無人機や弾道ミサイルで、紅海などを通る艦船を攻撃してくる。「さざなみ」の対空防御は実質CIWS2基だけだから非常に危険だし、できたとしても個艦防御が精一杯。民間船を守ったり、英米の軍艦に作戦協力するのも難しい。

 

47次隊の護衛艦「さざなみ」 緊迫化する中東海域踏まえ、装備追加へ |海上自衛隊 - 防衛日報デジタル|自衛隊総合情報メディア (dailydefense.jp)

 

 自衛隊では若干の防空装備を追加する(詳細非公開)とのことだが、この記事にあるようにイージス艦の派遣を考えてほしかった。いやイージス艦だけでなく、F-35B搭載のいずも級航空母艦を中核にした機動部隊の派遣を考えるべきだった。

 

 いずも級は揚陸強襲艦を改装して航空母艦としたのだが、その実戦運用能力は未知数(*2)だ。主任務としては海賊対処、万一の時はフーシ派からの防御、それらの任務の過程で機動部隊運用の要改善点をあぶりだす・・・くらいのことはしてほしかったですよ。まずは「さざなみ」の無事を祈りますが。

 

*1:三代目「たかなみ」ガ征ク - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com) 

*2:香田元提督は「無理な改装」だったと指摘している。