先日、夏至の函館は花盛りと申し上げたのだが、本来6月下旬に見ごろを迎えるはずのバラが、少し早めに咲いたようだ。この日のランチは、旧英国領事館の建物でアフタヌーンティーをいただくことにした。
僕自身アフタヌーンティーの経験はなく、家内が若いころにロンドンで一度食べたがとても量が多かったという。大食漢の英国人(貴族)は、ランチの後ディナーの前にスコーンやサンドイッチを含む「お茶の時間」を楽しむらしい。そんな真似はとてもできないので、僕らはランチの代わりにしてみたわけ。
基坂と山手通りの交差点から少し坂を上がったところに、旧英国領事館(*1)はあって、開港関連の展示のほかカフェ<ビクトリアンローズ>で食事ができる。カフェに行く前に、小さいけれど心地よい庭園のバラを愛でに行った。


噴水の周りに色とりどりのバラが、今を盛りと咲いていた。正午の鐘をききながら、しばし英国旅行気分。木陰のベンチに座って、ぼんやり庭を見ていた。10分ほどして、おもむろに立ち上がってカフェへ。庭を見渡せる窓際のテーブルに案内してもらった。荘厳な造りの室内で、厳粛な気持ちでのランチである。

しばらくして運ばれてきたのが、三段重ねの「お茶のお供」。上段がケーキやプリン、中段がスコーンで、下段がサンドイッチ。本場のものより量は抑えめらしいが、これでも十分なランチである。ポットと砂時計が一緒に運ばれてきて、砂が落ち切るまでポットから注がないこと、注ぐ際に少し撹拌することとの指示を貰った。

4種類の内から、僕はアールグレイを選んだ。透明な容器は冷めないように布製のカバーを掛けるのだ。茶こしを使って茶葉を除きながら、ゆっくりカップに茶を移す。
・一杯目はまず香りを嗅ぐ
・二杯目は味を楽しむ
・三杯目は一滴も余さず飲み干す
のが礼儀だそうです。この雰囲気だと、そんな指示を受けても素直になれますよね。全て美味しくいただきました。