イスラエルのイラン攻撃を、国際社会は止められなかった。単なる空襲だけでなく、地上の工作員も使って革命防衛隊の司令官や参謀長まで暗殺したというから、念の入った軍事行動である。ほめるわけではないが「さすがはモサド」との印象だ。
当然イラン側も反撃、どこまでエスカレートするかは不透明だが、弾道ミサイルをテルアビブその他に撃ち込んでいる。有名な<アイアンドーム>は短距離ロケットなどの迎撃に使うもので、弾道ミサイル防御は別のシステムが受け持っている。こちらも100%迎撃できるわけではなく、イスラエル政府が一番恐れる市民の被害が出てきている。
それを覚悟してのイスラエルの先制攻撃だが、それほどイランの核開発は彼らにとって脅威だったということだろう。

中東発WWⅢなど起きないように祈るしかないのだが、戦術的には気になっていることが一つある。それは最新鋭ステルス機F-35の実戦参加だ。
イスラエル軍、イランへの攻撃に米国製戦闘機の使用を示す映像を公開 - CNN.co.jp
ステルス性能があって、種々のバリエーションの中にはVTOL/STOL能力を持つものもある。正式な軍用機としての区分は<マルチロールファイター>、なんでもできる機体だがそれゆえ非常に高価になった。1機あたり8,000万ドルは下らないし、維持にも高いコストがかかる。
日本の自衛隊も導入しているが、本当に役に立つのかの疑問を各国の政府機関や軍事関係者は持っている。加えて<キルスイッチ>があって、製造元が無力化する隠しコマンドを入れたとの疑惑もある(*1)。結局は実戦で使ってみるしかないのだが、調べてみるとF-35の実戦参加はこれが2度目。2018年にやはりイスラエル軍が、シリア領内で使用していた(*2)。
各国が欲しがるF-35の実戦データ、全世界の敵になりつつあるイスラエルが自国だけで抱え込むのか、注目されますね。