Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

プーチンのチキンレース

 ロシアのプーチン先生は、昨日から3日間ウクライナ戦線で一方的に停戦すると宣言している。一時期米国トランプ先生とウクライナのゼレンスキー大統領が不仲となり、ロシアに光がさしたと見えていたのだが、その関係も修復され「悪者」はロシアだと(気まぐれな)トランプ先生が思い始めている。少しでも点数を稼ごうと停戦を宣言したのかもしれない。

 

 今日は対ドイツ戦勝の80周年記念日で、この間は静かにセレモニーをしたい、中国の習大人も来てくれるので万一のことがあってはいけないとの思いだったのかもしれない。今回習大人が、どのようなメッセージをこの場で出すのかが注目される。ウクライナも兵器不足、兵員不足、特に防空能力不足で厳しい戦況にあるのだが、ロシアの苦悩も決して小さくない。

 

    

 

 ずっと戦時経済を続けてきて、政府が支出を増やしているのでGDPそのものは成長している。今年も4~4.5%成長するとの予測だ。しかし金利が20%を越えていて、軍事関連以外の産業や家計に、悪影響を及ぼしている(*1)。

 

 米国議会も、対ロシア制裁を壊滅的に強化する法案を準備している(*2)し、何より問題なのは世界経済が「トランプ関税砲」の影響で縮小し始め、原油需要が減って価格が下がってきていること。先月まで65ドル/バレルだったものが、60ドルを割り込みさらに下落しているという。OPECが増産を続けていてサウジアラビアもそれを黙認している。原油市場暴落による「逆オイルショック」すら懸念されている(*3)。現在ロシア経済の体力がどこまで残っているかが不透明だが、50ドルを割ればかなりの苦境に陥るはず。

 

 習大人が(自国経済も大変なのだけれど)、ロシアに助け舟を出すのでしょうか?さてプーチン先生のチキンレース、顛末はどうなりますかね。

 

*1:プーチン・ロシアで始まった雇用整理の波、一段と進む戦時経済化で民需と家計所得に大きな打撃か 【土田陽介のユーラシアモニター】労働市場の変調が映し出すロシア戦時経済の綻び(2/4) | JBpress (ジェイビープレス)

*2:トランプ政権、対ロシア圧力強化の選択肢を準備-戦争終結促す目的で - Bloomberg

*3:原油急落、本当の理由…サウジアラビア発「逆オイルショック」懸念、実はトランプ関税ショックより怖い(3/4) | JBpress (ジェイビープレス)