イスラエルの防空システム「アイアンドーム」は、今回の中東紛争でもよく役目を果たした。ハマスはもちろんヒズボラやイエメンのフーシ派からのロケット攻撃が相次いだが、そのほとんどを空中で撃破している。一時期ウクライナのゼレンスキー大統領も配備を要望していたが、どうなったのだろうか?
その性能を見込んで、トランプ先生は米国にこれを配備する大統領令に署名したという。
トランプ氏、米国版「アイアンドーム」構築で大統領令署名へ 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News
これには正直、あきれてしまった。この記事にもあるようにこの防空システムは、短射程のロケット弾には有効だが、大陸間弾道弾(ICBM)を迎撃する能力はない。それにイスラエルの国土面積約2万㎢に対し、米国は約100万㎢の面積があるのだ。その50倍の国土のうち、どこを護る「ドーム」なのだろうか?

そして、誰が短射程ロケットを撃ってくるというのだろう。もしそんなものをホワイトハウスに撃つ輩がいるとすれば、それは国内のテロリストである。国内へのロケット弾持ち込みや製造に対しては、ATFやFBI、当然ながらCIAも注視しているはず。イスラエルはヒズボラなどを、警察権力で取り締まれないから防空システムを構築したのだ。
そんなことを考える暇や、研究する組織・資金があるのなら、極超音速ミサイル対策をやるべきではないか?
にあるように、この種の兵器はオバマ政権で「通常弾頭による核兵器の制圧」を目指して研究開発されたが、今では中国・ロシアの方が進んでいると言われている。マッハ10以上で、かつ低空を最短距離で飛んでくるので非常に早く目標に到達する。もちろん中国やロシアは、核弾頭を装備することをためらわない。
上手くいっているわけではないですが、ウクライナの戦場でロシアが<キンジャール>を試したとの情報もあります。「アイアンドーム」の夢などにかまけていていいのでしょうかね。