Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

国籍というものの価値を知る

 昨日に引き続いて、在留外国人のことを取り上げたい。日本国籍を持つ僕らには当然のことだが、

 

・行動、移動の自由

・健康保険による診療をうける自由

・政治、信教、言動の自由

 

 が日本にいるとある。特に海外に行って感じるのが、医療の問題。言葉の障害だけでなく、適切な診療・医療を受けられるのか、その費用はどうなのかについては、いつも心配させられる。正直、日本ほど医療が(実質的に)安い先進国はないと思う。種々の問題はあれど、日本の医療制度が非常に優れているのは、日本人の平均寿命/健康寿命から見て取れるはずだ。

 

 仮に財産を失っても生活保護という制度があり、最低限の健康で文化的な暮らしはできる。生活保護受給者は、医療を無償で受けられる。ただその対象者は、日本国籍を持ったものに限られる。これはある意味当然のことだ。ところが、このような訴訟が起きていて、在留外国人にも生活保護の制度を使って、無償医療を受けさせたいとの要望が寄せられている。

 

「働けるまで生活保護を」重病のガーナ人男性訴え 控訴審初弁論:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

 

    

 

 地方裁判所は「生活保護は、日本国籍を持ったものにのみ認められる権利」として、訴えを退けた。この人は何らかの就労資格で在留していたのだが、病気で働けなくなり特定活動のひとつ「メディカル・ツーリスト」に在留資格を切り替えた。1在留1資格(*1)なので働いてお金を稼ぐことはできない。この資格は、海外の富裕層が健康保険なしにでも、日本の高度医療を受けたいと思うときに使うものである。

 

 まだこの人は、故国ガーナに帰って治療を受けることができるかもしれない。しかし日本には1万人以上の<無国籍者>もいる(*2)。彼らには帰る国もない。ひとつの裁判記事から、国籍の価値を再認識できましたね。

 

*1:外国人の在留は日本政府次第 - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

*2:日本の中では空気のような・・・ - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)