Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

移民に何を期待するか、明確に

 今日から、広島でG7サミットが開催される。主要な議題はウクライナ紛争や南/東シナ海危機という安全保障面だが、各国がそれよりも共通して悩んでいるのが移民(&難民)問題。米国・メキシコ国境には人の行列ができているし、地中海やドーバー海峡を小型船で渡ろうとして事故になるケースも頻発している。

 

 英国のジャーナリストであるダグラス・マレー氏はその著書「西洋の自死」の中で、

 

・移民による労働力増、GDP増という目先の目標に飛びついた結果

・自社の労働者の待遇を下げてしまった

・それより深刻なのは文化的課題、移民は慣習を変えずコミュニティが大きくなるだけ

社会保障費の増大にもつながり、納税者の不満が高まっている

 

 と述べている。日本は各国よりは危機感は薄いが、今週のニュース番組で、

 

        

 

菅元総理:思い切った方向性を出すべき時、技能研修制度の手直し程度ではNG

橋下元知事:在留外国人は300万人を越えた。彼らの扱いについて議論が必要

 

菅前首相、早期解散「そんな状況ではない」 移民政策「思い切って方向性出す時期」(FNNプライムオンライン(フジテレビ系)) - Yahoo!ニュース

 

 と言っている。ここでマレー氏の日本へのアドバイスに戻ると「移民に何を求めるか明確にせよ」とある。つまり、1代限りで故国に戻って欲しいなら技能実習制度でいいし、人口増のため定住を求めるならどんな慣習を持った人に来て欲しいかを明示せよということだ。

 

 移民・難民問題でメディアは、可哀そうな例を挙げて「政府の対応が甘い」と非難するが、この点(期待の明確化)に言及した人は、寡聞にして知らない。人数やGDP効果、社会保障費問題などの前に、日本国民が「何を求めるか」を議論して欲しいと思います。入管法改正なども、そのコンセンサスが得られてからなら、大きな混乱は起きないでしょう。