Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

期限を切るのはいいことだけど

 「空気を読まない突破力が魅力」と評した人もいた河野デジタル大臣。就任以来、マイナンバーからみのいくつかの動きがあった。普及率が50%そこそこであることから、都道府県別の普及率を公表してみたり、普及率で地方交付税交付金を調整するなどの噂も出ていた。これらに河野大臣の名前は出ていなかったと記憶しているのだが、今度は正々堂々自ら記者会見して「健康保険証を2024年秋に全廃、マイナンバーカードに統一」という目標を発表した。

 

健康保険証廃止、24年秋「マイナ保険証」に一本化…河野デジタル相「医療の質が向上する」 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

 

 マイナンバーカード(以下マイナカード)が交付されるようになって6年余り、持ってもメリットが少ないということで「COVID-19」禍以前には、15%ほどしか普及していなかった。

 

        

 

 マイナンバーが上手く使えず、特別定額給付金が市民の手に届くのに時間と経費がかかった反省から、種々の普及策が採られた結果、50%まで伸びて来ていた。それでも、

 

デジタル化のメリットが反映されていないマイナンバー制度の致命的欠陥 「番号は危険」という非科学的感情が作り出す「空気」と、それを恐れる政治(1/5) | JBpress (ジェイビープレス) (ismedia.jp)

 

 にあるように、行政業務にフルにマイナンバー(&カード)を使うには、抵抗感がある。健康保険証のマイナカード化が「マイナカードも使える」ならともかく、「マイナカードしか使えない」だと、全医療関係機関のデジタル化とマイナカード対応が必要になる。個人も全員対応しなくてはいけないが、こちらは代理人制度を整備すれば対応可能。しかし医療関係機関全部って、あと2年で本当にそんなことができるのだろうか?

 

 期限を切るのはいいことですし、選挙のない「黄金の3年間」でやってしまおうというのは分かります。でも混乱を収拾できるのでしょうか、大臣。